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【基礎編】からだのおはなし。 #1

 自律神経失調症が原因の慢性胃腸炎やPMS。西洋系の病院ではどこに行っても何をしても治りませんでした。一生このままかな、と諦めかけていたときに、藤川徳美先生の栄養療法に出会い、ゆっくりと、たしかに回復。どうしてこんなに良くなるのかな、と興味が湧き、三石巌先生や藤川徳美先生のHPや栄養学の本をもとに学び、マガジンを連載しています。といっても、分子栄養学なんて触れたこともなかったので、高校生物学から独学で学んでいます。第1話は私たちのからだの仕組みについての基礎的なおはなし。知れば知るほど、タンパク質に惚れ込み、ミトコンドリアはかわいいペットに思えてきます。笑

DNAとタンパク質

 人の体は60兆個の細胞からできています。その一つひとつの細胞の核の中にはDNAがあり、遺伝子の情報が組み込まれています。遺伝子は生命の設計図であり、タンパク質の構造を暗号化したもの。ちょっと難しいですね。私たちの骨や筋肉、皮膚、内臓、酵素などすべての組織は実は、タンパク質でできていて、DNAが持つ「設計図」にしたがって作られているのです。

超高性能ナノマシン、タンパク質

 タンパク質は20種類のアミノ酸が繋がってできたもので、先の通り、遺伝子情報にしたがって形を作っています。その組織の組み合わせの違いが、多種多様な働きを生んでいます。例えば、消化酵素になったり、血中の酸素を運ぶヘモグロビンになったり、骨や筋肉になったり、有害物質を処理したりetc...身体のあちこちでマルチに働いているのです。例えるなら、超高性能な10万種類のナノマシンを体内に持っているようなもの。ちなみにタンパク質を表すプロテインの語源は、古代ギリシャのことばで「プロテイオス」という言葉。 「もっとも重要なもの」という意味で一番重要な栄養素として考えられてきました。そんな昔からタンパク質の存在が知られていたなんて、昔の人すごい。

タンパク質はどうやってつくられる?

 体内では1日に200〜300gのタンパク質が合成され、同じ量が分解され均衡を保っています。1日の食事からのタンパク質の摂取目安量は80g。( 牛肉100gでタンパク質約20g )残りのタンパク質はなんと、DNAから作られているのです。DNAから必要な遺伝子情報をRNAに写し取り(転写)、リボソームにより転写された情報をアミノ酸分子のつながりに変える(翻訳)ことでタンパク質が誕生します。この一連の流れをセントラルドグマといいます。ネーミングセンスもすごい。食事から得たタンパク質は小腸でアミノ酸に分解され、これまたDNAをもとに形を変えて新たなタンパク質に合成されます。

タンパク質が足りないと・・・

 タンパク質が足りないとそれを材料とする消化酵素やヘモグロビンも自ずと不足してしまいます。結果、消化器系が弱ったり、鉄不足で体のエネルギーとなるATPが不足したり、セロトニンなどの分泌がうまくいかなかったり、様々な症状が起こります。また、タンパク質不足では使い古されたアミノ酸が再利用されることに。古いアミノ酸には、ミネラルや原子団が結合して変形していて、古いアミノ酸からできたタンパク質は非自己と認識されリウマチや自己免疫疾患の原因となります。自己免疫疾患とは免疫が「自己」であるものを「非自己」と誤って認め、それを排除しようとすること。繰り返しになりますが、タンパク質はDANの設計図をもとに作られています。老化や病気などはこのDNAの「設計図」通りに作られなくなることが原因の一つと考えらているのです。

エネルギーも必要です。

 タンパク質という超高性能ナノマシンだけ持っていても、ヒトは生きられません。エネルギーがないと動けない。エネルギーはATPと呼ばれる分子に蓄えられていて、必要に応じてATPを分解することでエネルギーを取り出しています。体を動かすにも、頭を使うにも、呼吸するにも、心臓を動かすにも、食物を消化吸収するにも、各種ホルモンを合成するにもATPが必要です。

ATPはどうやってつくられる?

 ATPは糖質や脂質が代謝される過程で発生し、代謝の過程で鉄やビタミンB、C、Eなど様々なミネラルやビタミンを必要とします。ちなみに外部からの物質を分解してエネルギーを得ることを異化、エネルギーを使って生命活動に必要な物質を作ることを同化といって、この2つをまとめて代謝といいます。糖質の代謝において、酸素やビタミンB(とくにB1)が不足すると、一回の化学反応でATPが2個しかつくれない嫌気性解糖が発動してしまいます。逆に酸素もビタミンBも十分にあれば好気性解糖となりATPが一度に38個も作れる!のです。ちなみに、これらの化学反応は細胞内のミトコンドリアで起きていて、ミトコンドリアはエネルギーの生産工場とも呼ばれています。ATPが不足すると代謝障害が発生したり、活性酸素が増加したりすることで、様々な病気の原因となってしまうのです。

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健康な身体でいるための最低条件

 以上のことをふまえて、健康でいるための最低限の2つの条件が見えてきます。

⑴DNAが持つ設計図通りにタンパク質をつくること
⑵十分なATPを作れる身体であること

その条件を満たすために必要なのが、

⑴DNAが持つ設計図通りにタンパク質をつくること
 良質なタンパク質と、タンパク質の合成に必要なビタミンを十分に摂る
⑵十分なATPを作れる身体であること
 代謝がスムーズに行われるように補酵素となるミネラル、ビタミンを摂る

ということで、藤川徳美先生が推奨されている栄養療法がこちらです。

藤川理論=高タンパク/低糖質食+プロテイン+ATPセット
(ATPセット=キレート鉄+ビタミンB+ビタミンC+ビタミンE)


今日は、なぜタンパク質、ATPが大切かというところまで。次回以降は各栄養素について詳しく見ていきます。世の中にはいろいろな健康法があり、素人なので何が良くて悪いのかはわかりません。ですが、この理論は、生物が生きるうえで根本的に必要なことが説かれています。枝葉に水をあげるんじゃなくて、根っこからしっかりと水や栄養を吸収できる身体にする。そこが大切なんじゃないかなあ、と感じました。

お気軽にコメントもどうぞ^^

第2話はこちら。

<サイト原文>
株式会社メグビー 分子栄養学講座
https://www.megv.co.jp/kouza1e/protein.php

精神科医こてつ名誉院長のブログ 生命=DAN+ATP
https://ameblo.jp/kotetsutokumi/entry-12464908115.html

精神科医こてつ名誉院長のブログ 生命とはコーディング+ATP合成である
https://www.facebook.com/tokumi.fujikawa/posts/1339760726140248

精神科医こてつ名誉院長のブログ ATP激増(ブーストセット)
https://www.facebook.com/tokumi.fujikawa/posts/1471038219679164:2

<参考文献>
岡庭 豊(2007)『栄養士・管理栄養士のためのなぜ?どうして?①』メディックメディア
八杉貞雄(2013)『ヒトを理解するための生物学』裳華房
伊藤明夫(2006)『はじめて出会う細胞の分子生物学』岩波書店
岩崎博史/田口英樹(2016)『池上彰が聞いてわかった生命のしくみ』朝日新聞社

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