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映画感想「デッドデッドデーモンズデデデデデストラクション 前章」

2024年4月11日 ユナイテッド・シネマとしまえんにて鑑賞。 ※内容のネタバレを含みます。 最高!!!! 「中川凰蘭役:あの」の報を聞いて膝を打ちすぎた時点で僕としては200パーセント勝ち確な映画化だったけど、予想をさらに超える満足度で最高だった…! 自分は原作を1巻発売後くらいからずっと読んでいて、門出やおんたん達と当時年齢も近くて、人格形成の大部分を担っている漫画の一つと言っていいと思う。 単行本派だったので、特に最初の方の巻は新刊が出る度に何度も読み返して

    • 柴田聡子ばっかり聴いてる

       ここ1~2ヶ月くらい、シンガーソングライターの柴田聡子さんの曲ばかり聴いている。こんなに一つのアーティストしか聴かなくなる時期があるのは初めてかもしれない。  最初に聴いた曲は「忘れたい」だった。  Spotifyで挫・人間の「天使と人工衛星」を聴いていたら、その次に自動再生で流れてきた。好みにピッタリのメロディや曲調や歌声、その時の気分にピッタリの歌詞で、Spotifyのアルゴリズムも悔しいけど正確だなと思った。  その後もいろんな曲を聴いたり映像を観たりして、楽曲のキ

      • 『のび太の南極カチコチ大冒険』(2017)と反・“子供っぽさ”のゆくえ【映画ドラえもん感想】

        2017年公開『映画ドラえもん のび太の南極カチコチ大冒険』 2024年2月14日 AmazonPrimeVideoにて鑑賞。   公開時に観に行き、そのときは結構良い印象だったはずなんだけど、ストーリーもキャラクターも全然覚えていなかった。  なぜなんだろうと思いながら観返してみると、確かに悪くない作品だけど、突出して良い作品かと言われるとそうではないと言いたくなるような、個人的にとても微妙な感想を抱く作品だった。  前年度の『新・日本誕生』で完成形と言っていいほど完璧

        • 『新・のび太の日本誕生』(2016年)と0点の答案が紡ぐ歴史【映画ドラえもん感想】

          2016年公開『映画ドラえもん 新・のび太の日本誕生』 2024年2月5日 AmazonPrimeVideoにて鑑賞  出た!見事な傑作!アダプテーションのお手本!  まず冒頭のククルが登場するシーンから、作画が目をみはる完璧さで驚いた。今までのシリーズにあった揺らぎのある線とも、前作『宇宙英雄記』や普段のTVシリーズのような普通の線とも違う、とても自然だけど映画的で豊かな質感のある描線の人物。景色や水の繊細さ。新シリーズ11作目のここに来てやっと、ちょうどいいバランスの

        映画感想「デッドデッドデーモンズデデデデデストラクション 前章」

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          『のび太の宇宙英雄記』(2015年)とアロンの孤独 【映画ドラえもん感想】

          2015年公開『映画ドラえもん のび太の宇宙英雄記(スペースヒーローズ)』 2024年2月1日 AmazonPrime Videoで鑑賞。  公開当時観たときの印象があまり良くなかったのでどうかと思ってたけど、改めて観てみるとそんなに悪くないじゃん、という印象になった。  ギャグの幼稚さが最初観たときに気に入らなかった一番の要因だったと思うけど、それは確かに今回も感じた。  のび太のズボンが脱げるくだりが特にしつこく感じた。この場面はBGMが逆回転になる演出込みのメタ的な

          『のび太の宇宙英雄記』(2015年)とアロンの孤独 【映画ドラえもん感想】

          Twitterが好きだった

           X(見切りを付けたくなくてまだ「ツイッター」って呼んでたけど、もういいや)を、ゆるやかにだけど辞めていこうかなと考えている。正確に言えば距離を置こうと思っている。  いまだに良い言葉もたくさん交わされていると思うし、必要不可欠な人や団体もいるだろうと思う。まだまだ意義や価値のあるサービスだと思う。それでもいくらなんでも、良くない方向に働く力があまりに大きすぎるのを実感して恐怖を感じた。少なくとも自分のように自信が無くて不安定な人間がこれといった目的もなく使い続けるのは、精神

