マガジンのカバー画像

中華エンタメ

60
武侠作品や中華時代劇、カンフーに香港ノワールなど中華エンタメ関連の記事をまとめています
運営しているクリエイター

記事一覧

今年のGWを振り返る

今年のGWを振り返る

 今年のGWももうすぐ終わると思うと実に憂鬱になりますが、それでも、映画に行ったり配信ドラマを見終わったり小説を読み切れたり、それらの合間で適度にくつろげたりと、今年は心地よくリフレッシュできました。
 そこで、今日はそれをちょっと振り返ってみます。

ゴールデンウィーク前半戦(ゴジコン、SHOGUN、Netflix版三体、三補選)

 前半戦は、まずはやはりゴジラ×コングですな。

 モンスター

もっとみる
てんぐの読書感想:三体2部 黒暗森林(上下)〜人類で最もチンケでタフなギャンブラー、その名はDr.ロジック

てんぐの読書感想:三体2部 黒暗森林(上下)〜人類で最もチンケでタフなギャンブラー、その名はDr.ロジック

 Netflix版三体を見終わり、テンセント版も二周目に入ってる今日この頃ですが、文庫版の2部も読了いたしました。
 いやあ、オバマがこれにハマってたのも納得ですよ。あの「暗黒森林」学説に基づく恐怖を我が身に置き換えて実感できる読者って、世界中を探しても大統領在職当時のオバマ以上の人は、ちょっといないでしょう。

 そして、「オバマが三体にハマっていた」という逸話と照らし合わせてスリルを感じたシー

もっとみる
てんぐの映画感想:無名〜ヤバすぎる王一博に「最もスパイに向いている人間」を見た

てんぐの映画感想:無名〜ヤバすぎる王一博に「最もスパイに向いている人間」を見た

 てんぐも世間様と同じくゴールデンウィーク第二ラウンドに入ったわけですが、その初日は、かねて見たいと思ってた「無名」を見てきました。
 新刊小説では目下「両京十五日」上下巻が今年ベストワン有力候補ですが、映画ならこの「無名」が暫定トップ、それくらい凄い映画でした。

 とはいえ公開初日、しかも先週見に行ったゴジラ×コングと違って、ネタバレされたら魅力と凄みが激減しちゃうのが明白な映画です。
 なの

もっとみる
てんぐのNetflix版三体感想:「ご当地三体」イギリス編

てんぐのNetflix版三体感想:「ご当地三体」イギリス編

 この最終予告編のサムネイルの方、表情が見事にキマってるんだよなあ。
 えー、そんなわけで、先日のSHOGUN完走の余勢を駆って、噂のNetflix版三体も一週間ほどで見終わりました。
 舞台や設定が変更されてるとのことで、「どうなるものかなあ」と思ってましたし、実際、全30話かけたテンセント版と比較すると「三体RTAかな」と隣で見てる奥さんとよく話してました。

 ただ、キャラクターや舞台を改変

もっとみる
CSのラインナップ確認はてんぐの月初めの恒例行事です

CSのラインナップ確認はてんぐの月初めの恒例行事です

 2024年ももう5月に入りました。本当に早いものですねえ。
 で、月が改まるとてんぐがやるのが、CSの放送ラインナップ確認。
 ディズニープラスやNetflixなどサブスク配信サイトを見る習慣がついても、結構テレビは見るものです。というか、こっちもカネは払ってるしね。

 というわけで、今日見つけた、今月以降のCSてんぐオススメ作品を並べてみます。

ヒストリーチャンネル:クレイジーリッチな古代

もっとみる
「17世紀東シナ海域史のIfストーリー」としての国性爺合戦を考えてみた

「17世紀東シナ海域史のIfストーリー」としての国性爺合戦を考えてみた

 ディズニープラスで配信されてるSHOGUNを見てるうちに、頭に浮かんできたのが、「この世界の国性爺合戦ってどんなものになるのかな」ってことでした。

 考えてみれば、「歴史上の人物をモデルにした架空のキャラクターたちが主要人物となり、史実をアイデア元としつつ自由にストーリーを展開させる異国の歴史劇」という点で、国性爺合戦とSHOGUNは共通します。
 だったらSHOGUNの要領で、今度は国性爺合

もっとみる
てんぐのドラマ感想:唐朝詭事録~被疑者殺しのパラディンが名探偵のひとりになるまで

てんぐのドラマ感想:唐朝詭事録~被疑者殺しのパラディンが名探偵のひとりになるまで

 二月からチャンネル銀河で帯放送してた唐朝詭事録ですが、本日最終回を視聴しました。
 盛唐の時代が舞台ってことは判事ディーシリーズや長安二十四時とほぼ同じですし、「まあ面白くなれば良いかな」くらいの気持ちで見始めました。もともとサスペンス史劇は好きなジャンルでしたし。

 結果は、それどころではなく、めっっっちゃ面白かった。遭遇する捜査の進展に一緒に頭を悩ませ、遭遇する事件の数々に一喜一憂する、楽

もっとみる
読書感想:両京十五日〜これぞまさしくガチ中華の冒険活劇!

