マガジンのカバー画像

オリバーの好きな記事

22
運営しているクリエイター

記事一覧

ファッションの概念はもう変わった。

小学生の時から一人で服を選んで買っていた。おばあちゃんが変な服を買ってくるのが嫌で、自分で買うからお金をくれと言って、近所のスーパーでお金をもらって好きな服を買った。そうやって自分で選んだ服は本当に気に入って擦り切れるまで着ていた。小学生の頃はシグマの白いスニーカーばっかり履いた。白と黒が一番かっこいいと思っていたので、シグマのスニーカーに合わせたのは、白のハイソックスでアーノルドパーマーの傘のマークがワンポイントで入っているのだけ、好んで履いた。帽子は白と黒が入っているとい

お店にはお花があったほうがいいと思う理由

こんにちは。福岡で小さな自家焙煎コーヒー屋をやっています。 お店にはお花を置くようにしています。 お花が枯れれば、新しく買って活けます。 お花があるせいで、お金はかかるし、お水を変えたり手間もかかります。 『お花は悪い気を吸ってくれるからいいよね!』とみんな言います。 お花は悪い気を吸ってくれて、枯れる。 枯れない造花は? やっぱり造花は悪い気を吸えないのかな? やっぱりが何のやっぱりか分からないけど笑 思いつく違いと言えば、造花には埃がかぶっても見逃しちゃってて

いい香りに包まれて

ドールチェアーンドガッバーナーが流行っている。ということで香水について興味があるだろうか。わたしはといえば、全然なかった。香水をつける意味って何なのか、ずっと疑問だった。 過去、自分と香水の接点といえば中学生の頃に「香水をつけるのがカッコいい」みたいな文化があり、それに遅れるまいと買った数千円のもののみ。なので、香水というワードには思春期特有の痛々しさが思い出され、なんとなく「カッコつけアイテム」に分類してしまっていた。 それに自分のなかで、「香り」は「性」のイメージとど

職人文化がのこる町

企業と個人のお付合い、いわゆるBtoBやBtoCではなく、個人による個人のための仕事CtoCが注目されるようになってきました。もはや言うまでもなく、工場で大量につくられた製品に飽きて、自分らしいものを求めるようとする消費者が増えているのです。たとえば気に入った革職人の鞄を買って、その職人に修理も頼む。値段は高いけれど、信頼できる作家に頼めば自分にあったものができるので満足する。アフターケアも万全です。このように個人と個人が密接な関係をもっている例は少なくありません。とはいえ、

民藝は芸術運動として役割を終えるべきではないか。

民藝と聞いて、人は様々なものを思い浮かべる。 ある人は、田舎のお土産もの ある人は、昔ながらの手仕事で、地域性が反映されている器 ある人は、柳宗悦がはじめた民藝運動 ある人は、日常に美を見出す思想 民藝界隈において、この認識の統一感のなさが現代の民藝の問題であるようだ。 そして、一つの品について ”これは民藝、これは民藝でない。”と、二元論に陥ってしまう。 これは、民藝とはなんぞやを端的に表現していないことが原因と思われる。 ここでは民藝の存在意義を、「民藝運動が追求

人生で初めて、ジーンズが似合ったこと。

わたし、ジーンズが似合わない。 あれだけ、色々なジーンズがあって、子どもから年配の方まで、 とにかくたくさんの人が履いていて、 おしゃれな人だけが履けるものでもなくて、むしろその逆の どんな人でもとりあえず履けるもの、 だという印象なのに、 なぜかわたしには本当に似合わない。 そんなふうに思って、避けてきたジーンズ。 けれど最近、仕事の関係でほぼ毎日履かざるを得なくなり、 仕方なくユニクロで買って履いていた。 ユニクロで買った理由は、苦手なものにお金をかけ

戦略を上回るカルチャーを作ることこそが、これからの時代で勝つカルチャー戦略の作り方

Culture eats strategy for breakfast(カルチャーは戦略を食う) ピータードラッカーは数々の名言を残しているが、その中の一つが上記である。 どんなに素晴らしい戦略を立てようが、それを実行する企業=組織のカルチャー(文化)がひどいものだったら戦略なんて機能しない。逆に言うと、素晴らしいカルチャーがあるなら、戦略が多少まずくても自分たちの目標を成し遂げる可能性は高いということである。 例えば、カルチャーが問題が起こると常に犯人捜しをして、1人1

