転職活動④~関東地方の通信制高校と業界研究~

新潟での転職に限界を感じていた今日この頃、もともとやっていた教員職に再びチャレンジしてみようと思い立って、転職サイトで見つけた通信制高校に応募した話です。

群雄割拠の通信制高校業界

私が通信制高校に勤めていた時期は今から4年前の2017年までである。
とある関東地方の学校法人グループで規模的には中堅規模の学校であった。

あまり深く話すとバレるのでかいつまんで説明すると、通信制だが通学スタイルが中心のいわゆる”全日制”風の学校。

近年はとにかく通信制高校への進学者が非常に増えている。原因としては発達障害や健常者ギリギリのラインの生徒が特別支援ほどではないという理由で一斉授業の形式の学校進学が増えていたためだ。

それに加え近年の生徒同士の人間関係の複雑さや家庭環境の特殊事情等で今まで学校に通えなかった層が多種多様な学校の出現で通えるようになった。

文部科学省の調査の結果であるが、通信制(特に私立)の生徒数が増加しているのが分かグラフだ。

市場としては非常に伸びているが、自分が働いてみて感じた通信制私立高校の問題点をここで挙げていきたい。

入りやすく、経営者のワンマン経営が多い業界でやりがい搾取

入ったのは2015年。当時は全日制の学校で常勤講師(契約者のような感じ)で働いていて、正規教員を目指して受けたら受かったという流れだった。

いざ入ってみて思ったのは生徒層、保護者層は極めてブラックな環境であった。

生徒はお客様状態で配慮が必要な生徒が何の遠慮もせずに配慮を求めてくる環境。保護者も年齢層が高く(発達障害の子は高齢出産が多いのでは?と思っている。)はっきり言ってモンスターペアレントが多かった。

授業は一斉授業なのだが理解度が低い子には別途で個別対応をしていくこととなる。まぁ教えることが好きな人は苦ではないかもしれないが。

どちらかというと上の経営層に問題がある。なにより怖かったのが創業者への崇拝強要文化だ。

まず採用が決まると研修と題しとある施設に3日間みっちり研修を受けることになるのだが、基本的に何か勉強をするというよりは理念や思想を叩き込まれる場となる。

というかメインは夜の懇親にある。女性は上層部に対するお酒のお酌などを強要され、男は上層部の苦労話を聞かされることとなる。

私が参加したときはとある女性(元モデル?らしい)の人と同期でその人が上層部に怒りを爆発させて、どこか別室に連れていかれたのを覚えている。ちなみにその人は何年かして辞めた。そりゃそうだ。

やりがいはある。そして同僚はよい人が多かった。しかし、賃金が圧倒的に低いのが通信制の特徴

仕事をしていて思うのは教員をしていると自然に教員に慣れていくということだ。

先生と呼ばれることに慣れ、授業を行うことに慣れ、教頭や校長の指示に慣れ。。

そして上司も含め、周りによい人が多かった。文句を言いながらフォローしあう環境がそこにはあった。喧嘩しても翌日カラッと仕事の話をできる環境があったのだ。

しかしネックになっていたのはその出勤の多さと賃金の低さだ。
手取りはなんと17万程度(賞与は含まず)。あの土曜日出勤ラッシュを含めてこの賃金はわりに合わなかった。公立を経験した職員は大概は1年で辞めた。公立の賃金と比べると半分程度だから。

夏季休暇が気持ち少し多いくらいであとはずっと土曜日はオープンスクール、そして文化祭や体育祭などの行事が日曜日などに入ってくる。馬車馬のように働き、思考が停止する。

今回受けた際も同じような学校

通信制高校ははっきり言ってどこも同じような感じだと思う。ただ、近年は能力の高い人材を高給でとる学校も出てきているらしい。(某大手動画サイト会社が運営するところとか)

新潟に嫌気がさしていた私はとりあえず、賃金などの条件が低いが残業が少なく、働きやすさを売りにしている法人の学校説明会と1次面接を受けてみることにした。

基本的には直接学校説明会に行かなくてはならないらしいが、なにせ距離があるのでZOOMでの参加もOKであった。

話を聞いてみると、これから関東地方で更に開校を予定している学校であり、教育だけでなく放課後デイサービス(障がい者の子供を放課後預かるサービス)なども展開しているようだ。

基本的に教育と福祉は表裏一体なのだが、こういう学校はえてして障がい者教育に力を入れている。はっきり言うと金になる。高齢出産が増えて、発達障害児が非常に増えているのが背景にはある。

私も当然理解があるつもりだが、面接では「放課後デイなどで働くことは可能ですか?」という質問もあり、どうやら教員だけでなくかなり頻繁に異動を伴うことが予想された。

引っかかる内容は非常に多いのだが、もう1点気になる点があるとするなら最初から正規雇用ではなく、2年目~からの正規雇用が原則という点である。

これは通信制高校の採用に非常に多い形態である。前の学校もそうだったし、通信制だけでなく私立の全日制にも多い。

契約社員というのは労基法で原則3年を超えて雇用されると正社員にしなくてはならない為、使えない教員は正規にする前に使い捨てられることが多い。これは教員に限った話ではないが、、
※教員などの専門職種は5年が上限。

例えば転職してうまくいかずに契約を切られたらそれでキャリアは終了になってしまうリスクがあり、非常に難しい選択であることは間違いない。

そしてもう一点は自分の担当教科以外も教えなければならないということである。面接で聞かれたのは担当教科以外も教えてもらうことになりますが、大丈夫ですか?ということだった。

前の学校でもある程度そういう場面はあったが、それを今後ずっとやり続けるのは厳しい。小学校の先生などオールラウンドに教えれる先生は良いかもしれないが、高校で商業・情報を教えてきた自分にとっては厳しいかもしれない。というのがマイナス要素としてある。

2次試験は筆記試験と授業、そして面談と内容が盛りだくさんで萎える。

正直、体力があまり戻っていないのに短い期間でこの準備を働きながらすることがキツイ。

まだ教員をしながら受けるのであればいいが、もうすでに現職から離れて4年、相当練らないとうまく授業できる気がしない。

そういった不安要素があるので、少し時間をかけて考えたいと思う。断るかもしれません。



この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?