「生まれてきたことが苦しいあなたに」読んでみた。

今日はタイトルから結構衝撃的です。
何しろ「生まれてきた事が苦しい」という一文から
始まっていますから。

ですがこれは単なるノウハウや
エッセイの題名ではありません。

「じゃあ何なんだよ!!」

一体何なのかと言いますと、
本日紹介する本のタイトルです。
という訳で今日は↓

「大谷崇著・生まれてきたことが苦しいあなたに
~最強のペシミスト・シオランの思想~」

今日はこの本を紹介していきます。
最初に言っておきますが、
私は読んでみてかなりの衝撃を受けました。

著者について


ですが内容に触れる前に
まずはいつも通り著者について軽く解説します。

著者の大谷崇さんは
1987年生まれのルーマニア思想史研究家で
戦闘期ルーマニア思想と
シオランの思想を専門とされています。

つまり、今日紹介する本は
大谷さんの専門分野である
シオランの思想をまとめているのですね。

シオランって誰?


「いや、そもそもシオランって誰なんだよ?」

あなたがこう叫んでいるので
シオランについても少し説明します。

シオラン、本名「エミール・シオラン」
1911年にオーストリアで生まれ、
ドイツ、フランスなどでジャーナリストとして活動し、
1995年に逝去しました。

しかし著作は暗い内容の物が多く、
特に生きることについての
無意味さや苦しさをつづった本が
大半を占めており、
以前少し触れた「反出生主義」
源流ともいわれています。

内容は?


では本の内容についてみていきましょう。

まず最初に
・前書きとシオランの生涯についての概説
が書かれており、続いて

・怠惰と疲労
・自殺について
・憎悪と衰弱
・文明と衰退

以上4つに関するシオランの思想について
著者なりの考察がまとめられています。

そして最後は
・シオランの失敗と再生
としてシオラン自身についての
作者なりの評価で締めくくりです。

各章で取り上げられているテーマも
衝撃的な物が多く見られますが、
内容もまた

・人はいつでも生を終わりにできる、
そう思うからこそ生きていく。

・小さな悪徳の有用性は、
大きな美徳に勝る

・無関心は無力である

など現代の社会問題に
突き刺さるような言葉が
いくつも出てきました。

著者はこのような言葉が出てくる背景には
シオランが「ペシミスト」
すなわち悲観論者であり、
雁瀬主義と言われるほどに
生きる事を嫌悪しているからではないかと
推察しています。

私の感想


ではここから私の感想になりますが、

「悲観論者が昔に語っていた言葉なのに、
現代の問題に刺さる部分が
多くて驚いたと同時に
単語の一つ一つに引き込まれた」

というのが感想になります。

中でも特に印象に残ったのがp166に書かれている

・何か重大な決断を迫られた時、
最も危険なのは他人に相談する事である。
というのも、
何人かの頭のおかしい連中を別にすれば、
この世に私たちのために心から良かれと願う者など
1人もいないからである(原文ママ)

こちらの言葉です。

以前から何度か記事にしていますが、
私は基本的に

・100中99のコミュニケーションは無駄
・相談はしない方がいい
するなら専門家を相手にした上で
録音し、万が一に備えておく。

と考えていたのですが、
100年ほど前から同じような考え方を
していた人がいたというのに驚きました。

そういう意味では、
私もシオランと似ているのかもしれません。

実際シオランも友人という存在の価値を
極めて低く見積もっていたと
本文内に書かれていましたから。

そして読み進めていくうちに
段々自分の中にある悩みなど
シオランの言葉の中に秘められた
大きな葛藤に比べれば
ちっぽけなものであると思わされました。

なのでもしあなたが

・今現在生きているのがつらい
・シオランの思想に興味がある
・人生について悲観的な意見を聞いてみたい

と思っているのであれば
ぜひ読むべきです!!

シオラン自身の著作や
その翻訳本、或いは他の研究本も
また目を通してみたくなりました。

まとめ


日常演舞の読書感想、今日は
「生まれてきたことが苦しいあなたに」を
読んでみました。

明日またお会いしましょう!!

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