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【目印を見つけるノート】1409. UKだった1日

今日は趣を変えて、
昨日の終業後、ちょっと立ち寄った場所について書きましょう。
日本大学図書館法学部別館で開かれている、『アダム・スミス展(1723~1790)生誕300年』です。記名すれば観覧することができます。3月16日までですが開催日は問い合わせを。

アダム・スミスについてどれほど知っているかといえば……ほぼ知らないというのが正直なところです。とある大学の経済学部にいっとき在籍していたとはとても思えないですね。お恥ずかしい。思い出しても断片がひらひらと舞うばかり。
「見えざる手」、「レッセ・フェール」、「重商主義」、「産業革命」、ジェニー紡績機、コルベール、フランス革命……壊れたレコードのように連想が針飛びします。なぜ、ジェニー紡績機が真っ先に思い浮かぶのでしょうか。謎です。海底ケーブルの話を書いていたときもジェニーとつぶやいていたっけ。
もとい、
イメージでは、個人の利益追求が活発になれば自然な成り行きで国は豊かになるということだったような……やっぱり怪しいぞ。

まあ、その程度の知識しかないということでお見知りおきを。

今は入試中だからか閉館していたので何度か通り過ぎていましたが、昨日は大丈夫でした。通常は学生・関係者でないと入れないと思います。緊張しましたが、守衛の方も図書館の方もたいへん丁寧で、記名の上でゲートを通していただいたのでした。
ありがとうございます。

美術館や博物館のように展示物の数は膨大ではありませんが、じっくり頷きながら見られる充実した内容でした。
肖像画で改めてまじまじと見るスミスさん、鼻がとても高いです。それにまずびっくり。スミスさんのコインや切手もありましたが、切手好きの私は欲しくなりました。素敵なデザイン、海外の切手は本当に惚れ惚れします。と、個人的な感想です。

アダム・スミスは2冊の著書があります。最初に『道徳感情論』(The Theory of Moral Sentiments)、続いて最も有名な『国富論』(An Inquiry into the Nature and Causes of the Wealth of Nations)です。ここには前者の原書と翻訳本、後者の初版復刻本3種が展示されていました。原書が、よく見ると面白いのです。版元によって扉のページの記載に相違があったり、同じノンブル(ページ)が2つ振られていたりと、一筋縄ではいかない。本の違いなど気にしたことがないのに、いきなり目を皿のようにして見てしまいました。
本当は『国富論』も一連の著作の一つだったようですが、それを書き残すことはできませんでした。

チャレンジ!という展示もありました。
『国富論』イコール「見えざる手」というイメージですが、実は本の中に「見えざる手」という言葉は一ヶ所しか出てこないそうです。よくそれを象徴的言辞にまでズームアップしましたね。
展示では本の該当ページから「見えざる手」のフレーズを探してみてくださいとのメッセージが。
はい、もう素直に追いました。
但し書きもありましたが、昔の英語は「s」を「l」(小文字のエルのような字)と表記している部分があって、とても新鮮でした。

as in many other cafes, led by an invisible hand to promote an end which was no part of his intention.
『An Inquiry into the Nature and Causes of the Wealth of Nations』2巻35p
※メモからの転記ですので、誤っていたらご指摘ください。

この展示の最大の目玉(と私は思いました)はアダム・スミスの旧蔵書です。蔵書!かの人が読んでいたであろう本です。ここはもう、さらにじっくり見ました。
・ギボンの『ローマ帝国衰亡史』(うん、納得)
・『スウィフト全集』(へえ)
・サミュエル・ジョンソンの『逸話集』(知らなくてごめんなさい)
・『ガリレオ全集』(そうなんだ)
※( )内は私の第一印象です。
もちろん、他にも本をたくさん持っていらっしゃったと思いますが、これらのタイトルは「経済学の父」とはちょっと違う趣です。年譜を見るとその辺り理解できるのですが、はじめアダム・スミスは天文学にたいへん興味を持っていたそうです。
今だと400年前になってしまいますが、アダム・スミスから見たガリレオは100年前の人です。異端審問にかけられたほどの方ですから、評価が落ち着くまでに相当の時間がかかっていると想像します。だとすれば100年は長い時間ではありません。そして、今や堂々たる古典の『ローマ帝国衰亡史』も当時は最新刊でした。時間軸をずらしてみれば、いちいちそうかとうなずけるのです。もっと納得したのがスウィフトです。ああ、検索したらテイラーさんになっちゃった(慌てる)。ジョナサンです。

なぜうなずけたかというと、スウィフトがアイルランドの人だったからです。浅薄な私はアダム・スミスがイギリス人だとずっと思っていたのですが、スコットランドの出身です。この地域の複雑さはよく分からないものの、メアリー・ステュワートやクロムウェルのこと(女王が処刑されたり王が追われたりといったイングランドとの関係)を思い出して、うなってみるのでした。それは、もう少し調べてみないとまだ書けるものではありません。あくまでも第一印象です。
さて、
「見えざる手ね、レッセフェール」とつぶやくだけではいかがなものでしょう。
想像できる背景がたくさんある。本を読んでいないのもですけれど、あまりにも知らなすぎるなとつくづく自省したのでした。世界史の一行の説明や経済学の偉人伝ではない、もっと踏み込んだアプローチをしなければと思ったのでした。

ずいぶん私観になってしまいましたが、このような感じです。

チラシの画像を使用させていただき、ありがとうございます。
とても勉強になりました。
また貴重な蔵書を拝見できる機会がありましたら光栄です。

帰途水道橋に行くと、またもや人の群れ。
「あ、今日明日Queenじゃん!」
ハッと思い出しました。
毎日、ブライアン・メイさんのインスタを見ているのに。富士山の麓で雪合戦、してみたいです。いいなあ。
ということで、今日は。

Queen『Killer Queen』

個人的に、
Queenのイメージってこの曲なのです。
特に激しい曲ではないですが、ピアノと自在に響くヴォーカル、シンプルで短いながらも覚えてしまうようなギターソロ。
好きなのは『Now I'm here』ですけれど。
今日のドームも頑張ってください。

ということで、全編UKな投稿でした😉
お読み下さってありがとうございます。

尾方佐羽

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