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もしanoちゃんの「ちゅ、多様性。」が古典和歌だったら

今、とにかく売れっ子な印象しかないanoちゃん。
彼女の曲を和歌にしてみたい!と思ったんです。
みんな知ってるでしょ?anoちゃん!

さて、anoちゃんの一番有名な曲って何だったっけ?
やっぱりあれだよね、「ちゅ、多様性。」!
えーっと、サビの歌詞は……

と、ここまで来てようやく気が付きました。


今回の曲が過去イチの難題だと気付く

ゲゲゲロ!?
ゲゲゲロ!?
ゲロチュー!?!?

これどうするよ!!


…正直、困惑しました。

もちろん私がこれまで鑑賞してきた古典和歌の中に、ゲロを題材にしたものはありません。

一応Googleの検索窓にも「和歌 ゲロ」と打ってはみましたが、案の定ヒットせず。。

我ながらこんなキーワードでググる日が来るとは夢にも思いませんでした。


そもそも「チュー」ですら、そんな直接的な行為を描写する和歌は見たことがないのです。

男女が愛し合うときは、決まって「契る(=約束する)」とか、「逢ふ」「見る」のような遠回しな言葉で表現される世界。


これは難題に取り掛かってしまったなぁ、、と感じました。

しかしここで「諦めて別の曲にしよ!」とは思いたくないのが私。

そもそも現代のヒット曲を和歌にしてみる企画なんだから、意外性があってナンボでしょ!

ここで逃げるわけにはいかない。
そう強く感じたのです。(使命感)


歌詞全体の考察からアプローチしてみた

そもそもこの曲はどういうことを歌っているんだろう?
ネットで調べてみた結果、分かったことは以下の3点。

  • アニメ「チェンソーマン」第7話のED曲として書き下ろされた

  • 第7話には主人公が酔っ払った女性からゲロチューされるシーンがある

  • 韻を踏んだ言葉遊びが印象的で、歌詞に深い意味はあまりない(多分)

うーーーん、、なるほど。

私はチェンソーマンのアニメも原作も見ていないので、主人公の心情に深く寄り添うことはできません。

さらにあらすじを軽くかじってみても、世界観が独特でなかなか難しいのです…。


ただひとつ分かるのは、例のシーンで登場人物が酔っ払っているということ。

主人公も歓迎会でお酒を飲んでいるし、女性もベロベロに酔っ払ってキス魔になっているのです。

そこで以下の歌詞に着目しました。

愛も恋も独裁して 僕を独占して
このまま中毒になるまでチューしよ

ano「ちゅ、多様性。」より

もう酔っ払って、かなり馬鹿で受け身な状態になっているのかな。

自分の意思を持つことも忘れるほどベロベロのとろとろ、何も考えずとにかく動物的なチューがしたい。

そんな風に捉えてみることにしました。

(そしてその結果、ゲゲゲロ!ゲゲゲロ!に繋がるのですね…。笑)


多様性を受け入れる時代

曲のタイトルにもある「多様性」の言葉。
令和を象徴するキーワードと言ってもいいくらい、時代は多様性を受け入れることを良しとする方向に向かっていると思います。

チューだって多種多様。
いろんなチューがあって良いよね。
そんなニュアンスを込めて、自分なりに結句をまとめてみました。


いろんな和歌があっていいよね。
そんな温かい目で、この企画を楽しんでいただけると幸いです。



思ひ見ず 従はまほし わが口で
酔ひの青へど 迎ふるも良し


※解説は冒頭のインスタ参照


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