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noteを始めてみる。Amazonには、もううんざりだ。

noteを始めてみることにした。なぜかと言えば、ここ数年はAmazonのレビューを中心に活動してきたけれど、管理者側の対応に、いささかうんざりしたからだ。

以前から、いくつかのレビューが突如削除され、再投稿しても二度と掲載されないものがあった。

(1) 物江潤『ネトウヨとパヨク』(新潮新書)
(2) 先崎彰容『バッシング論』(新潮新書)
 への批判レビューと、
(3) 谷本真由美『世界でバカにされる日本人』(ワニブックスPLAS新書)
(4) 津原泰水『ヒッキー・ヒッキー・シェイク』(早川文庫)
 への高評価レビューなどだ。

(1)と(2)については、背景に「日本大学(理事長が右翼)」「松下政経塾」など「保守・右翼」勢力がらみであり、(3)については「保守批判本」である。(4)について、安倍晋三前首相の取り巻きの一人である幻冬社社長・見城徹が謝罪に追い込まれた『ヒッキー・ヒッキー・シェイク』文庫化問題に関わる当該文庫本である。
つまり、いずれも、有力な「保守・右翼」的な政治勢力に批判的で、当該書を読むだけでは気づかない「背景的な事実」を指摘した、告発的レビューだったわけである。
この件について、Amazonカスタマーに問い合わせた結果は「利用規約違反である」という型通りの回答で、当然のことながら「どこがどのように利用規約違反なのか」の説明は一切ない。最近流行りの「個別の案件についての説明は、差し控えさせていただきます」というやつだ。

上の4本のパターンではない、唯一の例外が、
(5) 新海誠監督『天気の子』
についてのレビューだ。

この長編アニメーション映画について、私は、高畑勲によると新海作品批判などを踏まえて、相当厳しい評価を下した。
しかし、映画公開間のないレビュー執筆当時は、まだ同作のDVDが発売されていなかったため、新海による同名ノベライズ作品(角川文庫)のレビューとしてアップし、以降約1年間、レビューはそのまま掲載されていた。
ところが、約1年後、DVDが発売されたので、同じレビューをアップしたところ、しばらく掲載されたのち、いきなり削除がなされた。

通常、利用者からの「管理者通報」があって「削除」がなされても、同じものを再投稿すれば、そのまま掲載され、「役に立った」数(「いいね」にあたるもの)も削除前の数字が持ち越されるシステムとなっており、いきおい「削除と再アップのいたちごっこ」となることが多い。
まあ、それはそれでいいのだが、『天気の子』の場合は、再投稿しても二度と掲載がなされなかったため、カスタマーサービスに連絡したところ、「利用規約に反するから載せられない」という、例によっての回答だった。
一一やはり、「政治的圧力」とはまた別に、大きなお金が動くものに関しては「経済的な圧力」がかかるのかと、そう納得せざるを得なかったのである。

しかしながら、私はこうした「SNS」については、あまり信用していなかったので、Amazonの利益に反する投稿なら、「利用規約」を楯に説明責任を果たさず削除するくらいのことはするだろうと思っていたから、さほど抵抗もせずにそのまま利用を続けていた。なにしろ、私は、Twitterやmixiで、ネトウヨと喧嘩をして、管理者通報によってアカウントを凍結されてしまった人間なので、営利企業でしかないSNS管理者の「公正さ」になど期待しなくなったのである。
それに、Amazonレビューの場合は、論評した作品に興味を持つ人の目に触れやすいし、半永久的に掲載され続けるのである。無料で、そうした便益があるのなら、色々問題はあっても、まあ悪くはない、とそう考えたのだ。

ところが、今回は、さすがにうんざりした。

1ヶ月あまり前に刊行された、萩尾望都の長編エッセイ『一度きりの大泉の話』(河出書房新社)について、刊行直後に、かなり厳しい批判的レビューを投稿したところ、大変な反響があった。
後で知ったことだが、ツイッターの方で、私のレビューにリンクを張って、とても褒めてくれた人が結構いたようなのである(もちろん、批判もたくさんあったようだが、当然それは、事前に想定されていた)。

レビューが掲載されて、約1ヶ月ほど経った頃に、初めて「削除」がなされた。これも想定の範囲内であるから、私はいつものように再アップを繰り返した。

ところが、一昨日(2021年6月2日)の朝から、Amazonのホームページ(?)のトップ付近に表示される「参考になった」数が、前例のない、おかしな挙動を始めたのだ。
どういうことかと言うと、要は「参考になった」数が「減り始めた」のである。

この「参考になった」数というのは、各レビューの最下部についている「役に立った」のボタンを押すと、そのレビューの「役に立った」数が一つ増えると同時に、それらの「総計」にあたる「参考になった」数も、一つ増えるという仕組みのものである。
問題は、Amazonレビューには、「役に立った」ボタンはあっても、「役に立たなかった」ボタンは無く、また、いったん「役に立った」ボタンを押してしまうと、取り消し機能がない。つまり「役に立った」や「参考になった」の数字は、基本的に「増える一方」であって、「減ることはない」はずなのだ。
一一それなのに、今回初めて「参考になった」数が大きく減り、個々の「役に立った」数も、減っているもののあることが確認された。

