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子育ての日々

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子どものいる暮らしを楽しく。読み聞かせのアイデアなどをご紹介します。
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この星の摂理をめぐる~星野道夫の旅~

この星の摂理をめぐる~星野道夫の旅~

『クマよ』(星野道夫/文・写真 福音館書店)

 あけましておめでとうございます。
すっかりご無沙汰している間に年も改まってしまいましたが、今年も精力的に楽しみながら、絵本や児童書をご紹介してゆきたいと思っておりますので、どうぞよろしくお願いいたします。

 昨年10月にブログをアップしてのち、次にご紹介するならこの一冊…と、決めていた絵本があります。

 それが今日ご紹介する写真家・星野道夫さん

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夢はみるものじゃなく、実現するもの!

夢はみるものじゃなく、実現するもの!

1990年代、日本にもファンタジー小説ブームが巻き起こりましたねー。
それまで本などに目もくれなかった男の子たちが夢中になって読んだのが、『ハリーポッターと賢者の石』(J.K.ローリング/著 静山社)。

我が家の息子たちも例外ではありませんでした。一時、野球よりサッカーよりハリーポッター!という時期がありました。
でもそれは初めてのブームではなく、1970年代、J.R.Rトールキンの『指輪物語』

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わたしは、ぼくは、なにでできているか?

わたしは、ぼくは、なにでできているか?

こんにちは。
今日もお越しくださり、誠にありがとうございます。

私事ですが…。
今月、上の息子が30歳になりました。
この夏の大片付けの最中に見つけた子育て日記をぱらぱらめくっていたら、彼が幼稚園年長の時、初めてお小遣いでわたし(の誕生日)に買ってくれたイヤリングの記述があり。
年と共に涙もろくなっているわたしの涙腺は、またまた大崩壊してしまったワケです(笑)

その時、彼はひとりで(おじいちゃ

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愛を贈り続けてくれる人をおもって…。

愛を贈り続けてくれる人をおもって…。

こんにちは。
8月になってはじめての記事になります。
みなさん、いかがお過ごしでしたか?

夏休み中のわたしは、ほとんどの時間を書棚と本の整理をして過ごしておりました。
息子たちに読み聞かせた童話を箱から出して並べてみると、またあの頃の時間が戻ってきたみたいに…部屋の中は明るくあたたかい雰囲気に。
好きなものに囲まれていることは、とっても落ち着くことなのだと改めて感じております。

さて。
今年の

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子どものかなしみに寄り添うもの。

子どものかなしみに寄り添うもの。

こんにちは。
今日もお越しくださいまして、ありがとうございます。

思い返せば、自分はさみしい子どもでした。

二人の弟(上の弟とは二歳、下の弟とは九つ半、年齢が離れている)の世話と、父が営んでいた工場の仕事、従業員や取引先の対応、帳簿つけ、少し離れた場所に暮らしていた祖父母の世話などで、母はとても忙しかった。
学校での話や友だちのこと…母に聞いてもらいたいことは山ほどあったけど、母が私の顔をみて

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最終ステージは幼な子。無邪気は無敵。

最終ステージは幼な子。無邪気は無敵。

「おなかのすくさんぽ」(かたやまけん/作 福音館書店)

こんにちは。
昨日は七夕でしたね。
ホントは七夕や星に関する絵本を選ぼうと思ったのですが、本棚を眺めていたら一冊の本が妙に自己主張しておりまして…。

そうそう、この絵本も夏の本だな…元気が出るよねー…と(絵本と)折り合いがつきまして(笑)本日は日本で大人気の絵本作家・片山健さんの「おなかのすくさんぽ」(福音館書店)をお届けしようと思います

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親ではなく、ひとりのおとなとして…。

親ではなく、ひとりのおとなとして…。

絵本「ぼくのおじさん」
作:アーノルド・ロベル 訳:三木 卓 文化出版局

突然の悲しみに遭遇した人を支えようとするとき、どんな言葉をかけ、何をしてあげればいいのか…もし、それが子どもであったなら?
ここに、静かな答えがある…とおもった。

たまたま同行しなかった家族旅行で両親が事故に遭い、突然孤児になってしまったゾウの少年。
ひとりぼっちになった少年のもとへ、彼を引き取るためにおじさんが現れる。

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きょうだいって、ちがっているから面白い!

