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判明した国内親ロシア派の主張

 ウクライナとロシアの戦争は継続しています。ウクライナがロシアに負けないことを祈って支援の輪や武器供与などが国際的に進んでいる現状は国際秩序の維持において重要なことだと思います。

またプーチン政権にも焦りの色が見え始めていることも重要です。

プーチン大統領とロシアに対する国際非難が集まる中、日本は少々出遅れてるなど不安要素が見え隠れしています。そして議会内の親ロシア派の存在はここ数日で焙り出されたことも大事なことです。

・親ロシア派の主張とは?

 ロシアに対する非難決議に反対した「れいわ新選組」についてはメディア報道でご存じの方も多いでしょうが、日本維新の会の「鈴木宗男議員」のロシア寄りの発言についてはご存じでしょうか。

双方ともにロシアを形式上非難しつつもロシアの主張する論理に則った主張をしているので、ロシアを非難という前提を置きつつもウクライナや国際社会全体も非難しています。

これは国内外にロシアの味方が日本の国会内にいることを完全に見せつけてしまいました。大変残念に思えます。

 それではそれぞれ親ロシア派の主張を見ていこうと思います。まず、れいわ新選組です。

公式サイトで非難決議に反対する理由を公開しています。遡るとその前の非難決議やウイグル人権問題への非難決議にも反対しています。

西側諸国の価値観に逆行する方針は支持者の間にも共有されているのでしょうか。だとしたらなおさら不安です。

 れいわ新選組の非難決議反対の理由(上記二つの内容)を私なりに解釈すると

「悪いことに違いはないが、公に非難することで状況は悪くなるかもしれないから非難しない方がいい」

というものです。

企業が不祥事を隠すとき同じような論理立てをしますよね。

これをセクハラの例で表現するならば

「上司が君にセクハラをしたことは悪いことだけど、これを公にしてしまうとお互い状況は悪くなるかもしれないから、ここは穏便に済ませようよ」

という形になると思います。

「NATOの東方拡大も問題」を先の例に直すと「君の体つきがエロいのが問題」です。

これで弱者のための政党といいますから驚きです。

 続いて鈴木宗男議員の主張はウクライナがミンスク合意を破っていたから、ウクライナにも今回の戦争の理由の一端があるということです。

確かにウクライナがロシアの天然ガスを中抜きしていたことやクリミア・プラットフォームを開催していたのは事実ですが、、、

「じゃあ戦争していいの?」「それこそ外交交渉では?」と感じますし、さらに言うならば、クリミア併合の段階で問題なのであって、ミンスク合意もウクライナとしては認めるわけにはいかない内容なのです。

 ロシアの論理についてはガルージン大使にテレビ東京がインタビューした映像が公開されていますのでそこからなんとなく理解できると思います。

・政権対応の不安

 この戦争はヨーロッパに大きな影響を与えました。驚いたのはフィンランドとスウェーデンの対応とウクライナのEU加盟申請です。

フィンランドは今回の一件を経てNATOへの加盟申請をする可能性があります。

これまでNATOはロシアとの間に緩衝国を置く傾向にありましたから、これは以外です。

さらにスウェーデンは対外紛争に対して中立を貫くことが国是でしたが、これをやめてウクライナに武器供与を行う方針を発表しました。これもとんでもない変化です。憲法が変わるほどの衝撃といっていいでしょう。

そしてEU委員会のウクライナに加盟したらと提案したことです。北欧、ウクライナといったロシアと近い領域で大きな変化が起きています。

 さらにはドイツが国防費の増加を決定、イギリス企業はロシア権益から距離を取り始めています。

フランスは大統領選挙に向けて今後さらに対ロシア政策について触れるほかなく、マクロン大統領はこのロシア対応をバネに二期目に向けて好発進というところです。

 このような変化の中で日本政府の残念な対応として判明したのは欧米と同じタイミングでロシアのSWIFT排除を発表しなかったことです。

G7の中で唯一Japanの文字のなかったことは河野太郎議員によってTwitter上で話題となりました。この出遅れ感は正直怖いです。

昨日、突如として東京都庁がウクライナ国旗の色にライトアップされました。小池都知事の指示によるものでしょうが、世界都市の動きからしても遅い気がします。

パリなどの世界都市では数日前に行われていました。

日本の政治家の間にこのようなウクライナ情勢に対する危機感のなさを発信するのは日本の国益の観点からいいことではありません。

岸田総理の決断を先延ばしにする「考慮」は時に国際社会からの信頼を失わせ、連帯感を弱めることにつながるかもしれません。

・終わりに

 今週末には北京でパラリンピックが開催されます。今回の戦争が北京オリンピックの閉会式後に行われたことを踏まえれば、プーチン大統領としてはパラリンピック開催前に決着をつけたいところです。

ですが、ロシア側は想定よりも損害を受けており、すぐの停戦合意となるかは不安です。

 ロシアの歴史を見ますと、特別戦争が強い国ではありません。長期化させることで消耗戦にしたり、外交でうまくやり過ごしたり、季節を味方にして勝利してきました。

だからこそロシアに対して甘い態度ではいけないのです。日本の安倍政権支持者の中で未だに経済協力で北方領土が返還されると思い込んでいる人がいるのであれば、夢の見過ぎです。

ロシアに対しては強気の外交方針が重要になります。容赦のない経済制裁を欧米との協調の中で行うべきだと思います。

また、天然ガス問題に関しては日本のエネルギー生成技術は有用ですから、経産省は国際的に売り出すくらいの勢いが欲しいところですよね。本当に岸田政権には不安がありすぎます。


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