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短編小説🍑桃太郎[第4話]

(壱)キジの紙

 孫悟空と雪山🏔️で修行した桃太郎🍑は、たくましさを増した。いよいよ下山して、鬼ヶ島へ向かうことになった。

 うすうす感じていたことではあるが、この辺の村人たちは物を買うとき、なにやらキジの図柄の紙を渡すことを常としていた。

桃太郎は孫悟空に尋ねた。
「あの、キジの絵が書かれている紙はなんだね?」
「ああ、あれは壱萬円というらしい。仕事したり、自分の持ち物を相手にあげるともらえる紙さ。俺はまだ、手にしたことはないが、鬼ヶ島へ行ける筏を買うには、あの紙が3枚必要らしい」

(弐)キジを求めて

 とりあえず、鬼ヶ島へ行くために、桃太郎と孫悟空そしてポチも、雪掻きのアルバイトをすることになった。この辺の相場では、3日雪掻きをすると、壱萬円を得ることができるという。
「まあ、焦ることはないね。ポチも入れて三"人"で働けば3枚のキジをゲットできるわけだし」と桃太郎は言った。
「それもそうだな」孫悟空は笑った。
ポチも「ワ~ン、ワン、ワン」と吠えた。

(参)いざ、鬼ヶ島👹へ

 越後の国へたどり着いた一行は、無事筏(いかだ)をゲットすることができた。しかも、3割5分引きで購入することができた。残りの「キジ」は、そのうち必要となるであろう修繕代として使えばよかろう。桃太郎と孫悟空、そしてポチも満を持して鬼ヶ島へ向かった。

(肆)鬼ヶ島は佐渡島👹

 「3人」が鬼ヶ島へ着く間に、読者に説明しておかなければならぬことがひとつある。他でもない。鬼ヶ島がどこにあるかという問題である。

 東日本に住む私としては、鬼ヶ島を「佐渡島」としたい。しかも、知り合いに佐渡島出身の人がいたからだ。この「桃太郎」のお話とは関係はないが、佐渡の方言は関西訛りである。都から島流しにあった人々が多かったことに由来するという。
 そろそろ、3人が佐渡島、いや、鬼ヶ島に到着しそうだ。物語に戻ろう!

(伍)

 ようやく桃太郎、孫悟空、そしてポチの3人は鬼ヶ島に到着した。驚いたことに人気がまったくない。どうしたのだろう?家屋もひとつもない。とりあえず、鬼たちと対峙する前に、一休みしたいところだ。桃太郎の顔色がよくない。

「どうした?桃太郎!顔色が悪いではないか?」孫悟空は桃太郎を気遣った。

「あぁ、ちょっと船酔いしたらしい。初めて筏に乗ったものだから」桃太郎は孫悟空の気遣いに感謝した。

「すまん、これから戦いが始まるのに」

「まあ、気にするな、俺は雨風をしのげるような場所を探してくる。ポチといっしょに休んでろ、桃太郎」

「ありがとう、孫悟空...」


次回最終回🍑(かもしれない)



 


 

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