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「西行庵」始まりの終わりは故郷かな

「願わくは花の下にて春死なん その如月の望月の頃」(山家集 春の歌)

訳;願うことには、桜の花が咲いているもとで春に死にたいものだ。
それも、陰暦の二月十五日の満月の頃に。

一度は耳にしたことがあるかもしれません。自分の死に際は釈迦が入滅した満月の頃の桜の下で死にたいものだと願った歌です。
この描写が死ぬ間際の釈迦と同じだと気付いたのは、まさにこの記事を書いている時でした。釈迦は沙羅双樹の木の下で、眠るようにして仏になったとされています。そのオマージュじゃないかと、今気づきました。

ここは西行法師の終焉の地として知られています。その終わりは果たしてどのような場所だったのかを知るために赴きました。

満月の夜、それに照らされた満開の桜の下という場面が美しいですね。

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