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植物ってすごいな【植物雑談】vol.2/メヒシバとオニノゲシの土の中でパズルのような住み分けだな編

こんにちは、ぷらんといめじです。
今回は前回「植物ってすごいな【植物雑談】vol.1/セイタカアワダチソウの話になっちゃった編」の続きとして、
私が植物ってすごいと思うタイミングのお話を書いていきます。

 (1)ひとつの植物に注目して視ていったとき
 (2)ひとつからふたつの関係性を視たり考えたとき
 (3)それ以上の組み合わせの環境や条件を知ったとき
 (4)彼らと人間を含んだ生物との接点と、そこからある点への経緯や結果に出会ったとき

大まかにこの抽象的な4つが私にとっての植物がすごいと思うタイミングです。

一つ目の(1)は前述のvol.1で触れていますので、
初めて読んでいただいた方や読んだことがない方はぜひそちらも読んでいただけると嬉しく思います。
また前回読んでいただいた方、今回も読んでいただきありがとうございます。
以前に引き続きダラダラと書いていきますがお許しください。

それでは本題にということで、

まずは、

私が植物ってすごいと思うタイミング2つ目をお話しします。

(2)ひとつからふたつの関係性を視たり考えたとき

(1)ではセイタカアワダチソウという一つの植物に注目して、その植物のすごさを書いてみました。
この(2)では見出しの通り、とある植物と、また、ある植物について、
それぞれの特徴がゆえに、関わりつまり関係性のお話になります。
セイタカアワダチソウでも書いたアレロパシー(他感作用)、
その影響を受けた植物とセイタカアワダチソウの関係もその一つとしてみることができると思います。
ただvol.1で書いたように、
基本的にはセイタカアワダチソウに関しては一方が強すぎるところもあるので、
今回は割愛。

今回触れたいのは、
植物の根。
普段は目に見えない土の中の根です。

土の中の見えない空間で、
植物たちの縄張り争い、
縄張り争いというよりは、
2つの植物の各々の凹凸の関係のように思えます。

それを感じたのは、
メヒシバに覆われている場所にポツンとそびえたつオニノゲシを見つけたときでした。

メヒシバ、オニノゲシ、これらもセイタカアワダチソウ同様、
お庭や畑の管理などをされてる方なら一度は目にしたことがあるような厄介な雑草とされるような植物です。

【メヒシバ】
メヒシバは“シバ”と名前がつく通り、
芝の仲間のイネ科植物です。
張芝のように土の露出している表面を覆い、あたり一面を覆いつくします。
繊維の強い植物のため、
うまーく利用すれば、敷きわらのように有機物マルチ、草マルチの天然資材として利用できるでしょう。
ただ、上述したように厄介な雑草とされている通り、
生命力の強い植物なので簡単とは言えませんが…。
どのように生命力が強いのか?

イネ科植物ってどんなイメージをお持ちですか?
イネなだけあって、お米の素の田んぼで育てられている“稲”の姿かたちをイメージしませんか?
メヒシバも葉や茎、基本的には同じような見た目をしています。
特に生育の初期、春~初夏あたりの見た目は特に似ていると思います。
しかし、どんどん成長をしていくとその見た目に変化が訪れます。
どんな変化が訪れると思いますか?
メヒシバには不定根と呼ばれる器官が発生するのです。
不定根?それは何なのか。
なんと、
茎の途中から新たに根っこが出てくるのです。
人の体でイメージを表現すると、
茎や葉の地上部を体の上半身として、
地下部の根を下半身(脚)として考えます。
そうすると、下半身を土台に上半身の胴体を支えるのですが、
生長とともに上半身も伸びていきます。
もちろんその時に下半身も伸びていくのですが、
地際の点の軸としては安定していても、
伸びた上半身だけを見ると少しずつ不安定になります。
そうなってきたときに、
胴体から脚を生やすということです。
(絵面でイメージしやすいのは、脇腹あたりからニョキっと足が出てくる様子ですが、実際に考えてみると、植物の脇芽のように想像すると、間接部から出てくるのが適しているかもしれない。そう考えると実際人体におきるとしたら脊椎、背骨の関節部から生えてくるのだろうかとも考えられる。雑談の中のファンタジーな架空どうでも私見でした…。)

