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もしJUDY AND MARYの「そばかす」が古典和歌だったら

JUDY AND MARYといえば、かなり熱いファンが多いイメージ。

私は正直、世代がちょっとだけズレているのであまり詳しくないのですが、、

大学時代の先輩がよくカラオケで歌っていて、みんな「ジュディマリ!いいねぇ~!」という反応をするんですよね。

私も歌えた方がいいのかな?と思って、「そばかす」だけは覚えました…!笑


印象深いのは1番のAメロ

個人的に「おっ!」と思う歌詞は、1番のAメロに集中しています。

ヘヴィー級の恋は みごとに
角砂糖と一緒に溶けた

JUDY AND MARY「そばかす」より

比喩表現って、読解力の乏しい私は「??」となってしまうことも多いのですが、このフレーズは自然とイメージが浮かんできました!

人生最大レベルの失恋で、心にかなりのダメージを負ったんだろうな…と。


そして以下に繋がります。

前よりももっと やせた胸にちょっと
"チクッ"っとささる トゲがイタイ

JUDY AND MARY「そばかす」より

あ~、、やっぱりやせるよね。

バイト先にもいました。
彼氏と別れて5Kgやせた女の子が。

きっとそれくらいショックな失恋だったのでしょう。。


さらにさらに、「うわーっ!!」と強く共感したのが次の部分。

星占いも あてにならないわ

JUDY AND MARY「そばかす」より

これは完全に自分自身の体験なのですが、中学生のころ、朝の情報番組でやっている星占いが大っっ嫌いだったんです…!

部活の準々レギュラー争い(笑)や、人間関係などで嫌なことが多く、心が荒んでいたのでしょうね。

占いの結果が悪ければ、「最悪!もう今日1日ぜったい良いことないじゃん!」と思ってしまう。

結果が良ければ、それはそれで「ぜんぜん占いの通りにならないんですけど!?」と八つ当たりしてしまう。

そんな日々が続いたので、いっそのこと星占いなんて見ないほうがいいのでは?という結論に至り…

テレビで星占いが始まるたび、「お母さん!!チャンネル変えて!!」と叫ぶほどでした。笑


きっとこの曲の主人公も、星占いなんて見たくなくなっちゃったんだろうな…。


やはり一番有名なサビを和歌に

Aメロにも面白いフレーズはたくさんありますが、やはり和歌にするならサビが適しているな…!と感じました。

というのも、それまで失恋に傷ついていた主人公が、サビで一気にポジティブになるからです。

想い出は いつもキレイだけど
それだけじゃ おなかがすくわ
本当は せつない夜なのに
どうしてかしら?
あの人の笑顔も 思いだせないの

JUDY AND MARY「そばかす」より

想い出を美化して、感傷に浸っていても楽しくない。
あの人の笑顔ももう忘れちゃった。

…と、すでに次の恋へ進んでしまいそうな勢いですよね。

この部分を無視して、ただ「失恋が辛い」という和歌にしてしまったら、それはもう別の曲になってしまうのでは?と思ったのです。


「忘る」には二種類の活用がある

結句で使った「忘る」という動詞、実は二種類あるのをご存じですか?

四段活用のもの(忘らず、忘りて、etc…)と、下二段活用のもの(忘れず、忘れて、etc…)です。

前者は意図して忘れようとするとき。
後者は自然に忘れてしまうときに使うのですね。

今回の和歌では、あえて前者のほうを選んでみました!


元の歌詞では「思い出せないの」と言っているので、自然に忘れてしまう方が適切では?と思う方もいらっしゃるかもしれません。

しかし私は思ったのです。

本当はこの子、「思い出せない」のではなく「思い出したくない」のでは?…と。
つまり、意図して忘れようとしている。


そう考えると、一見ポジティブに思われた上記のサビも、彼女の空元気なのかな?と思えてきます。

実際のところは彼女にしか分かりませんが、これが私なりの解釈なのでした。



ゆかしきと 物思ふとも 飽かざれば
人の笑みさへ 今は忘れり


※解説は冒頭のインスタ参照


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