第2話「なんかしゃべってみて」
私はいわゆる「ハーフ」であるが故に、英語が話せること、さらにルーツがある国の言語を話すことを期待されることがしばしばあります。今回はそうした期待にまつわるわだかまりをテーマにしました。
ちなみに、私の父の出身地、スリランカには公用語がふたつあります。シンハラ人が話すシンハラ語とタミル人が話すタミル語です。前述したように、私の父はいわゆる「ムーア」人です。ムーア人はタミル語で話をしますが、標準語のタミル語というよりは方言のようなタミル語を話します。また、ムーア人(イスラム教徒