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【創作童話】アンドロメダの涙#2

#2〜容疑者死亡〜

「セイラ・グラナディエ死亡!!」
ニュースも新聞も皆一斉に報道した。

銀河ポリス本部も打ち切りを決定した。

しかし
イアーゴー巡査だけは違った。

「いいや、俺は追う。
そんな匂いがするんだから。
銀河ポリスの狂犬とは
俺のことさ!!」

【2時間前ーー】

銀河ポリスは慌てていた。

拘留場の中にいたはずの
セイラ・グラナディエと
ミスター・エバー・グリーンが
消えている。

ポリス達は駆け巡り
捜索しているにも関わらず、

クレマチスだけがお腹を膨らませ
大きなゲップをした。

ポリスの一人が
クレマチスを調べた。

「罪人なら、
裁かれる訳でしょう。
死んだって
良いはずですわ。
アタクシが
たーんと頂きましたの。
それではもうよろしくて?
失礼しますわ。」

二人はクレマチスに
食べられてしまっていたのだったーー。

クレマチスは
銀河ポリス本部を後にした。

もう大分遠い所、
丁度今の
ノースノードの
辺りに来た所で

クレマチスは
二人をベロベロ吐き出した。

「さぁ、もう大丈夫、
言ったでしょう?
アナタは死ぬって。

アナタ達は
世間的には一度死んだの。

だからもう、
ポリスは追って来ないわ。
その間に
無実を証明しましょう。」

わたしは
思わず泣き出した。

「ありがとう。嬉しいけれど、
どうやって証明すれば良いの?」

そうだ!と、
ミスター・エバー・グリーンが
手を鳴らした。
「ノヴァーリスの花を探しに行こう!
あの伝説の青い花を!」

ノヴァーリスの花は
どんな願いも叶えてくれる伝説の花。
しかし一度
犯罪に使用されたことを機に
探すことすら
宇宙法律で禁じられているのだ。

「ノヴァーリスの花に
証明してもらおうじゃないか!
どうせ我々は既に罪人じゃ!」

「でも、簡単に見つかるかしら。
もう大人しくしているしか
ないんじゃないかしら…。」

その時、
わたしにブルーが
大きな声を出した。

「ダメだよセイラ!
それでは君は本当に
悪党にされてしまう!

戦わなきゃ!
君の無実はボクが知ってる。
みんなで戦わなきゃ!」

クレマチスも
エバー・グリーンも頷いた。

「セイラ、君に必要なのは
友達だよ!
ボクらが君の
友達になってあげる!」

【その頃のイアーゴー巡査】

イアーゴー巡査は変わり者だった。

人の意見を全く信じず、
自分の鼻だけを信じて
捜査をしていた。

だが
意外なことに
それがいつも当たった。
その鼻は
段々と高くなり
その高い鼻を
盲信せずにはいられなくなった。

そして今回も
セイラからアンドロメダの匂いが
プンプンするのだ。

アイツはきっと、
アンドロメダを隠し持っている!
そんな直感がした彼は
単独でセイラを捜査するのを
銀河ポリス本部に届け
行動を始めた。

こういう時の彼は
しつこく
そして素早かった。

彼は考えた。生きていれば
必ず何処かに移動する!
そして宇宙では
偽名が使えない。
その姿の名はひとつで
別の名を使うには
新しいネイタル

つまり

生まれ変わりを
しなければならない。

セイラが生まれ変わりをするかは
賭けのような気もする。
だが、そうすれば
せっかく盗んだ
アンドロメダも失うことになる。

アイツは必要があって
盗んだのだから
そこから
推測しても
生まれ変わらないはずだ!

やはり移動するはずだ!

イアーゴー巡査は
しぶとく航空券の
チケット購入履歴を
リアルタイムで追った。

待っていろ!
捕まえてやる!
俺は噛み付いたら
離さない狂犬だーー!!

【その頃のセイラ達】

「青い花探しは
ワシも
永年やっておるが
難しいのう。

少し
休もう。」

歩き疲れたわたし達の前に
丁度良く
滝が現れた。

ユーフラテス川の近く
わたし達は
思い切り水を飲むことができた。

そしてそこに
偶然
笑いながら水を飲む
流星を
見つけた。

ミスター・エバー・グリーンが
叫んだ。

「おーい!
この流星が
連れて行ってくれるらしい

商売を始めたんじゃとよ!」

流星はガイドという名で
この辺りでは
伝説の運び屋と
呼ばれているらしい。

偶然が重なる
このしあわせな日々が
ずっと続けば良いのに。

その日
わたしを狙う
悪意が
向かってくるなんて

このしあわせが
消えてしまうなんて

そんな事
知りたくなかったのにーー。


次週
→【アンドロメダの涙#3】に続く

来週水曜日更新!お楽しみに!

by六花💌

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