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本当に今が本邦企業にとって、米Nasdaq上場元年なのか?その保全手段とは!?

NewsPicksによると、日系企業(日本人創業かつ経営者?)の米Nasdaq上場が増加傾向にあると報じられています。

確かに
2020年6月以来、NUZE、MRM、TKLF、HTCR、SYT、WRNT、ELWS、PXDTなど、日本人創業者そして経営陣が関与する企業がIPOを実施しています。
ちなみに、日本関連といえば、
YOSHなどの小規模な米国展開のラーメン店もIPOし、1年が経過しています。
(カリフォルニアを拠点とするラーメン店を営むYoshiharu GlobalはIPOにおいて$18mio資金調達を果たしました。
どれくらい小規模かというと年間売上規模$3~4mio、赤字上場でした。
現在のMktCapは$5mio(株価@0.44)です。赤字でも株価つきます)
引受はEF Hutton https://efhutton.com -問い合わせ増えるだろうな・・・)

さらに、AWINやNCNCなどのSPACも経験を積んでいます。
(上場した発行体の多くはファーストペンギンとして以降の糧になる)

他方、
筆者が接点のある米国の投資家側は、一部の大型銘柄(例:armやcart)のIPOが不振であるため、
テック系企業だけでなく、時価総額が100億円未満の新規公開企業(いわゆるIPO)案件に対する関心が低下し、
米国金利の上昇がひと段落するのを待つ姿勢を示しています。
これは、2021年に発生したIPOの延期と似た雰囲気です。
彼らの多くはベンチャー投資のみならず新規公開株式への投資を2023年後半まで控えるでしょう。

このような環境において、
成長企業は現在のキャッシュフローで評価される傾向が強まっています。(むしろ支配的と言っても過言ではありません)
その結果、米国においてはIPOよりも
M&Aが主要な現金化手段となっています。
これらの企業は、IPOに至る前に「restricted stock units(RSU)」を導入し、早期に現金化できるようにしています。
(このストラクチャができる方は日本にそう多くありません)

実際、米国のベンチャーキャピタルファンドは10年サイクルで運用されており、長期投資を行っています。
彼らは、狭義のIPOで企業価値を高め、成長と流動性を市場にもたらすことを求めており、今後9ヶ月は厳しい時期と予測しています。
これに伴い、当然ながらIPO銘柄への投資は控えられるでしょう。

この結果、拙速な日本も含めた海外企業の米国上場においては、
米国の投資家ではなく、
(日本をはじめとする)発行体の拠点の投資家、
否むしろ、発行体による直接募集に応じるであろう、
親・兄弟・親戚・友人または遠い知り合いが中心になると思われます。

このような環境において、
発行体の主張する企業価値を丸呑みにしないためには、
最低限、Prospectus(目論見書)がEDGARに提出されているかを確認することと、

株価算定根拠が(直接利害関係のある発行体の主張ではなく)
信頼性のある第三者によるものであるか?
という情報を求めることが重要です。

また、
日本において有価証券の募集行為
(発行体ではなく別の第三者が行う場合は)に関して、
金商一種登録を行うことが望ましいとされています。
(参考:金商法第197条の2第1号)


究極を言えば、日本国内において、違法な募集行為を行なわれた場合には、財務局に通報して、元本を返してもらうように訴えれば良いのです。

日本の居住者には、納税者であり、一般投資家を守る制度があります!

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