「ていねいな暮らし」は、庶民による庶民のためのラグジュアリー

「日本的なラグジュアリーとは何だろうか」。 この5年ほど考え続けてきたテーマである。 もちろん値段の高さだけで見れば、日本ならではの高級品はいくらでもある。茶道具も着物も日本家屋も、日本文化の延長線上にある「ラグジュアリー」だ。歴史を遡ってみれば日本の陶器は江戸時代から高級品としてヨーロッパへ輸出されていたし、現代においても日本の作家さんのうつわを買いにはるばる日本までやってくる海外の顧客も多い。 伝統産業が連綿と受け継いできた高い技術力や「わびさび」「禅」に代表される

レストランMegrivaのロゴ / インタラクションをデザインするということ

THE GUILDの奥田(@alumican_net)です。普段はインタラクションデザイン、プログラミング、UX〜UIデザイン、また作家としてインスタレーション作品の制作をしています。 この度ご縁があり、7月5日に中目黒にオープンしたイタリアンレストラン Megriva(メグリヴァ) さんのロゴをデザインさせていただきました。お店の宣伝も兼ねて、その過程をご紹介いたします。 目次 ・名前の由来 ・コミュニケーションの設計 ・実装 ・アイデアの水平展開 ・インタラクションを

異文化間の「解釈のギャップ」で遊ぶ|文脈の中を泳ぐデザイン #4

『文脈の中を泳ぐデザイン』は、私が2018年11月に上海で登壇した内容を文章に起こした全5回のシリーズです。事例を交えて、私がどのように文脈を行き来しながらデザインしているのかについてお伝えします。 今回は、最近仕事をする中でよく感じている「私の中での日本のイメージ」「別の文脈から見た日本のイメージ」とのギャップを利用したデザインの可能性についてお話しします。 0. なぜ文脈を考えることがデザインする上で重要なのか 1. 多文化性を表現するひとつのストーリー 2. 文

味噌汁のお椀にはご飯をよそわない — 工芸が生き残るということについて考える —

夫と暮らし始めた頃、炊いたお米を味噌汁のお椀に入れて食卓に出そうとしているのを見て、ちょっとこれは味噌汁の入れ物だから、と言ってごはん茶碗に入れ替えてもらうことがよくあった。 今では、和食の時こそ違いは徹底するけれど、うちには他に手頃な深さの器がないので、もうごはん茶碗でシリアルを食べているのを見ても、ポテトチップスを汁椀に入れて出されても目をつぶっている。 ここ最近各国の工芸と関わる機会が続き、そんなことを思い出した。 広州の生活と「広彩」去年12月「広彩」と呼ばれる

ペルシャの彩陶を復活させた日本人と、それを習得したイラン人たち

今から800年前ごろ、ペルシャ(現在のイラン)の陶器に広く用いられた技法に「ラスター彩」というものがある。ごく簡単に説明すれば、スズを含んだうわぐすりを塗って焼いた陶器に、金属酸化物を含む顔料で絵付けして再び焼く陶芸の技法。ラスター(luster)とは、英語で「光沢、輝き」を意味する。世界大百科事典(平凡社)によれば、「9世紀にメソポタミアで創始され、次いでエジプトに伝えられてファーティマ朝下で発達し、王朝滅亡後はイランに伝播した」という。 これまで、イランの博物館や日本の

なぜ、アラサーは民藝品を好きになるのか?

民藝品ってダサくない?使いどころわからないし。 そう、かつての私もそう思ってたの。 でも、なぜかアラサーになってから、その民藝品に惹かれるようになって。 やっぱ、年のせい?と思ったんだけど、ある世紀の大発見(めっちゃハードルあげるじゃん)をしたので、その仮説を聞いて下さいな。 インスタで食卓をのぞき見して知った民藝の世界私が小鹿田焼を認識したのは2015年ごろ。友人のインスタ投稿をみて。(友人のインスタは非公開なので、下のインスタはイメージ) それまで私の民藝品へのイ

27. チャイの砂糖は別添えにしたほうがいいのか? 問題

10年以上前からマリアージュドフレールという、おフランスブランドのお茶を気に入っています。定番のマルコポーロというフレーバーティが特に好きで、何かにつけて誰かにめでたいことがあると贈ってみたり、自分で買ってみたり。思わず目を閉じてしまうようないい香りなんですね。ところが、数年前にインドのダージリンに茶葉を摘みに行ってから、事態が急変したんです。 フレーバーティっていうものに昔ほどときめかなくなってしまった……。 あんなに香りに酔いしれていたはずなのに。イギリスで人気のアー