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漢方医とのおつきあい

21歳のときに統合失調症と診断されて、かれこれ17年くらいが経つ。
25歳くらいから現在までずっと飲んでいるブロナンセリン(通称ロナセン)という統合失調症の治療薬(女性ホルモンが増える)の副作用で、どうしても生理不順になりやすい。
最初はたしか1年くらい生理がパタッと止まった。
ロナセンを飲み始めた頃に、何度か生理不順の旨を当時の主治医に訴えたところ、おそらく主治医が男性だったこともあるのだと思うが、「ああ、そう(それは言われてもしょうがない)」みたいな感じで毎回軽くスルーされたのを覚えている。男性にとっては、「生理が来ない」ぐらいで騒ぐな、という感じだったのだろうが、ただ単に生理が遅れがちになるだけではなく、常に生理前のようなイライラと眠気があって、肌が荒れ、気分がすっきりとしない。女性にとっては体の周期、生活のリズムが壊されるのと同じだ。
その頃は恋人もいなかったので、結婚の予定などはまったくなかったのだけど、いつかは子どもがほしい、そのためにはこの生理不順をなんとかしたい。と思っていた。
初潮も人より遅めで、24歳のときに卵巣の良性腫瘍の摘出手術もしていたので、もともと婦人科系が強い体ではないことは自覚していた。
そこで、思い切って今から9年くらい前、28歳くらいのときに、漢方外来に紹介状なしで行ってみた。
最初はそこで診てもらった女性の先生に持病のこと、副作用のことを伝え、漢方だけ処方してもらっていた。ツムラの桂枝茯苓丸加薏苡仁(ケイシブクリョウガンカヨクイニン)(桂枝はシナモン、薏苡仁はハトムギ。ハトムギには肌の調子を整える作用もある。)という漢方薬を飲むと、生理がほぼ一か月おきに来るようになった。のちに、先生が精神科医で精神科からしか出せない西洋医学の薬も出せるということで、精神科の診察としてそこで診察を受け、一度にロナセンと漢方薬をもらえるようになった。ちなみに精神通院の自立支援医療を受給していたので、医療費が一割負担になり、まったく生活に支障はなかった。
31歳で結婚してから、その主治医に「子どもほしくなったら言ってね、妊娠しやすくする漢方もあるから」と魔法使いのようなことを言われたけど、結局そういった漢方は使うことがないまま、結婚して一年で自然妊娠した。
漢方の良いところは妊婦でも飲めるところで、妊娠中は主治医が「絶対に切迫流産とかしてほしくないから」と言って、当帰芍薬散(トウキシャクヤクサン)を処方してくれていた。つわりの吐き気止めも漢方で出してもらった。子どもは無事に産まれた。二人めも特に妊活的なことをすることなく自然妊娠し、産まれた。主治医の先生も、わがことのようにとても喜んでくれた。今思うと、最初に生理不順(自分の個人的な不調)をなんとかしたいだけで動いたアクション、そこから続くからだの素地づくりが、わたしの妊活0(ゼロ)だったのかな、と思う。
そのほか、気持ちを落ち着ける薬として抑肝散(ヨクカンサン)(子どもの夜泣き対策などにも使える。妊娠中もずっと飲んでいた)就眠前の導入剤として酸棗仁湯(サンソウニントウ)、夏バテして食欲がない時には六君子湯(リックンシトウ)、咳がしつこい風邪がなかなか治らないときは麦門冬湯(バクモントウドウ)などをそのときの体調にあわせて駆使している。
漢方薬を毎日飲み始めてもうすぐ10年経つので、もうわたしにとっては生活になくてはならないものだ。からだが必要としているものだからか、味の苦さはまったく気にならないし、むしろ飲んでいないと落ち着かない。主治医の「漢方薬はごはんだから」という言葉通り、ゆっくりじわじわと効き、西洋医学の薬のように即効性があり劇的に効くような薬ではないけど、体に負担をかけて場あたり的に症状をなくそうとするのではなく、根本的に体質を変える漢方薬との出会いで私の人生は確かに変わった。
持病を持っている人でも、子どもをもつことをあきらめないでほしいと思う。
また、持病がなくて、病名がつかないような症状に悩まされている人も、ないふりをしたり我慢したりせずに、たとえば漢方医などに相談してみてもいいと思う。それがのちにやってくる大きな困りごとや病気を未然に防ぐことにもつながる。
どんなに小さくても、体の声を無視しないことが大切。
道はたしかに開いている。
(漢方薬は薬局でも買えますが、病院で処方してもらったほうが安いので一度診察を受けてみるのをおすすめします!あと、漢方薬が体質的に合うかどうかは個人差がありますので、その点ご了承ください)





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