「狂ってるね」 突然だが、私にとっての最大の褒め言葉はこれである。 「かっこいい」が20ウレシイだとすれば、「頭良い」が30ウレシイ、「変わってるね」が200ウレシイ。「狂ってる」が255ウレシイでトップである。 先日友人が、「俺は『変わってるね』なんて言われたくない。『普通だね』が良い」と話していて驚いた。まるっきり自分と正反対ではないか。それでも我々は同じ人間なのだろうか?考え方や価値観は人それぞれである。 自分は簡単に言えばひねくれもの。「人と同じこと」がイヤで、
「お父さん 今年で定年退職になります。当日、ねぎらいのラインを送ってあげてください」 母からのLINEが届いたのは、師走に入り、年末が期限の仕事に追われているころだった。 我が家は5人家族である。 父、母、兄、姉、そして末っ子の私だ。 上の兄弟とは歳が離れており、私が小・中・高とゲームに時間を費やしているころに二人とも就職し、独り立ちしていた。 兄も姉も昔から活発な人間であった。 兄は無口ではあるが部活、サークル、就活、なにごとも真面目に行い、結果を出してきた。 姉
図書館や本屋にいくと、「○○が9割」とか「仕事ができる人は○○しかやらない」とかいうタイトルのビジネス本を何十冊も見つけられる。あなたたち全員集まったら1000割いくでしょう。 最近読んだ本は、「やらないことを決めよう」的なことが書いてあった。要約すると、「時間は有限だからまずやらないことを決め、重要なことに集中しよう」的なことのアレ風の感じだ。 そんなことを考えていて、これまでの自分が「やらないと決めたこと」とはなんだっただろうか?とふと考えてみた。 *** ・小1
どっかに行こう。 5年前の秋ごろ、電車に乗って旅に出た。 西に向かいながら、電車の中で行先をいろいろ考えた結果、離島巡りをすることにした。 持ち物は、お金と寝袋とウォークマンだけ。 しばしば電気やガス、水道が止まるほどにはお金が無く、その後の生活も考えて節約旅である。 初日、島に着くともう夕方である。 歩いて夕食が食べられるところを探す。 完全に普通のおばあちゃんの家に思える食堂にて、海鮮系のご飯をいただく。肌寒くなってきた秋の夜長、放浪の末たどり着いた味噌汁。暖か
大学生の頃、帰り道に地下鉄を待っていると同じゼミの人と一緒になった。授業以外ではほとんど話したことはなかったもののとりあえず挨拶を交わし、電車に乗り込んだ後は隣に座って身の回りのことを話していた。 乗っていたのはせいぜい20分だが、直感で話が合いそうだと思った。相手も同じように「〇〇くんはそんなことを考えていたんだね」と言っていた。また話そうかと言って、駅で別れる。 後日、初めて二人で出かけた先は献血センターだった。どうやら相手は献血が好きらしい。「何がいいの?」と聞くと
休日、深夜3時に目が覚める。それから5~6時間パソコンでゲームをしたり動画を見たりして9時ごろにカフェに向かった。 カフェや喫茶店に行くという習慣はこの夏から始まった。軽食やコーヒーを頼むが、コーヒーの美味しさというよりは、気分や時間を楽しんでいる。そうやって気分を乗せて、あまたある積読本を読んだり、ノートに思い浮かんだことを書き連ねたりする。ブログのネタだったり、妄想だったり、やりたいことリストだったりする。 今日はいつも行くカフェの駐車場がいっぱいで止められなかったの
「毎日家にいるなら、バイトか免許取るかどっちかやりなさい」 母だ。ばれたか。 大学1年の夏休み、私は家にこもり冷房を効かせて毎日パソコンとゲームばかりしていた。確かに時間がもったいない。 結局、夏から自動車学校、秋からバイトを始めた。母に言われたのもあるが、実際に免許やお金は必要なのでやらざるを得なかった。人と違うことをしたい逆張りモンスターの私だが、これはしょうがない。 夏休み中、「なんか新しいことするか~」と考えてやったのは、青春18きっぷで電車旅をすることだった
家の近くに牛小屋があった。 モォーモォー泣いていたのは小学校低学年までだった。それから牛がいなくなったけど、ぼくらは牛小屋と呼び続けていた。 夏休み、小学校のプールが自由に使えるプール開放日は、友達といっしょに学校へ出かけた。僕の家の前に自転車を置いて、牛小屋の横の細い坂道を通っていく。 僕の家から小学校までは牛小屋を使えば徒歩5分で行けるのに、正式な通学路はぐるっと回り道して、20分ほどかかった。 「謎の開放感に満ち満ちた夏休みは、なぜか牛小屋の坂道を通っていい」、
