2023大阪大学/国語(文学部)/第一問/解答解説
【2023大阪大学/国語(文学部)/第一問/解答解説】
〈本文理解〉
出典は宮野真生子『出逢いのあわい──九鬼周造における存在論理学と邂逅の倫理』。前書きに「次の文章は、偶然性をめぐる九鬼周造の思想を、和辻哲郎の「間柄」論と対比しつつ解釈したものです。和辻によれば、人間は「(学生に対して)教師である」「(夫に対して)妻である」などといった他者との間柄を生きています。一方、九鬼は、一見安定している間柄の「である」の背後には、人間を一般化し、他の誰かと交換可能な存在にしかねない