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【目印を見つけるノート】1419. 文人の筆跡にデジャ・ヴュ

ウクライナ侵攻から2年です。

今日は静かに過ごしたい日ですが、雨が上がりました。気温は低いですけれど午前中に動くようにしましょう。

思っても、そうもいかないんだな😅

さて、
きのう伺った日本近代文学館(最寄り駅は駒場東大前)のことを書きましょう。

日本民藝館も行きたかった😭

3月30日まで開催の『新収蔵資料展』と『震災を書く』を観覧してきました。前者はドン!とした企画展ではないですが、テーマ別になっていてとても楽しく拝見しました。また後者については楽しくとはいえませんが、非常に心に残るものでした。
今日は前者を書くことにして、後者は改めて書きましょう。

https://www.bungakukan.or.jp/cat-exhibition/14467/

私は1周め、かなりぼんやりと展示を見ていました。それが、中盤の翻訳のパートで急に目覚めたようになって一通り見た後、改めてもう一周メモを手に回りました。実は私、よくやります。

何がスイッチだったかというと、アメリカの詩人Langston Hughes(ラングストン・ヒューズ)さんが木島始さんに宛てた、タイプ打ちの手紙の署名でした。日本近代文学館なのに、そこがスイッチとは……だって、好きなんです。

Langston Hughesについて素敵だと思った一文。

そこから作家の直筆の「字」に注目して、もう一度見て回ったのです。これがね、人それぞれでたいへん面白かったです。以下は私のメモより。敬称は略します。

・森鴎外……詩の別名原稿。「楷書とはこれだ!」と言いたくなる、お手本のような端正で美しい文字。楷書でなかったらすみません。

・島崎藤村……ひとつのフォントのような、太くくっきりとした読みやすい文字。島崎の「﨑」のくずしが最高にセンスいい。大きさもマス目に対して程よい。

・大江健三郎……やや右肩下がりでマス目いっぱいの大きな文字、やや丸め。

・正岡子規……俳句の人だけあって、流麗な筆文字です。手紙でしたが、古文書の風でもありました。

・Langston Hughes……英字署名というと読めないぐらいくずしている方も多いですが、筆記体の見本のような丁寧な筆跡です。

・福永武彦……デジャ・ヴュが起こりました。私の詩の先生(と私は思っている)、飯島耕一さんと筆跡がそっくりだったのです。年齢は違いますが、同じフランス文学の専門家ですし、大学も同じだったかと。カクカクしていない曲線的な字ですね。ひどく懐かしさを感じました。

・澁澤龍彦……細やかな方なのだろうなと想像させる(想像です)字です。ハガキだからでしょうか)。端の余白はきっちり詰めていますが、行間は十分に取っていてこだわりがあるのかな、興味深いと思いました。

・川端康成……堂々とした筆です。バランスといいましょうか、強調したい部分を力強く大きく書いているように感じました。絵でいえばデフォルメが効いているようです。

・丸谷才一……大江さんと似た書き方ですが、より大きさが際立っているように見えました。特に斜めに書かれているのがスラッシュに似合うように思いました。

・鶴見俊輔……抽象的な字と私はメモしているのですが、そのためイメージまで靄がかかってしまったようです。自分の印象に抽象的と書くのはやめよう。

・長田弘……『世界は一冊の本』の手書き。およそ単行本の組版と同じように(一例 : 40字×16行)ぐらいで手書きされています。感嘆です。活字の体裁ですから、文字が小さいのは当然ですが「この1枚がとびきりの美しい作品だ」と思いました。デザイン的です。

・吉野弘……ここまで見た中でもっとも素直な字だと思いました。

・上田敏……繊細な字だと思います。

・江藤淳……こちらもデジャ・ヴュ。今度は大学の頃の知人の筆跡にそっくりでした。サークルのノートによくコメントを入れていましたので非常によく見た筆跡でした。大きくも小さくもない、個々も起伏を減らしたイメージですね。怒られそうだな(知人に)。折れ線グラフではなく、分布図のような……なおさら怒られそう。当時から「この人の字、個性的だな」と思っていましたが、そうか。懐かしかったな。検索したら江藤さんと知人は誕生日1日違いでした(年齢は違います)。うーん、ミステリー。

・永井荷風……とても達筆なのですが、たまに抜く感じがあるのかなあ🤔らしい気もします。素人の感想ですのでご容赦ください。

道すがら、クリスマスローズを頻繁に見ました

字に性格が出るかは分かりませんが、個性は出ます。何より、見た人の脳裏にはしっかりと焼き付くものだと思いました。私はふたつデジャヴュがありましたが、そのようなこともあるのかと思います。時を経ると筆跡は人を表すようになるのだとも感じました。

と、翻って見ると、自分のメモの字の汚いこと汚いこと。絶対に残せないよねとこぼしつつ、文学館を後にしてきたのでした。

ライブは久々、素晴らしかったです。たくさん手を叩いて、一緒に歌ってきました。昔むかし、手が腫れるほど叩いていたのを思い出しました。ラインナップがツボでしたね😉
いつ聴いても『I want you』のきれいなギターの音を聴くとデジャ・ヴュになります。
はて、いつのデジャ・ヴュかな🤔

さて、今日の曲です。
R.E.M『World Leader Pretend』

この曲の、
♪I would be the one to knock it down
というフレーズが数日頭にくっついています。彼らの曲はそのようなものが多いなあと思います。言葉が音と一緒にくっついてくるのですよね。

最近そんなに聴いていないのですけれど、
今日には合っているように思いましたので取り上げてみました。

それでは、お読み下さってありがとうございます。

尾方佐羽

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