見出し画像

Takumiのポトレレンズレビュー第一弾 「ミノルタ MD Rokkor 50mm F1.4」

「なんで今更ミノルタのマニュアルレンズなんか使ってるの? 」

しかもデジタルで。 よく聞かれる質問です。 答えはズバリまず安いからです。 古いし安いのによく写ります。勿論ピント合わせなど手間はかかりますが、最近の押せば大体撮れちゃってるカメラに飽きてきた僕にはじっくり写真を撮る楽しさを再確認する事が出来てちょうどいいようです。人間少し不便なくらいが飽きずに末長く楽しめる気がします。

ということで今回は栄えあるレンズレビュー第一回として僕が一番好きなレンズを紹介しようと思います。


ミノルタ MD Rokkor 50mmF1.4は僕が初めって買ったカメラ、ミノルタXDに付いてきたキットレンズです。流通量もそこそこあるので割と手に入りやすいのではないでしょうか。ざっくりレビューすると、なんだか良い感じに写ります。 人肌や金属、磁器、花や草も本当に良い感じに写ります。 APS-Cセンサーのカメラで中望遠レンズとしてよくポートレートを撮るのですが、こんなに人物を撮っていて気持ちの良いレンズはなかなかありません。 

ということで皆さんも是非買って人物を撮ってください。 

これ以上あんまり言うことがない気もするのですが、これで終わるとRei君に怒られそうなのでここからは真面目にレビューします。暇な人は読んでください。 

まず特徴としてはその恐ろしい解像度です。流石に解放F1.4だと滲んだりしますがそれでもしっかりラインが潰れることなく解像しています。そして絞りをF2.8〜4くらいまで絞ると現代レンズが尻尾巻いて逃げ出しそうなくらいパキンパキンに解像します。16MPのAPS-Cセンサーが追いついていないくらいです。これをフルサイズ高画素機につけたら何が始まるんだろう…ほんと、モデルに見せられないレベルの解像度です。なのでいつもRei君と二人でこっそりニヤニヤしています。 やっぱりパキパキに写ってると楽しいですもんね! ああ 快感…!

あともう一つ特徴としてはやはり写りの柔らかさ、みずみずしさがあります。 勘違いされたくないのは、ここでいう柔らかさというのはオールドレンズのレビューでよく目にする性能の低さからくる柔らかい写りではないということです。このレンズの柔らかさ(ミノルタのレンズ全般に言えることですが)というのは豊かな階調表現からくる柔らかさだと思います。特にハイライトの階調は素晴らしく、人肌などは触った感触が伝わってきそうです。もちろん現代のレンズほどコントラスが高いわけではなく色も控え目なので全体的にちょっと懐かしいような写りになります。そりゃオールドレンズですから。 

オールドレンズでポートレートと言うと何故かみんなボケの話を始めるので一応このレンズのボケについても話しておきます。はっきり言って時代相応です。玉ボケは少し絞っただけで当たり前のように八角形になりますし、口径食も起きます。当然ですがデジタルで使えばフリンジも盛大に出ます。玉ボケの周りには立派な紫や緑のリングが付いてたりします。しかしそんな妙なところをいちいち見ているのは僕たちのような変態くらいでしょう。ボケは被写体を引き立たせるためのツール、もしくは機械的な理由でそうなってしまった現象であり、そこに執着したところで写真の良し悪しにはそれほど影響しません。それよりは被写体そのものの表現や背景の選択に労力を費やした方が生産的だと思います。実際僕もレンズを開放で使うことは特殊な状況を除いてほぼありません。現代のレンズですら少し絞って使うことが多いです。確かにボケというのは非常に便利で僕もバカみたいに背景ボケボケの写真をとることがあります。しかし、レンズの性能を図る上でボケがそこまで重要かと考えると、そうでは無いのではないかと思います。「ポートレート撮ってるんだからボケなんかじゃなくて素直にモデル見ろ」って話ですね。

まとめると、このミノルタ MD Rokkor 50mm F1.4は全体的に高いレベルでバランスよくまとまった非常に使い勝手のいいレンズです。 勿論オールドレンズらしく何か足りないような写りをすることもありますが、逆にそれが見ていて面白い写真、Rei君の言うところの ”エモい” 写真に繋がるのではないかなと思います。最近カタログスペックやボケなどに重点を置いたレンズをよく見かけますが、いくらシャープに写っていてボケが綺麗でも肝心の被写体の色や階調が綺麗に表現できていないと何のための写真なのか分かりません。その点この50mm F1.4は解像度を確保しつつ階調の美しさも兼ね備えた、現代でも十二分に通用し得るレンズなのではないでしょうか。 高性能だけじゃない使えば使うほど写真が撮りたくなる、そんなレンズをお探しでしたら是非一度試してみてください。


この記事が参加している募集

買ってよかったもの

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?