ロングトレイル練習はフルマラソンへの準備には適さない

結論

フルマラソンを上達する上での近道は一定出力を出し続けるようなペース走やロング走で、出力の上下があるようなトレイルを走る練習はフルマラソンへの準備にはならないのではないでしょうか。

根拠 経験と推察から

こう述べるのには経験と推察からの2つの根拠があります。

自身の経験として、

2023の4月にハーフマラソンで1時間23分台とフルマラソンへのサブスリーを目指すのには充分なタイムを出しました。

必要なのはスタミナと考え、そこからロングトレイル練習を繰り返しました。練習では最長で50 km、レースでは80 kmとかなりの距離を走りました。長距離を走る準備は着々と整っていると、ワクワクしていました。

しかし、10月に出場したフルマラソンでは4'15"ペースは30 kmまでしか持たず、約2年前に実施した30 km走とほぼ変わらない地点でthe endとなってしまったことがあります。

10月からは素直に30 km走を実施していくと翌年の1月、つまり約3か月でサブスリーすることが出来ました。もともとサブスリーという目標に対して充分なスピードはあったので、スタミナに少し手を加えればなんとかなってしまったのです。4月から10月の努力はなんだったのか、と思った部分もあります。

なので、n=1という少ない数ではありますが、5ヶ月でのロングトレイル練習では持久力(スピード持久力)が育成されず、3ヶ月間オーソドックスな30 km走をやることで、持久力が育成された、というデータがある訳です。

理論的にはどうでしょうか。そもそも疲労というものが何か生物学的にあまり明らかになっていないので、適当なことを書くと怒られそうなのですが、代謝的な推察を含めて書いてみます。

一定出力で筋を稼働し続けるシチュエーションを考えましょう。筋肉の中にはどんどん疲労物質が溜まっていきます。疲労物質により代謝は不活化され、もろもろが動きにくくなっていく。けれども、出力は一定の値を要求される。当たり前ですが、負荷のかかっている状態から回復させるためには負荷を落とさないといけないですが、それが出来ないので疲労物質を流して回復することが出来ず、ジリ貧の中を戦い続けるしかない。この状態を人為的に作り出して適応するように身体に促すのがロング走です。

ロングトレイルはどうでしょうか。下りがある訳です。そこで疲労物質を流すことができるので、代謝的にはロングトレイルはジリ貧的要素は少ない様に感じます。

以上がロングトレイル練習がフルマラソンへの準備に適していないと考える理由になります。

単純に考えれば、30 km以上のトレイルを走る時にはある程度力をセーブして走りますから(山中で力尽きた場合が悲惨なので)、その領域では充分には体が刺激されない、ということでしょうか。

今後の展望

しかし、ある練習の形態を批判するだけなら誰にでもできます。

生産的な人間であるために、今後は「ロングトレイルをフルマラソンに繋げるためにはどうすればいいか?」を今後は考えてみたいと思います。

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