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神話の力 (ハヤカワ文庫 NF 368)


神話の力 (ハヤカワ文庫 NF 368)

 おそらく二十世紀最高の神話学者だったジョーゼフ・キャンベルの、すごさがわかる本です。

 ジャーナリストのビル・モイヤーズとの対談、という形を取っています。モイヤーズが問いかけることによって、キャンベルの知性と教養とが引き出されています。
 単なる知識というにとどまらず、キャンベルの思考は、「智慧」というレベルに達しています。

 ただし、これは、読む側の知性と教養とが、試される本です。決して万人向けではありません。神話の初心者には、お勧めできません。

 間違っても、「お子ちゃま」は読めない本ですね(^^;
 逆に、本書を面白く読めたら、「ある程度、成熟した中身の人」と認定できると思います。

 問う側のモイヤーズも、知識の水準は、並み以上です。
 少なくとも、ギリシャ神話と聖書(キリスト教神話)くらいは、多少、知っておかないと、本書を読んでも、意味がわからないでしょう。

 本書を足がかりに、「中身が成熟した人になる」のは、いいかも知れません(^^)

 いくつかの神話の本を読んでから、本書を読むのです。一度読んで、わからなかったら、また別の本を読みます。時間が経ってから、本書を、もう一度読み返してみましょう。
 これを繰り返しているうちに、きっと、本書が面白く思えてきます。そうなったら、あなたも、キャンベルの「智慧」の分け前に、あずかれているはずです。

 以下に、本書の目次を書いておきますね。

編集者からのごあいさつ
まえがき

第一章 神話と現代の世界
第二章 内面への旅
第三章 最初のストーリーテラーたち
第四章 犠牲と至福
第五章 英雄の冒険
第六章 女神からの贈り物
第七章 愛と結婚の物語
第八章 永遠性の仮面

訳者あとがき
解説/冲方 丁【うぶかた とう】



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