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人生で大切なことは―。価値観カードゲームで深める相互理解。職場の"非対称性"をなくすコミュニケーション

人生で大切にしたいことは?
自分の子供が不登校になったら?

あなたなら、こんな時、何と答えますか。
あなたの隣の席の人なら、どうすると思いますか?
あなたの上司なら?取引先のあの人ならどうする?

企業の採用・人材育成を支援する株式会社アールナインnote編集部です。今日はこんな問いへの答えを通して、一緒に働く仲間の価値観を知ることができるカードゲームを紹介します。

その名も「価値観カード」

設定された問いに対して考えを述べ、他の方は「なぜそう思う?」といった質問を繰り返して相互理解を深めるゲームです。

社員交流と言うと、飲み会などを活用することもできますが、上司ばかりが話したり、新人ばかりが絡まれ自己開示を強要されたり…気付けば非対称なコミュニケーションになりがち。価値観カードは、ゲームの名の下にそうした非対称性を取り払い、誰もが対等に話せる機会をつくります。

やりとりを通して自分を知り、相手を知る旅。新しい仲間が入った部署で行われるアールナインの風物詩であり、社外にも販売しているカード。

今日はnote編集部の4人でやってみた様子を公開します。新人研修、協業先とのアイスブレイク、良いチーム作り…職場の「あの人」としてみるイメージを想像しながら、お読み下さいね。


マネジャーのなつき(右下)、メンバーのゆりーか(右上)、ほりかな(左上)、みなお(左下)※新入社員から代表取締役まで全員あだ名で呼び合う文化

普段はメンバー4人の自己紹介から入りますが、今日は割愛します。話の内容から人物像をイメージしてみてください。

なつき では1つ目のお題を選びましょう。ゆりーか、選んでくれますか。

さまざまな質問が書かれた「お題カード」。1枚選び、これから話し合うテーマを決めます。

お題カード。さまざまな問いがあります。

ゆりーか じゃあ、これにしてみますか。

お題①自分の子供が不登校、どうするか

なつき おお、これはね、二人の子育て中の身としては切なる問題なのよ(※4人の中で唯一実際に親)。こういう時、親はどうあるべきか。

ゆりーか そうですよね…みなさん自分のカードを選んでみましょう。

自分のカードを選ぶ様子

次に選ぶのは、人間のさまざまな価値観が書かれた「価値観カード」。参加者一人ひとりが、お題に対する自分の答えを考えながら、その根拠となる価値観に最も近いカードを1枚選びます。

ゆりーか みんな決まりましたか。では、せっかくなので、実際に親御さんであるなつきさんからお願いします。

■「そうは問屋がおろさない」葛藤の連続

なつき はい。これを選びました。理由は…


なつき 私は熱があっても登校しなさいと言われる家庭で育った。だから我が子にも、ずる休みや少しの熱で欠席とか許せなかった。でも今もし本当に登校したくないと言われたら、自分と子供は違う存在なんだと認識して「人間だもの。そういう時もあるね」って冷静に受け止めたいな。

みなお 受け止めたいというのは、願望込み?

なつき そう、こんな母でありたいという願望。

ほりかな 例えば不登校の理由が、お子さんに非があったらどうですか。クラスメイトをいじめてしまい、周囲に非難されたとか。

なつき それは重い。向き合ってじっくり話を聞く。子供が反省していれば一緒に今後の人生を考えるし…。と冷静に対応したいけど…

ほりかな けど?

なつき そうは問屋がおろさない!何をしているんだ!相手はどれほど傷ついて、悲しかったかわかっているのか!っていきなり口酸っぱくお説教してしまうと思う。子育てはこういう葛藤の連続なのよ…

ほりかな お気持ち、わかります…。

■「じゃあお休みすれば?」やりたいことを応援する

ゆりーか 私は最後まで悩んで、これにしました。

ゆりーか 親としてあなたが大事だから話をしたいんだよ、と前置きした上で色々伝えると思うけど、学校を休む代わりにしたいことがあるなら、意思表示してもらえると応援しようと思います。

ほりかな 本当ですか?子供が高校受験を控えた15歳で、韓国アイドルに憧れてオーディションを受けたいから単身で渡韓したいと言われたら?

