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たまには何でもない話を。

noteのページを開いていると、
段々Wordを使っている気持ちになって、
真面目な内容を書いてしまう。

ので、今日は気軽なコンテンツ。


先日、久々に友人と映画館に行きました。
観たのは『アナと世界の終わり』
(原題:『Anna and the Apocalypse』(2017))

関東でも数か所でしか上映していないような、言ってしまえばマイナー映画です。雪の女王じゃないです。

念のため断りを入れますが、この映画はホラー/スリラー/ゾンビといったジャンルの作品になります。
なので、後々出てくるリンクを開く際はくれぐれも自己責任でお願いします⚠(大声)
苦手な人は苦手だと思うのでね。仮に、万が一、見たくないものが映ってたとしても私は責任取らないよ!よろしく!


さて、前置きが済んだところで。
先に言ったようにこの作品はゾンビ映画。ですがちょっと変わっていて、「青春ゾンビミュージカル」と宣伝されています。
――そう、青春 × ゾンビ映画 × ミュージカルという前代未聞の作品。
いや~この時点で惹かれるよね。ゾンビなのにミュージカル?!何それ?!!って。

気になったので、まずオフィシャルHPをチェック。そしたら、

えっ…何このBGM……好き……

実はサイトを開くと「Hollywood Ending」という劇中歌がBGMで流れています。もしかしたらPC版だけだったかな?
YouTubeにもリリック付きのフルver.がアップされてるんですけど(ありがとう公式!)、まあこれが個人的に好きな旋律だったんです。
イントロダクションを軽く読み、そのまま流れるように映画の予告映像を見て、これは観に行こうとなりました。


私はゾンビ映画は今まで見たことがなく、その上実写のスプラッターは苦手、ホラーも絶対無理という、どう考えてもお前ゾンビ映画無理やろ(笑)って人間だったんですけど、ミュージカルと掛け合わさってれば意外と観れるのでは…と思ったんです。
『ハイスクールミュージカル』って覚えてますか?
20~30代あたりの方はどんぴしゃだと思うんですけど、ああいうのとかディズニー映画が昔から大好きなんです私。突然歌って踊り出すあの感じを懐かしく思って……。久々にああいう雰囲気を味わいたいなあと思ったのも後押ししました。


これがポスター。斜めだけど許してね。

あらすじはこんな感じ。
舞台はイギリスの田舎町。主人公・アナは高校生。パッとしない毎日の繰り返しにうんざりしていた彼女は、「卒業したらこの町から出て、広い世界に行きたい」――そう願っていた。ところがあるクリスマスの日、日常は一転、町中に大量のゾンビが…!そこでアナと親友のジョンたちは、学校に取り残された大切な人たちを救い出すべく、ゾンビたちに立ち向かう。果たして彼らは、無事この町を脱出することができるのか……

ストーリーはあるあるですね。日常が突然非日常にっていう。ゾンビが大量発生は唐突過ぎるけど(笑)
で、実際映画はどうだったかというと
全体としては可もなく不可もない
でも、個々に推せる場面が結構多い

というのが率直な感想です。

何その微妙な評価…良かったんじゃないんかい……と思われていることでしょう。我ながら曖昧だと思う。
ただ、言い訳をすると本当にこれ、とにかく色んな要素が詰め込まれてる映画なんです。なので、色々な部分で(個人的好みも相まって)プラス/マイナスがはたらいて、自分でも整理が追い付かなくなってしまうんですよ。


例えば映画の冒頭は、クリスマスの明るい歌が飾ります。そんな歌の雰囲気とは裏腹に、のっけから喧嘩をしてしまうアナとその父・トニー。
こういうちょっとした対比、いいですね。これから良くないことが起こりそう。
物語前半は「Break Away」「Hollywood Ending」とミュージカルパートが続きます。あ、ちなみに私はBreak Awayが一番好きです。
ここまではまさに青春ミュージカルそのもの。それこそハイスクールミュージカルを想起させます。


物語が展開するきっかけとなるのはTurning My Life Around
深読みマンなのでまずこのタイトルが狙ってるとしか思えないのですが、まあそれは置いといて。
リンク見てもらえれば分かる通り、すごーーくちぐはぐですよねここ。どこかのコントを真似て「アナ!うしろうしろ!」と言いたくなりませんか?

このシーン、めちゃくちゃいい!!

