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ダイバーシティとしなやかさ

「ダイバーシティ」って、都会のカフェで出されるエッグベネディクトみたいに、小洒落た響きだな。でもダイバーシティって本当は、泥臭くて、もどかしくて、人間のどうしようもなさがつまった、めんどうくさいものなんじゃない?

この「めんどうくさい」は、日常のあちこちに転がっている。

「世の中にダイバーシティを」なんて、私が突然、わけ知り顔で語りだしたら、友人らは目を白黒させるかも。

「何をそんなに苦しんでいるの?」

澄んだ目で尋ねる友人たちを、うとましく思ってしまう、めんどうくさい自分にうんざりする私に、彼女たちは困った顔で言うのだろう。

「私たちはここでうまくやっていくしかない」
うん、私だってそう。あなたたちが変わらず好きだよ。

私を規範の中に押し込めようとしているかのような、めんどうくさい言葉だって、全部、笑い飛ばせればいいのに。めんどうくさい私の気持ちなんか、心の奥にさっさと押しこんで、にっこり笑えれば、めでたし、めでたしなのに。

他人は私じゃないから、いつの間にか誰かを傷つけ、傷つけられ。生きるって、めんどうくさい。それでも今日も明日も、誰かに会いたい。

しなやかさを失ってしまった私を誰か叱って。「自分の感受性くらい、自分で守れ、ばかものよ」って本当、そうだよね。

私たちはどうしたら互いのめんどうくさいを、抱きしめ合えるの?


#生きづらさ #フェミニズム #北欧 #メンタルヘルス #創作 #エッセイ #人間関係


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