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小説

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ショートストーリなどを含め、小説を載せて生きます。それぞれの小説は文字数的に数回に分けて、連載の形になります。ストーリーや登場人物に共感していただければ嬉しいです。
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記事一覧

ソワソワ

そわそわ  近くのケーキ屋さんに行った日のこと。ケーキ屋といってもアイスクリームもクッキ…

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大きな玉ねぎの下で(17)最終回

 無邪気に笑う亜紀。また会えるかわからない、もしかしたら二度と会えないかもしれない。だか…

大きな玉ねぎの下で(16)

「たくちゃん、食べ終えたらどこに行く?」  僕は亜紀への質問を忘れることにした。聞いて欲…

大きな玉ねぎの下で(15)

 「うん、なかなか会えなかったし、友達から『たくちゃんに似ている人が毎日遅くまでたこ焼き…

大きな玉ねぎの下で(14)

 今、起きていることが10年前と同じように感じた。いや、今起きていることは10年前に戻って起…

大きな玉ねぎの下で(13)

 「あの時、並んで立つのに、たくちゃんは私の右がいいと何度も言って。写真を撮ってもらおう…

大きな玉ねぎの下で(12)

「私に聞いてもわからないけど、一緒にいる時間を長くするためじゃないかな。今日もあのエスカレーターで建物の中に入ろうね」  さらっと話す亜紀に僕はドキドキしていた。学生時代の僕たちにどんどん戻っていく感じがした。  「そうそう、この遅さ、最高ね。ここのエスカレーターより遅いエスカレーターって日本にはあるのかな」  亜紀は聞こえる言葉で独り言を言った。 「ねぇ、聞いているの?」 「え、独り言を言っているのかと思った」 「もうー、たくちゃんは昔と変わらないね」  学生時代なら

大きな玉ねぎの下で(11)

 亜紀も学生時代の話を思い出しているようだった。亜紀と夜行バスで会ってからずっと気になっ…

大きな玉ねぎの下で(10)

 出版社の玄関を出る時、受付の方が僕を見て微笑んだ。僕は名刺を持って受付に行った。名刺を…

大きな玉ねぎの下で(9)

「確かに原稿を預かります。君はいい目をしているね」 その言葉だけでも嬉しかった。 「まだ出…

大きな玉ねぎの下で(8)

ちらっと腕時計を見た川染さんは次の用事がある感じだった。 「ありがとうございます」 「あ…

大きな玉ねぎの下で(7)

 電波腕時計を外し、コーヒーカップの横に置いた。アポを取った時間に遅れないように、ここで…

大きな玉ねぎの下で(6)

「12時過ぎるかも」 「了解、じゃ、10時ころから神保町に出没しま~す(w)」 「え、2時…

大きな玉ねぎの下で(5)

 ここは喫茶店のはずだが、これだけある本を自由に読んでもいいのだ。実家の本屋より本が多い気がした。店内をじっくり見渡すと、興味ある作家の本が並んでいる。この喫茶店でどのくらいゆっくりできるだろうか、これから神保町へ行かなければならない。今回上京した目的は、バッグに入っている3つの小説原稿を3つの出版社へ持っていくことなのだ。採用されるかどうかは分からないが、受け取ってもらえることを期待して秋田から出て来たのだ。  テーブルの上のコーヒーを飲みながら、東京駅から神保町駅までの