非日常が背中まで迫っていることに観客は気づいてる。どう考えても異常事態、絶叫も聞こえてるし気が気じゃない。なのにアナとジョンは、イヤホンを付けてるから全然気付かない。むしろこの上なく楽しそうに歌って踊っている。
いや~~このバランスが絶妙ですね!
非日常が今まさに日常に取って代わらんとしている均衡が崩れんとする瞬間が、この場面に詰まってるなあと感じました。


で、問題はここから。
前半の青春ミュージカルはいづこへ、歌が終わるといよいよ非日常――ゾンビパートの始まりです。

はっきり言いましょう。すごいグロかった。
PG12だしミュージカル要素あるし、予告の感じも含めて、意外とそうでもないのかと思ってたんですよね。歌いながらゾンビと戦っていくのかなって。
とんでもない。がっつりゾンビ映画でした。
歌いながらゾンビに向かうシーンもあったけど、いやこれ、R15にした方がいいのでは……。CGや特殊メイクだと分かっていてもスプラッターすぎてビビった。思ったよりホラーだった。チキン極まった。

…とはいえ、ひとつ言うと、こういういかにもなゾンビ映画要素も入ってるから、ホラー好きの人もしっかり楽しめるんだと思います。
むしろそういう人たちにこそ、「一風変わった面白いものを見せたい!」という想いがあったのかも知れませんね。


後半薄っぺらすぎるので、もう少し言及します。
ネタバレしない程度にふわっと語るなら、後半はホラーもののあるある不意打ちがちょうど良い具合に織り交ぜられている印象でした。これも上手い。めっちゃ心臓ひゅっっってなるよ。
「そう来るよね、知ってた」と冷静に見れるシーンもあれば、「えーー!そこでそうなる?!」と驚くシーンもあって。ひやひやしつつ、恐る恐る指の隙間からスクリーンを覗いていたら(比喩ですよ?笑)、空しくもそのまま期待が裏切られてしまう、なんてことももちろんある。そして裏切られた先に横たわるものは、言わずもがな、です。

不条理という言葉が正しいかは分かりませんが、後半、特に物語終盤の展開は、そういうものを感じました。
けれどもその不条理は、無意味なものではありません。“誰か”が助かるために、“誰か”が身に受けるべくして受け入れた不条理だったりするんです。そしてそれは、高校生という多感な時期の、子供じゃないけど大人にもなりきれない微妙な年頃の若者同士、恋人、親友、家族――様々な人間関係の中で展開していく……
この点は、ホラー/スリラーといえど、登場人物たちが青春もののキャラクターであるという設定を上手く活かしているのかなと感じました。


あと個人的に好きだったのが、実在の有名人――中でもティーンに人気の人物の名前がぽんぽん出てくるところ。
SNSをチェックしながら、ジャスティン・ビーバーがゾンビに…とか、テイラー・スウィフトがゾンビになってたらどうする?とか。それに対して、やめろよ!テイラーは絶対ゾンビになんかならない!と本気で反論してみたり。かわいいですね。
その他にも、ゾンビを欺く方法を色々考えるのですが、中には「いやいや考えてその作戦かよ!」と突っ込みたくなるようなものが結構あります。

こういう部分を見ると、ああ、この子たちはまだ高校生なんだなあって感じがするんですよね。
非日常の中でもこぼれる素の子供っぽさ。
“笑いを取るための狙った演出”じゃないからこそ(フィクションなので演出ではあるんですけど!)、シリアスなはずなのに思わず笑ってしまう。
状況に見合わない言動が自然なコメディーとして機能していて、上手いなあと思います。こういうのほんと好き。うん。


感想はざっとこんな感じです。
想定していた以上にベースはしっかりとしたゾンビ映画だったので、青春・ミュージカル・コメディーはあれど、観た後の疲労感はすごかったです。
ゾンビミュージカルじゃなくて、ミュージカルゾンビ映画と表現したい。

マイナス要素ではないけど、そこが拍手喝采できなかった要因かな……。最初に言った通り、もともとホラーもスリラーもダメな人間なのでね。完全に個人の好みの問題。


まあ色々書きましたが、
面白そうと思った方はぜひ劇場へ。
(公開終わっちゃうのでなる早で…!)

後半のミュージカルパートも含めて、
歌はどれも最高です!
当たり前ながらみんな歌上手すぎ。

ホラー好きはもちろん、ミュージカル好きだしゾンビ大丈夫だよって人にもおすすめ。
マイナー映画好きの人や、大衆向けの映画に飽きてきたなあという人もぜひ。

気になったらひとまず予告編を見てね。



以上。何でもない話。おしまい。


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