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#読書感想文

『光あるうち光の中を歩め』(トルストイ)を読んで

『光あるうち光の中を歩め』(トルストイ)を読んで

トルストイの思想を示した短編小説『光あるうち光の中を歩め』。ある人の「人生の一冊」ということを聞き、読んでみた。

トルストイと幸福トルストイ自身のキリスト教観がもろなので宗教色は強い。けれど、そこに普遍性であるとか共感できるところも、きっと人それぞれ見出せると思います。

『だが、俺は浮世の生活をつぶさに経験したけれど、何一つ発見しなかった』

豪商ユリウスの嘆きの言葉です。彼の幸福の基準は外に

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一四六 ご苦労さん

一四六 ご苦労さん

今回は僕の妄想9割の悟りを。

稿本天理教教祖伝逸話篇から(…教祖の日常のお言葉や面影から教祖という人物を偲ぶ書物。信者の残した話を持ち寄って二〇〇話綴られている。)

一四六 御苦労さん

 明治十七年春、佐治登喜治良は、当時二十三才であったが、大阪鎮台の歩兵第九連隊第一隊第三中隊に入隊中、大和地方へ行軍して、奈良市今御門町の桝屋という旅館に宿営した。
 この時、宿の離れに人の出入りがあり、宿の

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