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心に傷を持つ人は心理学を志してはいけない(18)

☆過去の話しを少しずつ書いております


晴れて大学に合格する訳ですが、私は関東の大学に進学します。自分を追い込むために大阪を離れる選択肢をしたんです。私のような人間が高い目標を目指すには今の環境ではダメだと思い、環境を変えることにしました。

大学の授業はとても楽しかったです。いつも最前列で授業を聞いていました。軽音学部に入って音楽をやりつつ倉庫でアルバイトもしていました。


大学の授業は心理学領域の授業を中心に取っていったのですが、その中で今でも忘れない心理学の用語があります。それは、


アイデンティティ



と言う言葉です。自我同一性とも言います。アイデンティティに関しては色々な説明がありますが、私が授業で教授から聞いた時はこう説明されました。


「あなたたちは社会に置いて家族の一員の自分、◯◯大学に通う自分、友人のグループの中に居る自分、サークル活動やアルバイトで職場などに属する自分、色々な自分を持っていると思われます。その1つ1つ全てを取っていった時に残るあなたは誰ですか?それがアイデンティティです。」



この話しを聞いた時私は衝撃を受けました。考えたこともなかったからです。人は色々な何かに属しており、自分というものを客観的に表している側面があるということをこの時に知りました。


私はこのアイデンティティについてよく考えました。考えたことも無かったと思っていたアイデンティティですが、私はここまでの道のりはアイデンティティに通じるものがあるのではないかと思いました。


自分が属する色々なものから脱却し、心理学を目指す自分。私は色々な劣悪な環境の中ずっと思って来たことがあります。


私は私だ。周りの全ては私ではなく私を決めるものでもない。



っと。それを自分に言い聞かせて来ました。きっとそう考えないと生きていけない自分が居たのだと思います。自分のことを諦めないことが原動力になったのだと思います。


このように心理学を勉強することにより、他者への理解やカウンセリングの技術だけではなく自分と向き合い自分を知ることへも繋がりました。色々な書籍で沢山書かれていましたが、


心に傷がある人は心理学を目指すことが難しい。自分と向き合う場面が沢山出て来るから。



と書かれていました。これは事実だと思います。自分と向き合うことに耐えられずに学校も仕事も辞めていく人を沢山見て来ました。


私は自分が大丈夫な自信を初めから持っていました。しかし、色々な所に沢山書かれていたので、もし本当に心がダメそうならすぐに辞めると言う決意も持っていました。私と出会うであろう子どもたちに迷惑をかけたくないからです。子どもたちからしたら少ししか大人と出会えるチャンスがない中、その私がブレているような人間だったら辞退すべきだと思ったからです。それは私が望んでいる未来の子どもたちのためになっていません。その覚悟を持って挑みました。


なぜ私がやっていけているかと言うのは、私の中で明確にいくつも線引きがされているからです。


ここまでが本当の私


ここからは私ではないその他のこと



私の中で相関係図のようなものが出来ていてブレることがないようになっています。私は意図的に


私以外のことで悩んだり考えたりしないようにしています



考えても悩んでも仕方のないことをよく知っているからです。考えて悩んでどうにもならなかったことが子どもの頃に沢山ありました。それらに区切りをつけたのです。同時に


私が選んで掴み取ったものは私だ



という感覚も持つようにしました。なので、妻や娘、そして仕事で出会う子どもたちには全力を出し自分のこととしてとらえます。生まれや育ちは自分が選んだものではないです。自分で掴み取ったものが本当の自分自身だと私は思いたいです。まだまだ私が掴み取れるものの範囲は狭いですが、日々広げていけるように意識しております。少しずつ、また一歩ずつ確実に広げています。


そして、私は心理学や社会学を学ぶことにより挫折どころか何も自分がブレなかったことに自信を持ちました。この自信は学校での仕事を始めるのにも背中を押し支えてくれたように思います。


根拠のない自信



は時に人を助けてくれます。私は大きく言っていてもそれがどれだけちっぽけなことかをよく理解しています。私は理解した上でその波に乗ることにしました。どれだけちっぽけなことでも根拠が何もなかった自分にはとても大きなことだったからです。


このアイデンティティを習った時に同時にもう1つ教えられたことがあります。


スティグマ



っという概念でスティグマとは要は負のレッテルみたいなものを意味します。例えば、「片親だとまともな子どもは育たない」のようなマイナスなイメージと言えば想像しやすいかもしれません。私はこのスティグマを自分の感覚で切り離していっていたのだと思います。私はこのスティグマを想像するとアリクイのような姿が頭に浮かびます。心を細い爪でほじくり出すアリクイです。そんなおっかないアリクイと向き合っても仕方ない、頭でそう感じました。




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