パキスタン北東部に位置するカシミール地方は、非常に洗練された料理技術を発展させ、他の世界の料理とは全く異なる料理を進化させてきました。アフガニスタンや中央アジアとの交差点に位置するカシミールは、食文化を含む文化のるつぼとなりました。

この記事では、誰もが一生に一度は試してみたい、大変人気のあるカシミールの伝統料理をいくつか紹介します。

ワズワン（Wazwan）

ワズワンはカシミール地方のコース料理です。羊肉、子羊、牛肉、鶏肉を使用した肉料理で、カシミール地方全域で人気があります。ワズワンは、ローガン・ジョシュやヤクニなど数種類（7 ～ 30種類）の肉料理を、香り豊かなご飯と共に時間をかけて楽しみ、視覚、味覚、嗅覚など五感をフルで刺激するコース料理です。

ローガン・ジョシュ（Rogan Josh）

羊肉の愛好家にとって必見の料理、ローガン・ジョシュは香り豊かな羊肉料理で、ムガル帝国の到来とともにこの地域に導入されたカシミール料理の代表的な一皿です。焦がし玉ねぎ、さまざまな香辛料、ヨーグルトの風味が効いた、ヘルシーな比較的低脂肪の料理です。

ヤクニ（Yakhni）

ヤクニは、子羊をヨーグルトベースのグレービーソースで煮た、本格的なカシミール料理です。ヤクニは、マワルの花、黒と緑のカルダモン、オニオンペースト、ドライミントの葉と香り豊かなフェンネルシードで風味付けされています。

モドゥル・プラオ（Modur Pulav）

モドゥル・プラオとは、シナモン、サフラン、牛乳、ギー、砂糖、カシューナッツ、アーモンド、グリーンカルダモンなどが使われた料理で、カシミールで栽培された美しい黄金色と甘い香りのするサフランを使用した、とても風味豊かな伝統料理です。

マッチュガンド（Matschgand）

独特の香りが味覚と嗅覚を刺激するカシミール料理です。マッチュガンドは、肉料理が大好きでたまらない人向けの料理で、スパイシーな赤いグレービーソースで調理されたミートボールが入った一皿です。

ダム・オラフ（Dum Olav）

カシミール料理は肉料理が多いですが、ベジタリアン料理も存在します。じゃがいもを使ったダム・オラフは、ヨーグルト、ジンジャーパウダー、フェンネル、香辛料で調理され、独特の風味と香りを楽しむことができる一品です。

カシミール・ムジ・ガード（Kashmiri Muji Gaad）

お祭りなど特別な日に提供されるカシミール・ガードは、魚と大根を調理した料理です。魚と蓮の茎の味が混ざり合って独特の味を生み出し、香辛料とハーブが独特の風味と香りを加えています。

アーブ・ゴシュト（Aab Gosht）

羊肉好きならたまらないカシミール料理があります。羊肉はカシミールの人々の日常食で使用される主要食材であり、カシミール料理には約３０種類の羊肉料理があります。数ある羊肉料理の中でも特に人気があるのがアーブ・ゴシュトです。牛乳とカルダモンや黒胡椒などの香辛料を使って作られます。

緑豊かな渓谷に囲まれ、絵に描いたような美しい景色で有名なカシミールには、本格的な肉料理が思う存分に楽しめる地域です。カシミールの伝統料理は、カルダモン、フェンネル、ジンジャー、シナモン、クローブ、サフランなどの香辛料を多用し、マイルドな味わいと豊かな風味を持っています。