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イエローカードを貰わない日本と、勝つためならレッドカードも辞さない外国

ワールドカップの試合を見ていると国ごとの価値観の違いが如実に出るので面白いです。

23日は日本が強豪ドイツを破るという歴史的快挙がありましたが、この試合は両チーム合わせて警告のイエローカードが1枚も出ていないという”クリーン”な試合でもありました。

一方で昨日行われたポルトガル対ガーナの試合は両チーム合わせてイエローカードが6枚も出ており、しかもラフプレーをめぐって互いに乱闘寸前になるという”荒れた”試合でした。(個人的には面白かったです)

この試合をテレビで見ていたのですが「日本人なら絶対やらないだろう」と思われる行動がいくつもあったのが印象的です。

例えば主審がペナルティーキックの判定を下すと反則を取られたチームの選手が一斉に主審に詰め寄り、まるで「お前どこに目がついているんだ!」と言わんばかりに自分の両目を指しながら抗議していました。日本の選手がそんなことをやったらきっと「審判に失礼だ!」と非難されることでしょう。

他にも試合終了間際に負けていたガーナの選手がゴールキーパーの後ろに隠れてボールを奪うという珍しいプレーもありましたが、日本の選手がやるとこれも「セコい!」とか「正々堂々とやれ!」と言われそうです。

おそらく出場した32か国の中でも日本は最も”紳士的”なチームであり、調べてみるとワールドカップでの「レッドカード(退場者)なしの連続試合記録」はなんと日本が持っており、未だに継続中とのことです。
(他の”紳士的な国”でも時々退場者は出るということです)

さて、日本の価値観を「”きれいに”試合を進めることが大切、その結果負けてもやむなし」だとすると、世界には真逆の価値観もあります。

それは「勝つためにはレッドカードを貰おうが何をしようが一向に構わん」という価値観です。

例えば「ここで点を取られると自チームの敗北が決定的になる」という場面で相手チームに得点されそうになったとき、日本なら”荒っぽいこと”をしてまで相手を止めようとはしませんが、国によっては一発退場のリスクを覚悟したうえで強引に止めに行きます。

その結果自分が退場になっても自チームは助かる可能性があり、更に反則が審判にバレなければ「ラッキー」ということになります。

スポーツの試合なのでルールを守ってフェアに戦うことが「正しい」のは間違いないのですが、その正しさをどこまで重視するかは国によって結構違います。

日本のようにルールを守ることを絶対視する価値観の国もあれば、ルールを破ることによる「ペナルティー」と得られる「利益」を天秤にかけて判断するという国もあるということです。

勝つためにはレッドカードも辞さないような価値観の国に対して「汚いぞ!」「恥を知れ!」と罵ったところで相手は何とも思いません。相手は最初から「他国から紳士的なチームとして評価されたい」と思っていないので何を言っても無駄です。

過去に酷い反則をした選手が国に帰ると「英雄」として迎えられるということもありましたので、国によっては「他国の目」はどうでもよくて「自国民を喜ばせること」だけを考えてプレーをしているところもあります。

これだけ価値観が違うとこの先もお互いにわかり合うことはないのですが、そういう「価値観のぶつかり合い」も案外ワールドカップが世界中で盛り上がる要因の一つかもしれません。

いつか日本が”クリーン”な試合を貫いて優勝するような日が来たらそれはそれで大変素晴らしいことだと思います。

最後まで読んでいただきありがとうございます。

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