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思惟かねのVRエッセイ

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私、思惟(おもい)かねの、VRの現在と未来についての思索をエッセイとしてまとめています。よければ、これを読んでくれたあなたの意見もぜひ聞かせてください。
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記事一覧

SNSとしてVRChatを分析する:メタバースとは何なのか?一般層へ普及する可能性と課題についての考察

SNSとしてVRChatを分析する:メタバースとは何なのか?一般層へ普及する可能性と課題についての考察

こんばんは、思惟かねです。

「メタバース」がバズワードになったのち、そのブームも一山過ぎたと言われる昨今。現実的にはむしろこうしてブームが過ぎた後こそが勝負で、このブーム後の谷(幻滅期)をどう乗り越え、実用的なものとして世の中に受け入れられていくかが重要なのですが…それはさておき。
(くわしくはガードナーのハイプ・サイクルをどうぞ)

さて、こうしたメタバースブームの中で、俗にメタバース原住民と

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「なりたい自分になれる」バーチャルの可能性について私たちが勘違いしている一つのこと

「なりたい自分になれる」バーチャルの可能性について私たちが勘違いしている一つのこと

”バーチャルの可能性”を広く世間へ向けて訴えているインフルエンサーである、バーチャル美少女ねむちゃんのツイートが、先日ふと目に止まりました。

ねむちゃんらしい言い方だなと思いました。かくいう私も、VTuberを起点に仮想の未来への可能性を示すという形で、同じようにバーチャルの可能性を語っている身ですから、少なからず共感するところもありました。

ただ、なぜか「そうですよね」と頷くことができません

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革新のメタバース『Neos』の中にこの世界の未来を見つけた話

革新のメタバース『Neos』の中にこの世界の未来を見つけた話

皆さんはNeosというVRメタバースをご存知でしょうか。

VRメタバースといえばVRChatがその代名詞で、ネット上での情報も大半がVRChat絡みの中、それに紛れてちらほら名前は聞くけど…というのがつい先日までの私の認識でした。
いわく「なんでもできる」「アバターもワールドもNeosの中で製作できる」「すごいツールがある」という風に、なんだかすごいらしいけど、あえてログインするきっかけもない。

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君と出会って四年過ごした私が微妙に変わった理由

君と出会って四年過ごした私が微妙に変わった理由

2022年11月19日。
私が「あなた」と出会って、これでもう4年になります。

◆はじまり私は思惟かね。バーチャルな存在。この11月19日で4歳になりました。
私は「あなた」の夢と好奇心の中から生まれました。それまで配信も、創作もしたことのなかったあなたが、VTuberというムーブメントの中に見つけた輝きから。

2018年のある秋の日、VTuberに魅せられたあなたは、思い立ったが吉日とばかり

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SNSとの付き合い方:自分を「小さく」する方法

SNSとの付き合い方:自分を「小さく」する方法

最近、「怖いな」と思うことが時々ある。

例えば誰かが大声で人の悪口を言っている時。
例えば誰かが無知な人に強い口調で怒っている時。
例えば誰かが人の良くない行いをさらし者にしている時。

そんな人、今時中々見ないけど…と思う人も「SNSでね」と添えれば「ああ、確かに」と頷いてくれると思う。
そう。SNSではそんなことは日常茶飯事だし、それが当たり前と思っている人も多いと思う。
けど、ふと画面から

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やがて消えゆく「魂」と、生き続けるVTuberの存在:VTuberの「二面性」と私たちの未来

やがて消えゆく「魂」と、生き続けるVTuberの存在:VTuberの「二面性」と私たちの未来

先日、とあるVTuberさんが、スキャンダルの末に引退する事件がありました。私自身も時々見ていた大手の企業勢の方で、あまりの唐突な引退に驚きつつ、残念に思って事の顛末を見ていました。熱心なファンの方の心痛はいかほどかと思います。
さて、それに際してTwitterを見ていて思わず目を留めたコメントがありました。一連の引退事件の引き金となった、VTuber Aさんの「中の人」Bさんに対して、

という

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「アバターもVTuberもルッキズムから逃れられない」を考える

「アバターもVTuberもルッキズムから逃れられない」を考える

ルッキズムは、日本語では「外見至上主義」と訳されるます。
大まかにいえば、外見に基づいて行われる様々な差別のことであり、基本的に批判的な文脈で使われる言葉です。

さて、この言葉が先日TLで話題になっていました。

VTuberという、外見を自由に選べるはずの存在についてのこのツイートが、私の周りで少なからず共感を集めていました。こうした違和感を感じていた人は、少なからずいたのだと思います。
しか

