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幽霊画談


幽霊画談

 『幽霊画談』という題名ですが、幽霊というより、妖怪といったほうがよいものが、たくさん載っています。やはり、水木しげるさんの著書ですね(^^)

 もちろん、幽霊も載っています。
 有名どころでは、「菅原道真【すがわらのみちざね】の怨霊」、「佐倉宗五【さくらそうご】」、「卒塔婆小町【そとばこまち】」などですね。「牡丹灯籠【ぼたんどうろう】」や、「耳なし芳一【ほういち】」のように、フィクションの幽霊も載っています。

 けれども、全体的には、妖怪のほうが多いです。「おとろし」や、「ふらり火」のような、伝統的な妖怪から、「花子さん」や「ポルターガイスト」のような、現代妖怪まで、います。

 本書の魅力の一つは、絵が美しいことです。水木さんの画力を、改めて、堪能することができます(^^) しかも、全ページがカラーです。

 本来、目に見えない妖怪や幽霊を、絵にできるのは、すごいことですね。
 妖怪や幽霊に興味がある方なら、持っていて損はしない本です。

 ただ、資料として見ると、フィクションとノンフィクションとが混ざっているのが、ややこしいですね。見分ける眼力が問われます。

 「外国の不思議な幽霊」の章では、珍しい外国の妖怪や精霊を「見る」ことができます(^^) 外国の妖怪の資料は少ないので、貴重ですね。

 以下に、本書の目次を書いておきますね。

I 誰もが知っている幽霊たち
  菅原道真の怨霊
  平家一族の怨霊
  耳なし芳一
  牡丹灯籠
  ねずみの怨霊
  佐倉宗五
  など

II むかしむかしの幽霊
  仏の幽霊
  幽霊赤児【ゆうれいあかご】
  鬼撃病【きげきびょう】
  こんにゃく幽霊
  畑怨霊【はたおんりょう】
  ごぜの幽霊
  など

III いま出没する幽霊
  花子さん
  恐山の霊
  妖怪宅地
  般若【はんにゃ】の霊
  イジコ
  死霊
  など

IV ひとだまたち
  利根川の火の玉
  タマセ
  丸い玉の幽霊
  心火【しんか】
  生霊憑【いきりょうつき】
  迎え火送り火
  など

V 精霊といわれるもの
  精霊【せいれい】
  複合幽霊(ナンジャモンジャ)
  ノイポロイクシ
  精霊田【しょうらいだ】
  おとろし
  がたがた橋
  など

VI 動物の霊たち
  絹狸【きぬたぬき】
  死霊に化けた狸
  蚊帳釣り狸【かやつりだぬき】
  狼【おおかみ】の幽霊
  山猫
  ケッカイ
  など

VII 外国の不思議な幽霊
  アフリカの森の精霊たち
  ニューギニアの精霊
  トゥラング・マワス
  ガゴサ
  ベータラ
  モス
  など

霊を視る楽しみ



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