また、奇妙なのは、個々のレビューの「役に立った」の減り方よりも、その総計である「参考になった」数の減り方の方が、大きく見える点だ。
というのも、こうした奇妙な挙動が見られる間でも、個々のレビューに対して「役に立った」を押してくれる人はいて、数が増えているにも関わらず、総計としての「参考になった」数は、むしろ減っているからである。

そこで、Amazonのカスタマーサービスに対して、昨夜、問い合わせの電話を入れたところ、日本人のオペレーターが、私の事情説明を聞いた上で「調査した上で、メールで回答させていただきます。しばらくお時間をいただくかもしれませんが、その場合はご容赦ください」という回答であったので、私も気長に待つつもりであった。
なにしろ私としては「Amazonの管理者が、故意に個別の数字を弄る」などということは、少なくとも「建前上はない」と考えたからだ。つまり、故意に顧客の投稿した「数字を弄る」などということを公言するわけがない、と考えたのである。
ならば、あと考えられるのは「システムトラブル」か「外部からのハッキング」しかないのであるから、それには「調査に時間がかかったふり」くらいするだろうと考えたのである。

ところが、今朝になって、早速、Amazonからの回答メールが届いていた。
驚くべき内容は、次のとおりである。

発信者: Amazon.co.jp Customer Service(cs-reply@amazon.co.jp)
発信時間:2021/06/04/09/03
件名:  Amazonコミュニティへのお問い合わせ
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Amazon.co.jpにお問い合わせいただき、ありがとうございます。
このたびは、カスタマーレビューの投票数について、ご指摘いただきありがとうございます。

ご指摘いただいたカスタマーレビューにつきましては、当サイトの各種規約、ガイドラインに沿って適切に対応させていただきます。

当サイトでは、カスタマーレビューについてより正確な投票数をカウントするため、投票の傾向をシステムによって監視しています。

特定のお客様が投稿したレビュー、または特定の商品に関するレビューに対して集中的に投票が行われているなど、不適切な投票が発見された場合は自動的に投票が削除されます。そのため、投票数は増減する場合があります。

今回ご指摘のレビューの投票について有効な投票と判断されなかった場合には、今後自動的に調整されるかと存じますので、しばらくお待ちのうえ様子を見ていただきますようお願いいたします。なお、無効な投票と判断されなかった場合には、現在の票数が継続されますのでご了承ください。

またフォロワーに関するご指摘の点について、どのような状態か特定できませんでした。お手数ですが、詳細及び該当画面のスクリーンショット等をお知らせくださいますようお願いいたします。

Amazon.co.jpにお問い合わせいただき、ありがとうございました。

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Amazon.co.jp カスタマーサービス

Amazon.co.jp は、お客様からのご意見により、地球上で最もお客様を大切にする会社を目指しています。
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最後の「フォロワーに関するご指摘」というのは、Amazonのホームページのフォロワー数を表示した部分に設置されている、フォロワーを確認するためのリンクが、ここひと月ほど切れており、確認ができないようになっていると、ついでに「指摘」ことに対する回答だが、こんなことも確認できなかったらしい。

ともあれ、「リンク切れ」のこともあったので、私も当初「システムエラー」だと考えていたわけなのだが、今回の「参考になった」や「役に立った」数の「減少」は、管理者が「故意に行なっているものだ」ということらしい。

つまり、Amazonレビューの「参考になった」や「役に立った」数は、利用者のレスポンスがそのまま反映されているのではなく、管理者が調整している、あるいは調整できるものなのである。
しかも、その「調整の基準」に関しては「個々に関しては、説明責任を負わない(果たさない)」というのだから、いわば「管理者のやりたい放題」であり、Amazonの儲けにつながるレビューと、そうでないレビューに対しては、当然「扱いが異なる」ということにもなるのである。

このメールを見せられて、さすがの私もうんざりした。
せいぜい5年ほど前から本格的に利用しだしたAmazonレビューとは違い、私には別に、20年前から使っている電子掲示板「アレクセイの花園」がある。
そちらにもAmazonへの投稿と同じものを掲載し、Amazonで不掲載になっても、そちらに掲載され続けるようにしているが、なにしろ古い電子掲示板だから、検索に引っかかりにくく、多くの人の目に触れにくいようなので、では、いま流行りらしいnoteでも試してみるかと考えた次第である。

まだ、使い方がよくわかっていないが、最初に、試験的に、今回の「異変」のきっかけとなったのかも知れない、

・ 萩尾望都『一度きりの大泉の話』レビュー:〈残酷な神〉が支配する…

をアップし、次いで、この説明記事を書いてみた。
今後、どうなるかはわからないが、こんな調子で、Amazonでは書けなかったことも書くので、ご注目いただければ幸いである。

年間読書人(アレクセイ・田中幸一)

(2021年6月4日)

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【補記】(2022年1月31日)

本文中の「Amazonレビュー」へのリンクは、Amazon管理者によるレビューの全削除によって、すべて切れているので、その後、「note」に転載した記事のリンクを貼っておきます。

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