人の体でイメージした不定根


胴体から足が映えるとどうなるか?
地際の軸の点が2つになり、地表面に対し平行線的な軸を得ることができ、
より上半身を支えることができ安定していくのです。
そしてさらに成長が進むと、3つ目の脚、4つ目の脚と成長に従い強固に安定するように脚を生やしていくのです。
少しとんでもなお話をしてしまいましたが、
このようにして地表面を一点から平行線状に這い進んで成長していきます。
そしてその一つの点から、茎は複数本生え放射状に広がります。
こうしてメヒシバは地表面に対し平面上に広がり、
その地表面を覆いつくしていきます。
体験・体感上ですが1シーズンほど草刈り作業など管理作業せずにを放っておくと、
1つの株で軽く半径1mほどの規模で広がり、
近隣・隣接の株と隙間を埋めあうように成長していきます。
グランドカバーという言葉に対して考えると、
ある意味かなり適切で優秀かと思われます。

そんな不定根を持つメヒシバ、
不定根…
これがまたすごいのです。
これがあると、新たにそこから水分・養分を土から吸い取れるのです。
どうゆうことか?
この不定根が土をつかむと、
それはもう新たにもう一つの植物個体が誕生したことと同様なのです。
つまりは、「受粉し種を形成して繁殖する」という流れを経過せず、
世代を無視してクローン個体を形成するということです。
この結果、
何かしらにより、
最初の根っこ(もとからある脚/メヒシバA部)から不定根が生えた部分(2つ目以降の脚/メヒシバB部)の間が切断されることが起こると、
その後、メヒシバAとメヒシバBとして、それぞれの個体に分かれて生存するのです。
そしてメヒシバAはメヒシバAの、メヒシバBはメヒシバAからBへの、
各々の人生、否、植物生を全うすることになっていくのです。

すごいです。
メヒシバはそんな植物です。

【オニノゲシ】
もう一つの植物、オニノゲシ。
名前に“ゲシ”と入るのでケシ科の植物かと思いきや、
キク科の植物になります。
「オニノゲシ=鬼/の/ケシ」ではなくて、
「オニノゲシ=鬼/ノゲシ」です。
キク科植物の中のノゲシ属という分類化の植物です。
(“キク”なのに”ケシ”のネーミングは、「犬/イヌ」の分類がネコ目イヌ科のように、カテゴリ表現の親切さと言うべきか、別種をイメージしてしまう名称が使われ、整理することでより紛らわしくなるような感じを受けます。個人的にはお陰で言葉遊びや小ネタもでき、嫌いじゃないですが…。)

見た目としてはネーミングの”鬼”とつくイメージ通りで、荒々しく感じます。
荒々しい見た目とはどんな見た目か?
鬼よりも鬼の金棒をイメージしたほうが適しているかもしれないですね。
鬼の金棒、どんなものをイメージしますが?
野球のバットっぽいですけど、野球のバットじゃないですよね。
野球のバッドなら持ち手じゃない側で手渡されても受け取れますよね。
何せ表面がすべすべですから。
そうです、鬼の金棒は持ち手以外にトゲがついていますよね。
あんなもの急に持ち手じゃない方を渡されても、簡単に受け取れないですよね。
受け取ったら痛そうで痛そうで…。
まさにそんな感じの見た目、特徴を持っているのがオニノゲシです。
キク科の植物ということで、
全体的な見た目の造形はタンポポに似ています。
タンポポの葉って三角形がつながっているような、ギザギザしたような形状をしていますよね。
そのギザギザのそれぞれの角が、立体的にトゲのようになっています。
また、葉自体もタンポポの葉に比べ、厚みがかっているので丈夫な作りになっています。
ということは、
そうです、まるで鬼の金棒です。
そうですと言いつつ、鬼の金棒は触ったことがないので正確なことは言えませんが、
イメージの中では痛いと思うので、そのようにオニノゲシの葉は痛いです。
ちゃんとトゲが突き立つのでちゃんと痛いです。
なので仮にオニノゲシを根元からもぎ取った人に、
先端を向けて渡されることがあれば、素手では受け取るのは控えた方がいいと思います。
なぜなら、まさに鬼の金棒なのでちゃんと痛いからです。
せめて手袋・軍手、できればラバーがついたり丈夫なものでつかんだ方がましかと思います。
手袋をしても編み目の荒いものだと、トゲが鋭いのでガードをすり抜けてくるでしょう…。