          Twitterが好きだった

          『新・のび太の大魔境』(2014年)と、結果を先取りする約束【映画ドラえもん感想シリーズ】

          2014年公開『映画ドラえもん 新・のび太の大魔境~ペコと5人の探検隊~』 2024年1月16日 AmazonPrimeVideoにて鑑賞。  今をときめく八鍬新之介の初監督作品。雨の降りしきる暗い夜の街をお腹を空かせた主人公がとぼとぼと歩くアバンタイトルや、爆撃や火炎の恐怖を容赦なく描くクライマックスは『窓ぎわのトットちゃん』に先駆けている。  映画ドラえもんシリーズにおいては、今までのリメイクものに比べて、旧作および原作漫画にとても忠実なのが特徴だった。セリフもなるべ

          『新・のび太の大魔境』(2014年)と、結果を先取りする約束【映画ドラえもん感想シリーズ】

          『のび太のひみつ道具博物館』(2013)とドラえもんがひみつ道具でない理由【映画ドラえもん感想】

          2013年公開『映画ドラえもん のび太のひみつ道具博物館(ミュージアム)』 2024年1月13日 AmazonPrimeVideoにて鑑賞。  全編が能天気な調子で進み、とにかく多幸感に溢れたエンタメ全振りの作品で、シリーズの他作品と一線を画している。未来が舞台ということもあり、テレビの誕生日1時間スペシャルに雰囲気が近い。  絶対的な敵役がいないのも異例で、最終的にゲストキャラ全員に好印象を持って終われる作りになってるところも多幸感を高めている。  特に、ペプラー、クルト

          『のび太のひみつ道具博物館』(2013)とドラえもんがひみつ道具でない理由【映画ドラえもん感想】

          映画感想『ドラえもん のび太と奇跡の島〜アニマルアドベンチャー~』(2012年)

          2024年1月10日 AmazonPrime Videoにて鑑賞。  ここまでの個人的ワースト作品『人魚大海戦』と同じ監督によるもう一つの作品で、やっぱりこっちも良い作品とは言えなかった…。  この2作の良くなさはどちらも根深いものがあると思うんだけど、それが別ベクトルの根深さなのが興味深い。『人魚大海戦』は戦争や美醜や世襲といった、現実世界でセンシティブな事柄に対する倫理的な甘さが良くなかったけど、これに対して本作『奇跡の島』の引っ掛かりは、ドラえもんという作品に対して、

          映画感想『ドラえもん のび太と奇跡の島〜アニマルアドベンチャー~』(2012年)

          映画感想『ドラえもん 新・のび太と鉄人兵団 はばたけ天使たち』(2011年)

          2024年1月6日 AmazonPrime Videoにて鑑賞  前作『人魚大海戦』があまりにもあんまりな作品だっただけに、今作のクオリティの高さにはホッとする。  まず最初に、本作はこれまでのドラ映画と比べて“ギャグセンが高い”ことを指摘したい。  のび太のママが「狭い家」と何度も言われてだんだん怒る(しかしのび太は気づかない)とか、ジュドの頭脳が暴れて翻訳コンニャクがずれ落ちるので会話が成り立たず苛立つ(この場の全員はいたって真剣)とか、説明過多でないギャグシーンが笑え

          映画感想『ドラえもん 新・のび太と鉄人兵団 はばたけ天使たち』(2011年)

          映画感想『ドラえもん のび太の人魚大海戦』(2010年)

