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古事記のフローラ


古事記のフローラ

 古事記に出てくる植物を、紹介した本です。
 類書は、ありそうで、ありません。万葉集に登場する植物なら、紹介した本が、いくつもありますけれどね。
 古事記の植物については、本書が唯一のものではないでしょうか。

 古事記の植物は、当然ながら、ほとんどのものが、現代の日本語とは違う名前で登場します。
 本書には、古語での名前と、現代の名前とが、きちんと対比されて、載っています。

 ただし、すべての植物について、明確に正体がわかっているわけではありません。中には、研究者の間でも、意見が分かれている植物もあります。

 本書では、複数の意見がある植物については、複数の意見を、そのまま載せていることが多いです。この態度には、好感が持てますね。

 だからといって、本書に載っている意見が、すべてだとも言えません。
 なにしろ、時代を隔てていますからね。古典の研究には、不確実性が付きものです。「古事記の植物として、こういうものが候補に挙がっている」くらいの気持ちで、読むべきでしょう。

 古事記について、より深く知りたい方や、古代の日本について知りたい方には、とても参考になる本です(^^)

 以下に、本書の目次を書いておきますね。

口絵
はじめに

天地の始まり
 アシカビ……【1】アシ
イザナギノ命とイザナミノ命
 大八島国の誕生……【2】ススキ 【3】クス
 黄泉の国……【4】エビズル 【5】タケノコ 【6】モモ
 イザナギノ命の神産み……【7】タチバナ 【8】アオキ
アマテラスオホミ神とスサノヲノ命
 天の石屋戸【いわやと】……【9】ウワミズザクラ 【10】サカキ 【11】ヒメコウゾ
                  など
スサノヲノ命
 五穀の誕生……【16】五穀
 八俣のヲロチ……【17】ホオズキ 【18-1】ヒノキ 【18-2】ビャクシン
            など
オホクニヌシノ神
 稲羽【いなば】の素兎【しろうさぎ】……【21】ガマ
 根【ね】の堅州国【かたすくに】……【22】ムク
 ヌナカワヒメ……【23】ヒオウギ 【24】カジノキ
 スセリビメの嫉妬……【25】アカネ 【26】カラムシ 【27】ヒイラギ
 カガミブネに乗る神……【28】ガガイモ
オホクニヌシノ神の国譲り
 アメノワカヒコ……【29】カツラ 【30-1】ヤマハゼ 【30-2】ヤマウルシ
神武紀
 東征……【31】ニシキギ 【32】ヒサカキ 【33】ニラ 【34】サンショウ
 七媛女【ななをとめ】……【35】ヤマユリ
孝昭紀
 アメオシタラシヒコノ命……【36】ヒガンバナ
垂仁【すいにん】紀
 アザミノイリヒメ……【37】ノアザミ
 ホムチワケノ王……【38】シラカシ
景行紀
 ヤマトタケルノ命の西征……【39】ウリ 【40】イチイ 【41】ツヅラフジ
 ヤマトタケルノ命の東征……【42】ノビル
 ヤマトタケルノ命の死……【43】クロマツ 【44】オニドコロ 【45】メダケ
仲哀紀
 神功皇后の新羅征討……【46】ヒョウタン 【47】カシワ
 オシクマノ王の反逆……【48】クヌギ
応神紀
 ヤカハエヒメ……【49】クズ 【50】スダジイ 【51】ヒシ 【52】クリ
 カミナガヒメ……【53】ジュンサイ
 オホヤマモリノ命の反逆……【54】サネカズラ 【55】ミズメ 【56】マユミ
 紅葉の神と霞【かすみ】の神……【57】フジ
仁徳紀
 皇后の嫉妬・クロヒメ……【58】ビロウ
 ヤタノワキイラツメ……【59】オオタニワタリ 【60】ハナイカダ 【61】シャシャンボ
               など
履中【りちゅう】紀
 スミノエノナカツ王の反逆……【65】イタドリ
允恭【いんぎょう】紀
 カルノ太子とカルノオホイラツメ……【66】マコモ 【67】ニワトコ
安康紀
 押木【おしき】の玉縵【たまかずら】……【68】アサザ
雄略紀
 引田部【ひけたべ】の赤猪子【あかいこ】……【69】ハス
 葛城山【かづらきやま】……【70】ハンノキ
 長谷【はつせ】の百枝槻【ももえつき】……【71】ケヤキ
顕宗【けんぞう】紀
 置目老媼【おきめのおみな】……【72】ミツマタ 【73】チガヤ
崇峻【すしゅん】紀
 蘇我馬子……【74】エノキ 【75】ヌルデ

あとがき
参考書及び文献
植物名対照表
植物名索引



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