茎も太く根元付近は直径5㎝ほどになる個体もあり、
高さも1mを超えるものもあり、ドシッと佇むようにそびえたちます。

花や種は全くもってタンポポそっくりで、綿毛で種子を飛ばします。
言うなれば花の大きさに関しては、タンポポより一回り小さいくらいです。
立派な体に対し花が小さく感じるので小顔のようにも感じる見た目です。

そんなオニノゲシ、総合的に見た目を一言で表現するとすれば、
「タンポポのガンダム化」そんな感じでしょうか…。
タンポポから連想すると、
タンポポより圧倒的に体が大きく、ゴツく、
戦闘兵器感が滲み出ているのでそんな感じです。

そんなゴツくかつ高くそびえるオニノゲシ、
根は直根性で、中心に太く長い根が地中に伸び成長していきます。
地上で高くそびえるだけあり、
そのしっかりとした体をしっかりと支えるようにかなり深く伸びます。

オニノゲシはまさに見た目の強烈さがとにかくすごいと感じます。
まるでキク科界のボスキャラのようにそびえたっているので…。


さてそんな、メヒシバとオニノゲシ。
そんな彼らからどんな関係性を視て考えれたかをお話しします。
この2種の関係を視ることができたタイミング、
それは、とある法面地の草刈り作業をしていた時でした。
それというのは一時(いっとき)ではなく、
数回行っているうちでの経過の中で見ることができました。
その法面は大半、ほとんどの範囲をメヒシバ覆いつくしている場所でした。
作業自体は刈払い機を使って行っていました。
地表法面に沿って、刈刃を沿わせて刈っていきます。
初夏頃のメヒシバ成長初期、メヒシバにまだ不定根発達しきっていない頃です。
メヒシバはまだ上、太陽に向かって葉を伸ばしている頃は、
斜面に対し角度をもって上に向かっているので、
斜面に沿わせて刈払いを行うと比較的スムーズ作業ができ、草丈の調節がで来ます。
そこからメヒシバが成長していくと、不定根が発達し始め、
法面に沿って這うように広がっていきます。
すると、刈払い作業の際、刈刃を法面に沿わせて作業を行っても、
メヒシバの這っている方向と平行方向のため、うまく刃がメヒシバにかからず刈り切れず、草丈や草勢を調整するのが困難になってきます。
そこで少し斜面に対し角度をつけて刈ることがあったのですが、
その際に少しの角度の違いなどで、土ごと刈り上げてしまうことがありました。
するとそこにメヒシバに侵食されていない、土の露出した裸地部が局所的に出来上がりました。
そののち、数週間すると今までメヒシバが生育していたが、裸地にしてしまった局所部に、オニノゲシが生えて育っていたのです。
その時のオニノゲシのサイズで20㎝ほどで、周囲の上向きに立っているメヒシバたちの高さは20~30㎝ほどでした。
そして再度全体の一部として、オニノゲシの生えた局所部も含め改めて刈払いしました。
その後の経過として、オニノゲシも地上部だけの刈払いのため、復活し再度高く伸びていきました。
そしてその局所部はその年はオニノゲシの陣地となりました。
さらにオニノゲシの周りをしっかりとメヒシバが覆って局所的な裸地部になった箇所はなくなりました。
つまりメヒシバとオニノゲシの住み分けの場所になったのです。

