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ゆとり世代に胸を張ろう。朝井リョウ著「時をかけるゆとり」

1991年生まれ。
ゆとり世代どまんなかである。

ちょっと前は、ゆとり世代はと言うと世間ではロクな言われ方をしてなかった。

超ネガキャン。
ぶっちゃけ当時ちょっと、あんまりだったでしょー!笑

おかげさまで、みんな詰め込み教育頑張ったのに、何か自分らだけゆとり教育受けちゃってすみません〜みたいな感情もなきにしもあらず。

最近はほとぼりが冷めたのか、世代間論争の主役はもっぱらZ世代。

僕たちゆとり世代はもはや社会の新人とも言えず、徐々に中堅にスライドしてきてるんでは?

世代で一括りにするのは良くないし、大嫌い。

なんて言いつつも、やっぱり育った時代背景とか受けた教育、社会の文脈って、価値観形成に大いに影響を与えてるような気もする。


というのも、胡散臭いサイトでまとめられてる「ゆとり世代の特徴は?仕事上の指導方法を徹底解説!」なんてSEO記事であげられてる特徴がドンピシャでびっくり。

・合理的効率を最重視
・離職率が高い
・競争意識が低い
・昇進や昇給への執着が薄い
・仕事の指示待ちが多い
・プライベートが大切
・ブランド志向、高級志向が薄い

ほえー。たしかに僕も周りもそんな気する。
もちろん、そうではない人もいます。
傾向はあるって程度で。

やっぱりなんかネガティブに映る特徴が多い。

でも。今更そんなこと言ったってしゃーないし!
この特徴を生かしていく方向で考えましょう!

ほとぼりが冷めて注目度が下がった今こそ。
中堅に片足突っ込み始めた今こそ。

反撃開始や、ゆとり世代!


2002年の学習指導要領が変更され、ゆとり教育が導入された当時。

その意思決定をした人達の思いはどうだったんやろう。

もう20年も前のことだし、60〜70歳くらいなのかなー。既に引退されてるかもしれない。

邪推だけど、たぶん彼ら彼女らには、「将来の日本社会が、いまよりゆとりを持った社会になって欲しい」っていう切実な思いがあったんじゃないかなー。

僕たちゆとり世代が社会に出て十数年揉まれた今。
世代を超えて、その気持ちはすごいわかる。

だってまあまあしんどいもん、社会。
20年前はなおのことだったんでしょう。知らんけど。

だからこそ、彼ら彼女らのその思いは大切にしたい。

僕たちはゆとり世代として色々ディスられたし、政策としても合ってたかは分からない。

けど、ゆとり教育を受けて形成した価値観も大事にして、社会をいい方向に進めることができたらいいなーと思う。

なんなら、それこそがゆとり世代の使命じゃない?じゃないと20年前の人たちも浮かばれんやん。

最近、「ワークライフバランス」なんて言葉でポジティブ変換されて追い風吹いてるし。

そろそろ伏線回収に参りますかー!

つまり、ゆとり世代のみなさま。
胸を張って、ゆとろう!


なんてことを考えながら読んだ。
朝井リョウ著「時をかけるゆとり」

就活生の群像『何者』で戦後最年少の直木賞受賞者となった著者。この初エッセイ集では、天与の観察眼を駆使し、上京の日々、バイト、夏休み、就活そして社会人生活について綴る。「ゆとり世代」が「ゆとり世代」を見た、切なさとおかしみが炸裂する23編。『学生時代にやらなくてもいい20のこと』改題。"圧倒的に無意味な読書体験"があなたを待っている!?

Amazon内容紹介

朝井リョウさん。大好きです。

2個上。
てことは1回生の時の3回生で、2回の時の4回。(そらそうや)

あー、あの頃ってほんとこんな感じだった。
この時代特有のアホさ加減。
ノスタルジアに浸れる。

就活の話とか特に。
他の時期の就活を知らんけど、最もカルトチックに過熱してた時期なんじゃないかなー。

これ読むだけで学生時代にタイムスリップできる。

最高でした!


そしてまたよかったのが、光原百合さんの解説。

ゆとり世代を「かなり素敵な世代」と評してくれています。
ちょっとだけゆとりに胸を張れます。

ゆとり世代については、世間的にはどうもロクな言われ方をしない。ゆとり世代の当時者たちからも、あまり肯定的な自己評価を聞かない気がする。

解説より

買って読んだものの、なんか既読感あった。
そしたら実家の本棚に置いてあった。

読んだことあったんかーい!


「風と共にゆとりぬ」
「そして誰もゆとらなくなった」
と続編が続くので、それらもはやく読みたい。

ゆとり世代必読。

みんな、胸を張ってゆとろう!

以上!

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