「○○くーーん!あ・そ・ぼ!!」 カズヒコが、いつもどおりの大きな声で僕を呼んだ。 我が家には表札の真下にインターホンがあるのに、彼は決して押さなかった。聞くと、「なんかはずかしいんだもん」と言う。家の中まで響く大きな声で呼ぶ方がはずかしくないだろうか。少なくとも呼ばれる僕ははずかしい。 カズヒコは、僕が小学校3年生の頃に近所に転校してきた。1つ年下だったので、彼が小学校2年生のときに越してきたことになる。 彼が転校してきて初めての通学団会では、みんなの前で紹介されて戸
午前4時、目が覚める。 仕事がある日は夜の12時に寝て9時に起きているのだが、 休日になると高揚感からか早起きできるみたいだ。 毎日早起きできるほど、ワクワク生きたいものである。 沸かしたほうじ茶を飲みながら、 今日は人生初の『渡し舟に乗る』ことに決めた。 ********** 数時間車をとばし、川辺に着いた。 この時に船に乗ったのは、 毎週ウォーキングをしているという男性と私のみ。 男性が先に乗って出発しかけていたので、 「あっまだいいですか」と声を掛け、 ギリギリ
映画が見た後に、心の内にその世界が残っていること。 それが良い映画であり、私にとってこの映画もそのひとつだー 『戦場のメリークリスマス』 坂本龍一の音楽が、 有名なメインテーマ以外にも素晴らしく添わり、リアルと夢物語のあいだの心地よい雰囲気、世界観がつくられている。 映像と音楽が作り上げる世界観という意味では、world's end girlfriendが音楽を担当した是枝裕和の『空気人形』を思い出す。『戦場のメリークリスマス』も、『空気人形』も、”その音楽”無くしては
冬、冷たく澄んだ空気が、胸の奥を満たす。 夜空の星がはっきりと見える。 景色に、幼子の頃を思い出す。 ストーブの灯油の匂い、隣家の晩飯の香り、 くしゃくしゃの毛で道路を見つめる犬。隣に腰掛ける老人。 コートや耳当て、マフラーをしている人々。 冬は、匂いだけでなく景色や生活そのものに冬特有のものが多い。 私はそれらにまつわる過去を思い出したり、他人の暮らしを想像したりしていた。 私にとって、冬を語るのに欠かせない街がある。 その街の名を、ポドールイといった。 約10年
こんにちは。 コロナ療養最終日をむかえ、 明日からの出勤が憂鬱なめり込まざる者です。 本日はお忙しいところお集まりいただき、 まことにサンキューです。 今日は以前からやりたかった企画、 『藤井風の最高すぎるカバー動画を語る会』の司会進行を務めさせていただきます。 よろしくお願いします。 当会は、首相が主催していた『桜を見る会』と一切関連ありません。 1.椎名林檎 - 本能 「色気」というキーワードでググるとこの動画が出てくる未来は近い。Googleは進化してい
こんにちは。 コロナ療養6日目の昼を迎えためり込まざる者です。 待機期間中ひますぎて72年ぶりに掃除をしてたら、段ボールの中から小2の頃の私が作った話が出てきました。 というわけで療養中ということもあり、時間がもて余しているので考察します。コロナになってなかったらこんなことしてません。 主人公の名前が本名になっていたので、修正。 それ以外は原文ままです。 ★★★★★★★★★★ 『きょうふのたからさがし』 めり込まざる者 絵・作 めりこまとクリスは道路に落ちていたは
ガソリンも食材も電気も高すぎる! かといって給料上がらねえ!! というわけで給料のことはもうあきらめて、 転職先探しとブログをすすめている。 ここで私の(哀しい)お金の話をしよう。 30歳・貯金10万円 借金250万(奨学金)、資産なし 手取り21万 ボーナスなし 以上である。 ちなみに去年まで車やゲーミングPCのローンなどがあった。 去年二つのローンが終わって、 やっと月1万程度の貯金ができるようになった。 くだらない会社員生活に飽きたので、 「2年後には借金
こじれている。 「かっこいいね」「かわいいね」 「すごいね」「あたまいいね」 小さいころから、 こんなふうに褒められてもあまりうれしくなかった。 私がうれしいのは、 「変わってるね」「おかしいね」 「おもしろいね」「狂ってるね」 これだった。 物心ついたときから 現在にいたるまで、 こんなふうに言われるのがうれしい。 「俺様が常人に理解されてたまるか」 という気持ちが無いわけではない。 正直言うとちょっとあると思う。 でも、理解されてたまるか感よりは