田舎暮らしについてのひとまずの報告 ③
自然が仲間であるということ
Yさんは個人農家です。いまでは7反(約7,000㎡)の畑をもち、ダイコンやナス、オクラやスナップエンドウ、なかにはパンツズッキーニなどと呼ばれる変わった野菜を育てています。6年ほど前にこの町に初めてやってきたとき、彼女はまだ二十代半ばで、生きることについての痛切な放浪の季節から抜けきることができずにいました。事実、川根は旅の一通過点に過ぎない予定でした。当時、彼女の中にはむくむくと形を成しはじめていた思いがありました。農業をやりたい、という思いで