          2023年12月24日 AmazonPrime Videoで鑑賞  子供の頃観た時もつまらなく感じたけど、今観ると積極的にダメな作品だなと思った。ドラ映画シリーズのマラソンしてるとこういう作品にぶち当たることもあるのか。厳しいぜ……。  色々と思うところはあるけど、絞って書くことにする。  まず話がよくわからない。  ソフィアの家出、故郷の星探し、王者の剣探し、静香誘拐、怪魚族との戦争…と、話があっちに行ったりこっちに行ったりしてる。  加えて一つ一つの話が面白くない。

          映画感想『ドラえもん のび太の人魚大海戦』(2010年)

          映画感想『ドラえもん 新・のび太の宇宙開拓史』(2009年)

          2023年12月22日 AmazonPrime Videoにて鑑賞  アニメとしては前3作からグッとおとなしい作りになった。前作が大暴れしすぎたのもあるけど、今作がそつのない作画になった原因のひとつは、物語のモチーフにもあると思う。  今作のストーリー上、いちばん重要な要素は「重力」だ。そのため、物理的な動きを正確に描写しなければ、話自体の説得力に関わる。だから物理的な動きのリアル度を高くする必要があり、絵柄も前作までのようなグニャグニャ動くダイナミックな作画でなく、リアル

          映画感想『ドラえもん 新・のび太の宇宙開拓史』(2009年)

          映画感想『ドラえもん のび太の新魔界大冒険 7人の魔法使い』(2007年)

          2023年12月16日 Amazon Prime Videoにて鑑賞。  リメイクものの中では一番改変の大きい作品。  原作になかったキャラクターの投入、ゲストキャラ同士の家族愛や絆の強調という要素は本作以降のリメイク作品恒例といってもいい追加要素となっている。  加えて本作では、追加されたゲストキャラに絡むツイストの効いた展開が新しく用意されて話がやや複雑になっており、それに伴って原作にあったいくつかの重要な場面が大胆に省略されている、リメイク作品としては特殊なアプロー

          映画感想『ドラえもん のび太の新魔界大冒険 7人の魔法使い』(2007年)

          映画感想『ドラえもん のび太の恐竜2006』(2006年)

          2023年4月23日 Amazon Prime Videoにて鑑賞。  小学1年生のとき生まれて初めて劇場で観た映画作品であり、思い入れが強すぎる。  改めて観ると、絵柄があまりにも普段と違うので驚く。アニメ表現としては間違いなく面白いんだけど、普段見慣れているキャラクターが極端に崩したタッチで描かれるのは困惑する。非現実的でぶっ飛んだ表現も多くて、砂浜に埋まった5人が這い出る場面の描写なんか常軌を逸している。シリーズ作品の一つとして見るよりは『STAND BY MEドラ

          映画感想『ドラえもん のび太の恐竜2006』(2006年)

          2023年ベストコンテンツ

          映画(新作)『そして僕は途方に暮れる』(三浦大輔) 『呪呪呪/死者をあやつるもの』(キム・ヨンワン) 『イニシェリン島の精霊』(マーティン・マクドナー) 『The Son/息子』(フローリアン・ゼレール) 『GOLDFISH』(藤沼伸一) 『レッド・ロケット』(ショーン・ベイカー) 『TAR/ター』(トッド・フィールド) 『私、オルガ・ヘプナロヴァー』(トーマシュ・ヴァインレプ、ペトル・カズダ) 『カード・カウンター』(ポール・シュレイダー) 『異端の純愛』

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          神聖かまってちゃん「ゆーれいみマン」のカタルシス

           神聖かまってちゃんのベストアルバム『聖なる交差点』発売をきっかけに、かまってちゃんの好きな曲について、特に歌詞についていろいろ考えている。  今回のベストには入っていないけど、僕にとって特別な1曲が「ゆーれいみマン」だ。 神聖かまってちゃんに興味を持って間もない頃、この曲を聴いて衝撃を受けた。  居場所の無い教室で自殺願望を抱く少年が、それがなんの成果も生まないことを知りつつ、結局は自殺してしまうというストーリー。こんなに救いのない曲がこの世に存在し、支持を受けている

          神聖かまってちゃん「ゆーれいみマン」のカタルシス