スクリーンショット_2018-05-10_1

「成長するデザイン組織を作る」デザインマネージャーのお仕事

今の会社でデザイナーのマネージャを初めて約半年が過ぎました。

この半年の中で意識してきたこと、
また結果的にデザイナー組織全体の成長に役立った!と思えるトピックスをまとめてみました。

実際にマネジメントを行っている方、もしくは現状を改善したいと感じている現場の方々のご参考になれば幸いです。

「フィードバック」ではなく「フィードフォワード」

デザインのマネジメントを行おうと思った時、どうしても、アウトプットのクオリティや品質を担保することが使命だと感じがちです。

しかし、アウトプットの品質を左右する重要なファクターのひとつに、アウトプットを行うメンバーのマインドセットやモチベーションがあるということは見落とされがちです。

メンバーが自律的にアウトプットの品質を上げていく前向きなデザイン組織を作るためには、
過去へのダメ出しや指摘(フィードバック)だけではなく、未来に向けた建設的なアイデアや改善策の提案フィードフォワード)を同時に行うことが重要です。

デザインマネージャーが関所となって、すべてのアウトプットを管理・監督することは不可能です。
良いアウトプットを作る事ができる人間を「育てるマネジメント」に切り替えていくことが大切です。


デザイナーを「木こりのジレンマ」から守る

昨今のデザイナーがやらなければいけない業務領域は非常に多岐に渡ります(UX設計、情報設計、UI・ビジュアルデザイン、コーディング、、、etc)

また、それらのトレンドの変化も激しく「走り続けてやっと現状維持が出来る」といっても過言では無いほどです。

そのような状況ですので、シニアなフルスタックデザイナーは市場にも多くはおらず、
「常にデザイナーリソースが不足している」という組織の方が多いのではないでしょうか?

「継続的な学習が必要なのに、そもそものリソースが不足する。。」という組織で陥りがちなのが「木こりのジレンマ」です。

このようなジレンマを抱えたままでは、人材の消耗戦になってしまい、いずれデザイナー組織が瓦解してしまうことは目に見えています。

それを避けるためには、「能力を高める」という必要コストをメンバーや組織に啓蒙し、デザイナーの成長を維持していくことが必須になってきます。

「学習→実践→振り返り」のサイクルを作る

前述の「フィードフォワード」を行い、
木こりのジレンマ」からデザイナーを守る為の具体的な方法のひとつとして、以下のような3ステップのサイクルを回すことをオススメしています。

学習:いまのタスク実行に「必要な能力」の学習を推奨する
実践:実際の業務で実践し身につける
振り返り:もしうまく行かなかった部分も振り返って学びに変える

このサイクルを回す上で大事なことが2つあります。

1. ひとつめは、「一人にさせない」ということです。
どうしてもデザイナーは人数が少なく孤立しがちです、
一人で新しいことをチャレンジすることは相当勇気がいる行為です。

メンバー同士、またはマネージャーが共に二人三脚で並走しながら推進することで、新しいチャレンジを後押しすることが出来ます。

2. ふたつ目は「失敗を学びに変換する」ことです。
新しいチャレンジは一定の確率で失敗します、それは仕方のないことです。
失敗をただ失敗という結果で終わらせず、
必ず振り返りを行い、そこから「新しい学びを得た」というポジティブな成長に変換していきましょう。

ここでデザインマネージャーができることは、「失敗から得た成長」を評価に加えてあげることです。

デザインマネージャーが外交官になる

広義のデザインはプロダクトの体験設計にまで関わる幅広い行為です。

体験設計(UXデザイン)を行う上では、ビジネスサイドやマーケッター、エンジニアなどの他職種と、より密に協力し合う必要があります。

また、デザイナーの成長の為のコストを捻出するためには上役との交渉が必要になるときもあるでしょう。

そのためには、デザインマネージャーは、外部へ向けた影響力を伸ばす必要があり、
そういった影響力を伸ばす努力を惜しむべきではないと思っています。

デザインの力で組織やプロダクトを伸ばすためにも、
デザインマネージャーが視点をより外部に向け、横断的な協力体制を進んで切り開く、外交官の役目を担う必要があると感じています。


おわりに

以下のnoteでは、デザイン組織にかかわらず、
マネジメントにデザイン思考を取り入れると良い」ということをご紹介させていただいています。

よろしければ合わせてお読みいただけると幸いです。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?