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One Pill Can Kill

小児における「中毒」の傾向

以前、子どもの事故と年齢には相関がある、したがって、事故は予測でき、予防ができるというお話をしました。

薬物による中毒も例外ではありません。

ものを手でつかみ移動を始める6−9ヶ月ぐらいのところで発生件数がグッと伸びているのが解ります。一方で、1歳半(15-18 ヶ月)ぐらいのところで医薬区品以外の中毒が減少するのに対し、医薬品の中毒はさらに増加します。

医薬品とお菓子の区別が付きにくいのが原因でした。詳しくは以下の記事「こどもの事故は予測可能か? 」2019/7/19 を参照して下さい。

自宅では入念にしまって気をつけていても、この時期(といってもお盆は過ぎましたが)おじいちゃん、おばあちゃんの家に行った時、旅行先など、普段ではまずあり得ない状況での誤飲による事故がよく起こります。

One Pill Can Kill

ということで、本日は、たった「一錠の内服でこどもを殺すことができる」世にも恐ろしい薬をご紹介します。身の回りの薬品をチェックして見てください。

また、医療従事者の方はそれぞれの薬品で何が起こるのか、どんな処置が必要なのか、ご自身で対応出来ないまでも誰に相談したらいいのか、一度チェックしてみて下さい。電話相談を受けたときなどのために、以下のリストを手元のメモ(今の時代はスマホか??)に入れておいて下さいね

- カルシウム拮抗薬 (←いわゆる「血圧の薬」)
- βブロッカー(←いわゆる「血圧の薬」)
- 降血糖薬(←いわゆる「糖尿病の薬」)
- 三環系抗うつ薬(← 「眠り薬」として処方されていることも)
- フェノチアジン系抗精神病薬
- オピオイド(← 「貼り薬」もあり)
- テオフィリン(← いわゆる「喘息の薬」)
- 抗マラリア薬
- アミノ安息香酸エチル(ベンゾカイン)(← 「かゆみ止めの塗り薬」に)


以下のリンクも大変参考になります。
https://www.acep.org/how-we-serve/sections/toxicology/news/march-2016/one-pill-or-sip-can-kill/

●http://maruta-gim.wixsite.com/maruta-gim/post/2018/06/14/%E5%B0%8F%E5%85%90%E3%81%A7%E6%B0%97%E3%82%92%E4%BB%98%E3%81%91%E3%82%8B%E3%81%B9%E3%81%8D%E4%B8%AD%E6%AF%92one-pill-can-kill





 


小児科、小児集中治療室を中心に研修後、現在、救命救急センターに勤務しています。 全てのこども達が安心して暮らせる社会を作るべく、専門性と専門性の交差点で双方の価値を最大化していきます。 小児科専門医/救急科専門医/経営学修士(MBA)/日本DMAT隊員/災害時小児周産期リエゾン