読書感想:両京十五日〜これぞまさしくガチ中華の冒険活劇!

 先月に1巻、そして今月の21日に2巻が出た「両京十五日」。
 これがとんでもなく面白かったです。まだ3月ですが、今年ベストワン最有力候補と言っても良いでしょう。

 当たり前のように出てくる歴史的な故事や警句の引用や、本編の時期に至る明初の歴史と政治体制、南京と北京を繋ぐ大運河の地理、白蓮教団も含めた多種多様な民衆社会の暮らしぶり、料理やスラング(皇太子殿下だってバリバリに使ってます)、科学知識

もっとみる
読書感想:火輪の翼〜安史の乱に勝負を挑んだ最高のプロレスラー

読書感想:火輪の翼〜安史の乱に勝負を挑んだ最高のプロレスラー

 火曜に本屋で引き取ってはきたけど、なまじ平日に読むと作品に没入して仕事に支障が出るのが目に見えてるので週末まで取っておいた、千葉ともこさんの新作「火輪の翼」。
 金曜の夜を迎えて、毎週の楽しみになってたYouTubeのタカラトミー公式チャンネルでのG1トランスフォーマー配信も見終えてから、完全に集中できる状態になってから読み始めました。
 その結果、土曜の夜には一気呵成に読み切っちゃいました。

もっとみる
D&Dプレイ日記:「王朝の遺産」プレイレポ~イメージCVは青野武さんで~

D&Dプレイ日記:「王朝の遺産」プレイレポ~イメージCVは青野武さんで~

 先月から週1回合計3回に渡り、D&D公式シナリオ集レイディアント・シタデル収録の「王朝の遺産」をオンセで遊んでまいりました。

 明清風ファンタジー中華王朝「星」を舞台にした13LVの高レベル帯シナリオ。このシナリオに誘われたときは二つ返事で参加表明したんですが、さてどんな方向のPCを組むか。ここは結構悩みました。

 単純にモンクだとドラゴン金貨のリャン・カイシンがいるし、江湖の剣客タイプのロ

もっとみる
読書感想:戴天

読書感想:戴天

 先週拙宅に届いた千葉ともこさんの戴天、この週末に本腰入れて読み始めたら、一気呵成に読み切っちゃいました。
 千葉作品はストーリーやキャラクターが魅力的なのはもちろんなんですが、それだけでなく、作者自身の心の叫びが文章から響いてくるんです。
 デビュー作の震雷の人もそうでしたが、千葉さんの長編小説って、いったん読み始めると止まらなくなります。

 戴天から聞こえた叫びとは何か。
 千葉さんのインタ

もっとみる
D&Dオンセで思わずガッツポーズが出た3行日記

D&Dオンセで思わずガッツポーズが出た3行日記

昨夜のD&Dのオンセで、往年のキョンシー映画のアイコンだったラム・チェンインを意識したPCで遊んでたら、「香港映画の吹き替えみたい」って同卓のPLからのお言葉をいただき、思わずガッツポーズが出ました。

読書感想:文庫版三体1巻〜葉文潔にドライアイスの剣を見た

読書感想:文庫版三体1巻〜葉文潔にドライアイスの剣を見た

 かねてから「場所を取らないように文庫版が出たら買おう」と、「なかなか文庫も出ないしいっそ電子書籍で読むかな」という相反するふたつの判断で揺らいでた三体ですが、結果は文庫版シリーズが出るのでこちらで買うことになりました。粘り勝ちってところかな。

 そんなこんなで初体験となった三体原作版ですが、テンセント版のドラマを見てるというのはあるにしても、実にスムーズに読めました。具体的には、連休前日に拙宅

もっとみる
退屈知らずの季節、到来です

退屈知らずの季節、到来です

 寒暖差のせいで気だるい気分を吹き飛ばすようなビッグニュースがハヤカワさんから飛んできました。
 後の宣徳帝こと朱瞻基に于謙って、完全に「大明皇妃」ど真ん中の舞台ですよコレ。

 あのドラマが好きだった人は、絶対に買うべきでしょうね。というか、この両京十五日もそのうちドラマ化するんじゃないか?

 ただ問題は、てんぐは本はいま快傑ゾロを読んでて、さらにはエレン・カシュナーの「王と最後の魔術師」上下

もっとみる