基本的にvol.1でも少しふれたように、植物の世界も生存競争があります。
例えば芝生の土地にシロツメクサ(クローバー)が1度種が入り生長することができると、芝生とシロツメクサで陣取り合戦が始まります。
芝生の状況によっては、そのシロツメクサは十分に成長できず競争に負け繁栄はできません。
しかし、十分に成長ができた場合、もしくはその周囲の芝生の状況が悪かったり弱っていたりした場合、
シロツメクサはそこに群生をはじめることができます。
すると、土壌の適正も含めより強く成長できる方が少しずつ陣地を拡大していきます。
場合によっては芝生の大半がシロツメクサに侵食されることもあり得るかもしれません。
このような形で生存競争があり、陣地を取りあうのです。
セイタカアワダチソウなどの外来種による侵食もその通りです。

では、メヒシバとオニノゲシは住み分けすることができたのでしょうか。
それはそれぞれの根の張り方を見て知れた時に少し気づけました。
メヒシバは地表表面近くを這うように広げて繁栄していきます。
オニノゲシは地表表面より真っ直ぐ深く伸び定着します。
つまり、それぞれの根は直接的に陣取り争いをせずに、
それぞれがそれぞれの陣取れる範囲ではびこったのです。

土の中で根を張る場所、特に根の先端のある箇所、
そこから植物は水分、養分を吸収します。
芝生(高麗芝)とシロツメクサはともに、
地表面付近を這うように根を広げ陣地を広げていきます。
それはつまり、直接根が競争しあう箇所に繁茂し、同じ箇所の水分・養分を奪い合います。
それにより芝生とシロツメクサでは陣地争いが行われ、いずれかが駆逐されていくようにはびこるのです。
これに対し、メヒシバとオニノゲシはそれが起こらず、
それぞれがそれぞれの場所で水分、養分を吸収でき、
住み分けができた一つの要因ではあったのでしょう。
つまり根の伸ばし方の特性、
その凹凸がかみ合ったパターンがメヒシバとオニノゲシ、
凹凹もしくは凸凸でかみ合わずぶつかることとなってしまうパターンが芝生とシロツメクサと考えられます。

その根の凹凸のかみ合った成功例のメヒシバとオニノゲシの関係性を視れたとき、そしてそれを考え認識できたとき、やはりすごいなと感じました。
実際、ガーデニングや畑・家庭菜園などをはじめとして、
このような土の中の住み分け関係のパズルのように、
空間利用を考えたい相互関係を調整したりするコンパニオンプランツを利用する栽培方法もありますよね。

この時このタイミングに出会えた原因は、
草管理のある意味小さな失敗ではあったのですが、
それにより局所地ができたことが始まりでした。
そして、
そこにもともと種が舞い降りて土の中で待機していたのか、
はたまた種(綿毛)が他所のどこからか風に煽られその局所部にたどり着いたのか、
その点は定かではないですが、いずれかによりその局所部で種が発芽し、
周囲がオニノゲシ自身の発芽成長に影響しなかった且つしないタイミングだったことで十分成長でき、
メヒシバも新たなクローンと共にオニノゲシ周辺を改めて覆いつくす、
という経過を経て互いが繁栄できていた、という結果までを視て考えました。

厄介な雑草なだけに当たり前と言いたくなるような光景かもしれないのですが、
それでもかなりの条件が重なって奇跡的偶然をもって視ることができました。
メヒシバとオニノゲシそれぞれのすごさを見たうえで、
その2つの関係性を視ることができ、その経過結果を考えたとき、
改めて、やっぱり植物ってすごいなぁと感じたのでした。


今回は局所的場所かつ局所的時間、もっと何年間という時間をもってしてみれば、
このメヒシバとオニノゲシも競争関係になるタイミングもあるのかもしれないですが…。
それでもそれを含め植物はすごいと感じます。


長く読んでくださりありがとうございました。
読んでいただいたあなたの植物すごいなぁと思うことや、
植物じゃなくとも何かすごいなぁと思うことなんかもあればぜひコメントもいただけると嬉しく思います。

次回以降もvol.3からも含めぜひ読んでいただき、よければ好きやフォローしていただけるとさらに嬉しく思います。

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