ゆりーか 中学3年生か…その道は絶対に辛いし、失敗するかもしれないし、人生どうなるかわかんないけど、まあ、やりたいなら後悔しない方を選択しなよって言うかもしれない。私ではなく、その子の人生ですよね。

なつき ゆりーか自身、そういう環境で育ってきたのかな?

ゆりーか あ、そうですね。志望校とか進路も応援してくれましたし、10年続けたバレエは、母が学校の先生だったこともあって厳しかったけど、本当に体調が悪い時は休ませてくれました。

なつき 本当に頑張った時の苦しさを理解してもらった経験があるから、自分が親になっても受け入れたい覚悟があるんだね。

ゆりーか まあ、私の場合「なんか学校だるいし行きたくない」って軽く言われても、じゃあ、しばらくお休みすればって言っちゃうかもな(笑)
人生トータルで考えれば必要な時間かもしれない。

■甘えか、仕方ない事情か。大人としての現実的判断

ほりかな ゆりーかさんのその寛容さは素敵ですね。私はこれです。

ほりかな 困っているなら、一緒に問題に向き合いますよ。でも、なんとなく嫌とか言うなら、学校に行かない代わりに何をするのか聞く。その回答次第では時間を無駄すべきじゃないと伝えるかも。学校に通うことが絶対の時代ではないけど、理由が甘えなのか、致し方ない事情なのか。大人としての現実的判断は必要かなと思います。

みなお もうね、将来この感じで説いている場面が想像できます。

ゆりーか すごく、ちゃんとしている親(笑)

なつき ほりかな自身は10代の頃、どんな感じだったのかな?

ほりかな 私は勉強が嫌いでした。答えられないのを見越して、授業でわざと私ばかりを指名する数学の先生がいた時、学校を休むぐらいトラウマだったんです。休みたい理由は親に言わず、何もせず引きこもる日もあったからこそ子供には一日一日を大切にしてほしいな~と思います。

■待ちたいけど、たぶん待てない

みなお 私はこれです。

みなお 聞いても理由は言わないかもしれないから、話してくれると信じてしばらく待ちたいです。待っていれば何か話し出すかもね?

ほりかな なんで理由は言わないと思う?

みなお 探られるほど貝になってしまいませんか?

ほりかな その状態で何年も待てますか。

みなお あー…無理。なつきさんと同じで「そんな甘えたことを言っていたら社会で生きていけないよ!」って早々に怒ってしまって自己嫌悪のループに陥りそう。自己理解が足りず理想を語りました(笑)

なつき 安心した。ありがとう(笑)
子供は他人。でも、自分の子。正解がないからこそ、難しいですね。

お題②:人生で何が大切か

みなお 次、これにしてみましょう。

ほりかな わ、こういう抽象的なやつ苦手なんだよね(笑)

なつき みんな、改めて何を大切にしているのかなあ。

■未来の仲間にも見返りのない愛

ゆりーか 私から良いですか。これです。

一同 ああ…

なつき ゆりーかと言えば、愛ですね。

ゆりーか はい。やっぱり誰が相手でも何をするにも、前提は愛かと。

ほりかな 聞いていいですか。朝の満員列車でマナー違反をしている方がたまにいますけど、そういう方にも愛を持てますか?

ゆりーか いや、私の愛の対象は関わる人。さすがに知らない人は(笑)

みなお でも、ゆりーかさんは、普通の人より愛の対象が広いと思いませんか。私の入社時、ずっと前から知り合いだったかのようにオープンに接してくださいました。今も新入社員を歓迎する方法を日々考えている。既に関係している人だけでなく、これから関係する予定の人にも心を開いて、全力の愛をもって対応できるのはすごいなと。

ゆりーか なんだろう。愛をもらって生きてきた…愛していると言われながら育ってはいないけど、習い事で夜遅い時は送り迎えしてもらって、家に帰ると温かいご飯があって、些細なことで愛を感じてきたので自然とそうしているのかも。こうしようと思ってしているわけではないな。

ほりかな 利他精神の極み。

なつき じゃあ恋人や家族にも見返りを求めない?自分はこんなに尽くしているのに…とか思うことはないのかな。

ゆりーか 私ばかり家事をしているなら、ちょっとはしてよ!と思うけど、私の方が好きなのに!みたいな感情は持ったことがないかも。好き好きと言われたいわけでもない。お互い楽しく、仲良くできたらな~と思います。

なつき ああ、いいね。このストレートな感情表現がゆりーからしい。

みなお 眩しすぎる。後光が…

ほりかな みなおの感動ぶりよ(笑)

■好き嫌いに先立つ信用

みなお 私はこれです。

なつき 信頼?

