見出し画像

窮屈な青春に彩りを

――あの頃あんなに狭かった教室に、机に、教科書の隅に、誰かと一緒につくりあげた無限の物語は一生ものの宝です。


人生は物語。
どうも横山黎です。

今回は「窮屈な青春に彩りを」というテーマで話していこうと思います。

📚Stage

5月21日(日)に開催される文学フリマ東京36に、僕は出品者として参加します。最新作『夜明けのうた』といううた集を販売する予定です。

詩のような、歌詞のような、うた。中学時代から400以上の作品を綴ってきた僕が、20作品を厳選して1冊の本に仕上げました。1日の終わりに1作品をじっくり味わう読み方がおすすめです。眠る前のあなたに小さな革命を起こしたい。ステキな夜明けを迎えてほしい。そんな願いが込められています。

Amazonで購入できますが、文学フリマ価格で少しお安くご案内します。是非、【N-38】のブースにお越しください!

文学フリマまで少し時間があるので、うた集に収録してる作品たちを毎日紹介していこうかなと思います。そのうたにまつわるエピソードを物語っていきますね。

今回取り上げるのは、「Stage」という作品です。

高校1年生のときの文化祭で、クラスを盛り上げるためにつくったテーマソングに使われました。僕が作詞して、他のクラスのみんなが作曲や演奏を担当したんです。夢、恋、自分らしさ、大人に近づくこと……青春真っただ中の頃の僕が綴った、作品です。



📚青いステージ

高校1年生のときの文化祭、僕らのクラスでは演劇をやることにしました。『長靴をはいた猫』のパロディをやることになったんです。よく知られた寓話をラブコメにしちゃおうって感じです。

演劇にかかわるグループの他に、動画をつくるグループもありました。YouTubeの企画のような動画を撮って、それを公演していないとき、教室で流そうという話になったんです。

さらに、それに加えて、テーマソングをつくって、そのMVもつくって、同じように公演していないときに流そうと決まりました。

その頃から僕がうたを書いていたことは知られていたので、歌詞を担当したのは僕でした。とりあえず僕が歌詞を書いて、それをもとに作曲できる子が作曲して、軽音楽部の子が中心になって演奏をして、動画グループの子を中心にMVの素材を撮影して、動画編集できる子がMVを完成させました。

このテーマソング、最後に「ラララ」で斉唱があるんです。そこではどのグループにも属していない子も参加しましたから、クラスメイト全員を巻き込んだ企画でした。

改めて思います。

あの文化祭では、みんなでひとつのものをつくる楽しさに酔いしれ、何もないところに意味をつけ、心を躍らせていた。青いステージの上、僕らは確かに青春の中にいたって。


📚窮屈な青春に彩りを

僕は去年、『Message』という小説を出版したんですが、僕ひとりでつくったわけではなく、共同創作という形でつくっていたんです。基本的に執筆するのは僕なんですが、制作途中からアイデアも原稿も疑問も悩みも共有しちゃって、みんなの意見を聴きながら作品を完成へと近づけていく方法をとりました。

共同創作の方がひとりよがりの文章にならないし、読者のニーズに寄り添うことができると思ったからでもありますが、そんなこと実は後付けの理由で、根本的にあるのは、みんなでひとつのものをつくりたいという衝動でした。

あの頃あんなに狭かった教室に、机に、教科書の隅に、誰かと一緒につくりあげた無限の物語は一生ものの宝です。それはきっと誰しもそうで、人と関わって、時にぶつかりあって、それでも手を取り合って、同じ未来へ向かうプロセスは何にも代えがたい経験といえるのではないでしょうか。

きっとそれらが全部、青春という名前でくくれる。

どんなに窮屈な日常でも、誰かと笑えれば、誰かと泣ければ、眩しいくらいに光を出します。永遠に光り続ける一縷の光が生まれます。人はその光に出逢うために生まれてくるんじゃなかって、時々思うんですよね。

きっと今からでも遅くない。

そう信じているからこそ、僕は自分のやりたいことを優先しがちになるんですよね。

この前も、「BOOK TALK LIVE “Message”」というライブイベントをやりました。オフラインイベントをやってみたい。今年のはじめに芽生えた欲動は、潰すには厳しいほどに膨れ上がり、僕をまた呼び戻してくれました。

青春という名の舞台に。

イベントの舞台も、たったひとりでは成立しません。支えてくれる人がいるから、参加してくれる人がいるから成り立つんです。あの空間には、笑顔がたくさんあったし、涙もたくさんあった。笑顔と涙に彩られたあの場所は、間違いなく青春でした。

これからも何度だって立ち戻ってみせます。狂うほどに、青く、演じてやります。青いステージで、人生というシナリオの主人公を。

20230505 横山黎



この記事が参加している募集

文学フリマ

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?