刑部姫 ~ 「まんが日本昔ばなし」の個人的な名作を紹介するエッセイ 第7回
<タイトル>
刑部姫
<ポイント>
途中で登場する鎧兜が何気にこわい
<解説>
「刑部姫」は兵庫県に伝わる比較的に有名な昔話ですので、ごぞんじの方もいらっしゃるでしょう。
姫路城の天守閣に住んでおり、主のようにふるまっているという妖怪のことですね。
読書好きの方なら、泉鏡花が戯曲に仕立てた「天守物語」を想起すると思います。
あちらでは「富姫」という名前で登場しますが、個人的には妹分である亀姫のヤバさが好きで……
土産に城主の首を持ってくるようなお方ですから。
こちらの昔話版では、約15分という短尺もあることから、コンパクトにまとめられている所感です。
しかしながら内容は濃密であり、特に好む話のひとつとなっています。
あらすじはざっくりと、宿直の侍たちが刑部姫の噂をしており、誰か天守閣へ確認をしに行ってこいという流れになります。
そこで森田図書という少年が名乗り出、彼はひとり天守閣へと向かいます。
すると確かに刑部姫が現れ、来た証拠にと城の宝物庫に収められている兜の錣を引きちぎって渡します。
錣とは後頭部を守るためのパーツを差しますが、この作品で名前を覚えました。
翌朝、殿様が宝物庫の中を調べると、確かに兜から錣がなくなっていたのです。
刑部姫の正体は国津神であるという説や、非業の死を遂げた女性が妖怪となったものだという説など、いろいろと考察されているようです。
泉鏡花のアレンジも含め、どこかファンタジックで興味の尽きないあやかしであると言えます。
興味を持たれた方は「天守物語」のほうもぜひ。
ところでこのアニメは公式配信とかされていないのでしょうか。
この際、全部見直してみたいです。
また思いついたら更新してみたく思います。
ではでは。
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