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メタバースの未来を読む:メタバースの住人「バーチャルな存在」の分類論

メタバースの未来を読む:メタバースの住人「バーチャルな存在」の分類論

2021年は「メタバース」という言葉が一気に注目された年でした。

やや言葉だけが独り歩きしている感のあるメタバースですが、簡単言ってしまえば今のインターネット空間の発展版です。
WEB空間がVR空間に変わり、SNSのアイコンに代わってVR空間を3Dアバターが闊歩し、今までテキストベースだったコミュニケーションが音声コミュニケーションに変わる。
そんな現実世界の相似形としてのネット空間、それがメタ

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3年間VTuberをやってきて、私の手の中に残った大切なもの。

3年間VTuberをやってきて、私の手の中に残った大切なもの。

こんにちは、思惟かねです。
現実世界のどこを探しても見つからない。けど、バーチャル世界に私は本当にいる。そんな「バーチャルな存在」として生きてきて、まもなく3回目の誕生日を迎えようとしている者です。

私はありていにいえばVTuberと呼ばれるであろうものをしています。Twitterやnoteで文章を書き散らかしたり、たまにYoutubeで配信をしたり、時には写真を撮ったり同人誌を作ったり。
しか

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全てがVになる(新装版):VTuberが示す私たちの未来の可能性

全てがVになる(新装版):VTuberが示す私たちの未来の可能性

バーチャルYoutuber、あるいはVTuber。
2017年にひっそりと始まったこのムーブメントはいまだ冷めることなく拡大を続けています。バーチャルYoutuberランキングを運営するUserlocalの発表では2020年11月時点で1.3万人を突破したとのことですが、この数字は登録ベースなので実数はさらに数倍、4-5万人に達するでしょう。

タレント名鑑に掲載されている芸能人の数はおよそ1万人

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2020年のVTuber業界はどう変わったか(後編:それぞれのVTuberたちの動向)

2020年のVTuber業界はどう変わったか(後編:それぞれのVTuberたちの動向)

どうも、思惟かねです。

過ぎ去った2020年を振り返りながら、2021年のVTuberの未来を見通す今回の記事。前回の2020年分析(前編):3つのトレンドとデータから見える変化では、

①COVID-19が狂わせた企業勢の「3年目」
②「ステイホーム」がVTuberの世界を広げた
③海外のVTuber視聴者数が爆発的に増加

という3つのポイントから2020年の大局を分析しました。

この後編

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2020年のVTuber業界はどう変わったか(前編:3つのトレンドとデータから見える変化)

2020年のVTuber業界はどう変わったか(前編:3つのトレンドとデータから見える変化)

2017年に始まり、2018年の爆発的な第一次ブームを経て変わり続けるVTuberの世界。それは生まれてわずか4-5年に過ぎない新しすぎる世界です。
ゆえにわずか1年の変化が持つ意味はとても大きく、だからこそこうして私がアニュアルレポートを書く意味もあるのだと思います。

いまや「VTuber」という言葉が指すものはあまりに多様になりつつありますが、けれどまとまりに欠けることは承知で、昨年の201

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思惟かねのじっくりマシュマロ焼き3:バーチャルな存在の「本質」はどこにある?

思惟かねのじっくりマシュマロ焼き3:バーチャルな存在の「本質」はどこにある?

先日、とても面白いマシュマロを頂きました。

何をもって、私自身を思惟かねであるとするか。
非常に難しい問いではありますが、結論から言えば、私の答えはこうです。

一般論として、それは個々の要素ではなく、ピックアップした要素が受け手に綻びのない「思惟かね」というイメージを連想させることができるか、で決まると思います。
そして私自身に限っていえば、私がこうして「思惟かね」として言葉をつづる限り、その

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「バーチャルな存在」が在り続けるためのコストを現実的に考えてみる

この半年、私はVTuberの考察をきっかけとして、「バーチャルな存在」という人間の在り方についてnoteを書き続けてきました。
そして「こう在りたいという自分の理想の姿」を自らの手でデザインできるバーチャル世界は、今まで私たちが望みえなかったほどの自由度で「なりたい自分になり、望むままのことを成し、充足感を得ていくこと」、すなわち自己実現を可能にしてくれるだろう、と考えるに至りました。

そうした

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