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私はモグラ (街で★深読み)

 毎週金曜日に、近所の食料品スーパーに徒歩で出かけます。この店では、金曜は「ヨーグルトの日」と称して、2割引きになるからです。

 ヨーグルトは毎朝一定量食べるので、旅などで不在日がある週以外は400グラムのパックを5個買います。その他の買い物は別の大手スーパーに車で出かけるため、その程度の値引きで、しかもヨーグルトだけのためにわざわざ行かなくても、と同居人は言います。
 主目的はウォーキングであり、買い物は副目的であーる、と私は言う。でも、喫茶店の《モーニング・サービス》を見てわかるように、《名古屋人》が《おまけ》と《割引》に弱いのも、また事実です。

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 毎週同じ日に行くと、いつもヨーグルト売り場が《荒らされて》いるのに気付きます。冷蔵ショーケースの手前側にパックが積み重なり、奥の方にぽっかり空間があるのです。明らかに、奥の方からヨーグルトが《掘り出され》ている。
 時々店員が整列させるが、すぐに穴が掘られる。

 もちろん、私も消費者のはしくれ、同じ値段なら賞味期限が後になっている商品ほどバスケットに入りやすい、という法則は知っています。
 それにしても、これは異常だ! たった1日かそこらの違いでこんなに《掘り返される》はずがない!

 丹念に賞味期限を調べてわかりました。そこには2種類の異なる賞味期限の製造ロットが陳列されており、手前に陳列されている商品は、奥や下段で待機しているものよりも、4~5日も古かったのです! それも、毎回毎回!

 おそらくは、毎日商品を仕入れるのではなく、数日おきにすることでコストを抑える、という《作戦》が進行しているのでしょう。
 しかし、それが多くの《モグラ》を誘引し、冷蔵ショーケースの《荒らし》を引き起こしていたのです。

(うーむ……)
 1週間分買いだめするジジイとして、これは看過できません。私も《モグラ》の群れに加わりました。

 コメディー小説シリーズ「スーパー・やおいの困ったお客」は、《再勉生活》中に、あるいは国内退職後に、直接間接に見聞きしたスーパーマーケットでの客の《生態》を、《妄想》で膨らませています

 ┃件《くだん》のヨーグルト週1安売りスーパーでは、最近、ついに《モグラ》たちに白旗を挙げました。
 《賞味期限》の《ズレ》が、4~5日から2日間隔に変わったのです。
(うーむ。やはり、《モグラ》行為はイヤだとみえる

 それでも、1度《エサ》を撒いた後だからなあ──「2日」で《モグラ》の活動が抑えられるのだろうか?

 まだまだ調査を続けなければ、と思うのでした。

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