みなお 信じる、信じないは好き嫌いに先立ちませんか。人間的に気が合わなくても、信頼があると色々円滑に回りますよね

ほりかな と言うと?

みなお 10代の頃、教室で誰といるかどう決めましたか。気の合う人といませんでしたか。社会人は好き嫌いより信用が問われます。任せられそうかどうか。皆さんは職場で頼りになる人いたら、その人が「好き」ですか?

ほりかな 確かに必ずしも一致しないかもね。

なつき えっと、ちなみに…私のことは「好き」ではない?(笑)

みなお 待って下さい。3人とも好きですよ(笑)

ほりかな 逆にどういう人は信用がない? 

みなお 本人のいないところで色々言う人(笑)
感情が読めない、内心と違う態度を器用に取れる、といった方も一緒にいると疑心暗鬼になります。人の言動の裏を読んでしまう。だから自分のような人も接しにくいですね。友人は喜怒哀楽がはっきりした方が多いです。

ほりかな みなおは確かにいつも似たような表情をしているけど、裏表は全然なくて、発言も率直でそのままだな~とよくわかるよ。

ゆりーか いつも似たような表情(笑)
確かに私たち3人はめちゃくちゃオープンマインドですね。

なつき みなおに「類は友を呼ぶ」は適用されないのね。おもしろい。

■多様性を認めたいジレンマ

ほりかな 私はかなり迷ったのですが、やっぱりこれかなと。

ほりかな さっき電車の話をしましたが、満員電車でマナー違反をする人に瞬間的に怒りは沸きます。でも、怒りに支配される時間は無駄!と思うようにしている。単純に色々な考えの人がいるんだなと思って寝たら忘れます。

みなお 自分の怒りも、色々な考えの一つとして認めはしない?

ほりかな そうだね…でも合わないからってずっと怒っているのは無益だよね。違う考えに触れるからこそ、得られるものもある。相手がなぜその道を選ぶのか、背景を知ることで尊重し合って一緒に居続けたいな。それに「その意見は偏りすぎじゃない?」と思う時ははっきり言うよ。

みなお どういう時?

ほりかな 昔、父が自分のこだわりを母に押し付けた時があった。その時はさすがに「お父さんのしていることは違うよ!」と言った。家族でも幸せは自分で決めるべき。自分の価値観を強要して他者を変えようとするのは違うよね。でも、だからこそ私が父の考えを変えようとしていることも間違っているのか?とジレンマに陥りもした…。

なつき なるほど。多様な考えをベースに、言うべき時は言うけど、自分はどうなんだと内省もする。ほりかならしいね。

■自分だけの役割を探し続ける

なつき 最後ですが、私はこのカードを選びまして…

全員 ああ…

なつき その環境における自分の役割を考える。アールナインでは明確だと思っている。20代のメンバーが8割以上の会社で、私は40代。年長者が正しいとは思わないけど、少し長く生きている者として皆を助けられることはある。どんな場所でも私にしかできないことを常に考えて動きたいです。

ほりかな なつきさんが仰ると、納得しますよ。

みなお 既に色々取り組まれています。アールナインの太陽。太陽は一つ。

なつき うう、至らないところも多いけど、ありがとうね…!普段からよく話すメンバーですが、改めてカードゲームで色んなお話ができて理解が深まりました。今日は嬉しいよ。みんな、お時間ありがとうございました。


みなさんの職場でも価値観カード、ぜひいかがでしょうか?

記事前編はこちら
◎お題
・友人に約束を破られたら
・毎日が退屈なら


終わり




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