自放

買いだめをすることが多いのだがその習慣も変えてみようと思い買う量を減らしてみた
そうすれば外出する回数も増えるだろうし何事に対してもこまめに行動できるのではないかと思ったからだ
飯を食べるという前提を覆してしまえばなんの意味もなくなってしまうがその選択肢を取ることはやめた
少なくとも一日一食はするようにしている
そうしないといつもしている外側に膨らむような頭痛ではなく締めつけられて潰れる痛みを感じることになるから
あと何だかんだ食わないと死ぬわけでその食いはじめに男が感じる腹痛のうちたぶん最高のものを味わうことを知っているからだ

そもそも長くて三週間、なにも食べず座椅子にへたり込んでいたのがおかしかった
当たり前だけれど壊れた
お陰で頭は全然ピントが合わなくなって残念なことになった
いっぱい抜けるからたぶん楽しかったのかな
ぼーっとしながら自分の髪の毛をちぎっては真っ白な棚にばら撒いていた覚えがある
妖怪だ
抜けた髪を見て嘆いていた

実際に腹が減ってしょうがない期間は三日目くらいで終わる
以降はここまで食べなかったんだからもう俺は食べてはいけないんだ、という訳の分からない意地、これ以上食わせてもらうわけにもいかないというこれまた意地、願わくば痛みもないまま自分も気づかないまま死に切りたいという強い意志で食べなかった
面倒だとかそういうのは微塵もなかった
自分は飯を食べてはいけないと思うばかり
ひとえに親への罪悪感からの行動であった
穀潰し者
今も思う
変わらずに今もある

死んだまま生きている実感があった
一思いに死に切りたかった
生き続けたい気持ちは高まるばかり
比例してのし掛かってくる虚無
生きたいけど何処に行くこともできなかった
おおまかに言えば生きたいと死にたいは矛盾しないことを知った

プラグを抜き取られうねる電気コードにもっていかれそうになったことがある
容赦なかった
数年使ったからといって魂が宿る訳では無いらしい
結んだ通りに締まるし刺せば電気を通すヒモになる
なるようになりそうだった
結局甘々で臆病だから割腹なんてできないし一番怠惰で自然に思えた餓死に頼った
運動をしていた健康体はなかなか死ななかった
十数年間それなりに努力した体をどんどん削り喰らっていくのは自分自身の体だった
中学生の頃新任教師から言われた皮肉を思い出した
お前は貯金だけで今ここにいる
英語が分からなかっただけにしてはあまりにも大きくて重い言葉だった
来年で同い年
そんな言葉を持ち合わせてはいない
そんな資格を持っていない
生きるには努力が必要な理由をみた

自己分解を始めた体から放たれる異様なにおいを忘れることはできない
生きた死体のにおい
甘ったるくて濃い、鼻の器官がどこまで続くのかを教えてくれるにおい
間違えても自分でかぶりつきたくなるようなにおいではない
異常な脳みそが嗅ぎ取ったにおいがおよそ正常なものだとは思えないけれど

頭痛が慢性化しているので慣れてしまう
痛いかどうかも分からなくなる
タイツ人間みたくずっと引っ付いているから分からなくなる

風呂に入ったとき気がついたら不潔な床の上で意識を失って倒れていた
たんこぶだらけの頭をあげて冷蔵庫の中身を仰ぎ見てみたけれどなにも入っていなかった
泣き喚いた
助けを求めて声をあげた
真夜中迷惑にならない程度に
全てが嫌になって自分の首を絞めた
喉仏がもう戻ってこないほどに絞めたがそれも嫌になって諦めた

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