中国の神話伝説〈下〉

　中国の神話や伝説を知りたい方に、自信を持ってお勧めできる本です(^-^)
　これは、上下巻の下巻です。上巻から、お読み下さい。

　本書は、厚いです。索引まで入れると、四百ページ以上あります。上巻も、同じくらいの厚さがあります。
　内容も、それなりに濃いです。読み通すには、けっこう気力が必要です。

　それでも、中国の神話伝説に詳しくなりたいなら、日本語で読める文献として、本書以上にお勧めのものは、ありません。

　中国の神話伝説には、断片的なものが多いです。一つのストーリーになっていないため、覚えにくいです。
　それを、本書は、うまくまとめて、ストーリーを作っています。おかげで、頭に入りやすいです(^^)

　ただ、本書の著者のストーリー作りは、ちょっとやり過ぎだと感じる方もいるかも知れません。
　本書の解釈は、あくまで、神話解釈の一例だと考えたほうがいいです。

　本書は、伝説の夏王朝の時代から、案内が始まります。それより前の時代（天地の開闢【かいびゃく】に始まる時代）は、上巻に載っています。
　本書がカバーするのは、夏王朝以降、秦王朝までです。

　以下に、本書の目次を書いておきますね。

夏殷【かいん】篇
　第一章　夏の啓【けい】が大楽の野で作った新しい歌舞　　など
　第二章　孔甲【こうこう】、平民の子を養育　　など
　第三章　夏の桀【けつ】王のすさんだ生活　　など
　第四章　殷【いん】族の勃興【ぼっこう】　　など
　第五章　三方の網を下ろさせた殷の湯王　　など
　第六章　武丁の奇妙な夢　　など
　第七章　近眼の周の文王　　など
　第八章　姜【きょう】太公、周の武王を助けて夏朝を亡ぼす　　など

周秦【しゅうしん】篇　上
　第一章　周の昭王、南方に赴いて白雉【はくち】を迎える　　など
　第二章　周の穆【ぼく】王の神性　　など
　第三章　尹【いん】氏の専横　　など
　第四章　周の霊王の八字髭【はちじひげ】と昆昭台　　など
　第五章　黒鶴が舞い、明珠を落とす　　など
　第六章　「子、怪力乱神を語らず」　　など
　第七章　孔子、老子を訪問　　など
　第八章　足のない鼎【かなえ】は船に似る　　など
　第九章　精神が感応し合う曾参【そうしん】と母親　　など
　第十章　白髪で生まれる　　など
　第十一章　公輸般【こうしゅはん】、楚のために「鉤」と「拒」を作る　　など

周秦【しゅうしん】篇　下
　第一章　伍子胥【ごししょ】、昭関の役人を脅す　　など
　第二章　闔閭【こうりょ】、鶴を舞わせて殉葬【じゅんそう】者を誘う　　など
　第三章　朝堂に荊棘【けいきょく】がはえるという諫言【かんげん】　　など
　第四章　干将【かんしょう】と莫邪【ばくや】、宝剣を鍛える　　など
　第五章　「呉王膾【かい】余」、膾【かい】残魚、王余魚　　など
　第六章　動物も音楽好き　　など
　第七章　鬼谷先生の門弟　　など
　第八章　曖昧模糊【あいまいもこ】な仙山の伝説
　第九章　駆山鐸【くざんたく】と赶山鞭【かんざんべん】　　など
　第十章　阿房宮、長狄【ちょうてき】、翁仲【おうちゅう】　　など

付録一　袁珂【えんか】自伝
付録二　主要文献解題

注
訳者あとがき
索引