マガジンのカバー画像

仕事以外で言葉をつむぐ。2017

5
2017年のテキストノートです。随時更新中。仕事でスリムな文を書いているので、ここではなるべく「無駄」の多い文を書きます。
運営しているクリエイター

記事一覧

どの位置からライターになるか

どの位置からライターになるか

Yuhei Suzukiさんの記事を読んだ。自身が書き手でありつつ編集の仕事もされている。いろんなライター志望者と出会った中で印象的な出来事が綴られている。

一口に「ライター」といっても立場はさまざまで、仕事に至るまでのルートもバラバラだ。私は私が経験したルートしかわかっていなかったので、書かれていた状況はとても新鮮に思えた。

「ライター」の仕事って、自己表現の場じゃなくって、第一に「読者に届

もっとみる
「締切過ぎちゃった」といえる感覚がまったくわからない

「締切過ぎちゃった」といえる感覚がまったくわからない

正直にいって「締切過ぎちゃった」と悪びれずに言えたり書けたりする人の感覚はまったくわからない。「それくらい当たり前だろう」だと思う人は、たぶんこの下の文章を読んでも意味がわからないと思う。

それでも書きたくてこの文章を書いている。

私が初めて仕事の締切に向き合ったのは広告営業職のときだった。日刊紙を出す会社で、紙面の上半分は記者が書いた記事が載り、下半分には営業が取った広告が載る。記事にも広告

もっとみる
志村ふくみさんの織物

志村ふくみさんの織物

週末に批評家・若松英輔さんの「コトバの教室」に参加した。1日かけてレクチャーとワーク、ディスカッションをする新しい講座シリーズ。そこで「1つのもの」と対峙して書くワークをやった。

とにかく何でも。違和感があるならそれも。書けないならそのことを。考えるより前に感じたことを書く、頭から引き出すという時間を30分もらう。参加者は30人近くいたと思うけれど、それぞれが紙に向き合って出てくる言葉を拾ってい

もっとみる
信じる者は救われる?

信じる者は救われる?

年に数回、ちょっと何かに頼りたくなったとき、スマホアプリのタロット占いを開くことがある。26枚のカードの山を指先でシャッフルして、指先で山分けして、7枚が選ばれる。選ぶときはスマホに向かって思わず手を合わせてしまう。ここだけ神頼みしても仕方ないか。

タロットには皇帝や城、戦車、星、月、愚者、悪魔などいろんな絵柄のカードがあり、めくって置いたときに上下が合っていれば正位置、逆さまであれば逆位置にな

もっとみる
一人では行かないところ

一人では行かないところ

ライター仕事でいいなと思うのは、自分だけでは絶対行こうと考えないところに「仕事だから」と行けること。たとえば昨年末に出かけた茨城県東海村に辿り着いたときは「ここは一人では来ないなあ」と大きく深呼吸した。

神奈川に住んでいると北関東には本当に縁がない。仕事はだいたい都心に出れば済んで、東京の東側に行くことも少ない。行くとなればちょっとした旅行のような感がある。でも旅行先として選ぶかというとそうでも

もっとみる