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【読書記録】ナジャ/アンドレ・ブルトン


シュルレアリスムの美しさ

古き美しきパリの街角で出会った「ナジャ」という女。

ナジャという女の美しさを巡った日々のドキュメント。
めくるめく、シュルレアリスム。

ふんだんに挿入されている写真とイラストを挟みつつ、乾ききったような、情熱的なような、ナジャとの日々が綴られています。

美しい。特に最後の一文。これはもう最後2ページぐらいからぞわぞわするような、見事な美しさの予感がしていました。

シュルレアリスムとは?

意識と無意識の混ざった状態=「夢と現実の混ざった状態」こそが本当の現実という考え方です。

その状態を表現する手段が絵画や小説です。

日本では「超現実主義」と翻訳されています。

美術の世界だと、ルネ・マグリットサルバドール・ダリがその代表格です。

私はマグリットが大好きすぎて、東京にめぐってくるのを待ちきれず、京都に遠征したことがあります。

今でも画集を眺めては茫然としてしまう瞬間があります。

文学の世界だと、本日紹介しているアンドレ・ブルトンがまず第一人者として名前があがります。

知名度でいうとおそらくジョルジュ・バタイユかな、と思いますが。

文学好きの方だと学生時代に手にしたことがある人が多いのではないでしょうか?


心に残った文章をふたつ。

「だれしも、自分のものであるこの世界よりも優れていたいと欲し、また現に優れていると思いこむが、より優れた人というのは、この世界自体をほかの人よりもうまく表現することしかしない」

「そして彼女はなんという優美な仕草で、自分の帽子の、実際にはついていない重い羽根飾りのうしろに顔を隠していたことだろう」

まとめ


青豆のサラダと赤ワイン

サイゼリヤでワイン飲みながら読んでいたのですが、行ったこともないパリにいるようなふわふわした気分になりました。

きっとアルコールと相性が良い作品なのでしょう。



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