きょうだいって、ちがっているから面白い!

今日は夏至。
昼間が最も長い一日・・・なんだか、それだけで嬉しいのは、いきものは太陽が好きだからなんだろうなー。
まだ梅雨の最中ですが、陽射しがキラキラとまぶしい。
今日は、美しい梅雨の晴れ間を思わせるような一冊をご紹介したいと思います。

アメリカの絵本作家でコラージュの名手、エリサ・クレヴェン作「ぼくの水たまりバケツ」(たがきょうこ/訳 徳間書店)。

実はこの絵本も現在、品切れ状態(わたしが

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どこにもない世界。どこでもない世界。

どこにもない世界。どこでもない世界。

こんにちは。

いつもお読みくださり、ありがとうございます。

「なんだ!これは?」

 絵本作家であり彫刻家、民族学者でもあった土方久功(ひじかたひさかつ)の絵本「ぶたぶたくんのおかいもの」(福音館書店)を初めて読んだ時、わたしが発した一言です。
この驚きの感覚は・・・これまで出会ったことがない妙ちきりんなものに出会って驚いてしまったが、これはひょっとするとクセになるかもしれない、愛を持ってしま

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詩って、イイ から読んでみてよ。知らんけど。

詩って、イイ から読んでみてよ。知らんけど。

 こんにちは。
今日もお越しくださいましてありがとうございます。

 かれこれ20年くらい前の話になりますが…。
ブックトークや読み聞かせ活動を小学校で始めて5年ほど経った頃。
隣町の小学校から「国語の授業の一貫で、詩集のブックトークをしてほしい」との依頼を受け、会のメンバーと多数の詩集を読み込み、6年生の授業に臨んだことがありました。

 その時に、メンバー全員が「これは入れたい!」と言ったのが

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絵本は、何歳からでもいい!

絵本は、何歳からでもいい!

こんにちは。絵本ライフスタイリストのうたむらあかねです。
今日は絵本のことを・・・。

ママさんたち向けに児童書のブックトークをやっていた頃、よく訊かれました。
「絵本は何歳くらいから?」って。  
これは何歳からでもオーケー。

実は、私、思い出深い童話があって息子たちがお腹にいるころから読んで聞かせていました。
胎教なんてご大層なものじゃなく、ただ、自分が子どもの頃好きだった童話を口にのせて毎

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詩で、わるくちを思いっきり!

詩で、わるくちを思いっきり!

こんにちは。 絵本ライフスタイリストのうたむらあかねです。

子どもが悪い言葉を使った時はつい注意したくなりますよね。
ウチの息子たちは(どこで覚えてくるのか)2歳ぐらいになると「バカ」をやたらと使っていました。兄弟喧嘩をするようになると、次々と悪い言葉で応酬です。
親はどうしても聞き捨てならずに注意します。口数が増えてくると悪口も多様になってきて、これから幼稚園や小学校で団体生活をするのに大丈夫

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子どものころ、直感で受け取った大切なこと。

子どものころ、直感で受け取った大切なこと。

エドワード・アーディーゾーニ作品が大好きで、「チムとゆうかんなせんちょうさん」の邦訳シリーズは何度も読み返しています。

…が、わたしはこの「時計つくりのジョニー」だけは、次世代に手渡さなければいけない絵本だと思っています。

 
 その理由はまず、これまでの「ものづくり」の歴史を持つ人としての本質を思い出させてくれ、子どもに真摯に伝えてくれていること。
また、目的を達成するためには困難がつきま

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極上のプライドを持ったおとうさん。

極上のプライドを持ったおとうさん。

もうすぐ父の日ですね。
今日は、私の大好きな〈お父さん絵本〉の中からこちらをご紹介したいとま思います。

「ねずみのとうさんアナトール」 
イブ・タイタス/文 ポール・ガルトン/絵   晴海耕平/訳 童話館  

 生きてゆく上で何が一番大切なことなの?…なんて、目を輝かせてやおら質問する大人はあまりいないかもしれませんが、子どもが突然そんなことを言い出して周囲をびっくりさせることがあります。

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