見出し画像

■ 障がい児創作支援員のススメ

今の社会にそういった職業が存在するのかどうかは知りません。

わたしの実務経験上 知っている範囲で言えば
就労支援施設(生活介護)における「創作支援」(担当)と
放課後等デイサービスにおける「障がい児 児童支援員」くらいで

その両方を掛け合わせ 特化したサービスを行なっているところは
全国的に調べると点在するかもしれませんが
わたしの暮らす京都圏内ではあまり見かけたことがないです。

なければないで自分でつくるしかないと思いました。

放課後等デイサービスにおいて
その気さえあればどんな企業も気軽に参入できる福祉事業とあって
託児所紛いの何も療育的取り組みを成さない預かり保育や
個人で宿題だけをさせるような場所も全国的に増えているらしく
今年度あたりから国が精査していくようです。

逆にこれは創作支援に特化させるチャンスかなと思っています。

京都は文化庁が移転したことで芸術分野に力を入れはじめたところでもありますし、しっかりと根拠のある真面目な取り組みさえすればきっと国も認めてくれるはずです。

アーティスト志望のニーズはあると思うのです

 ・

さて そんな希望的観測で 浮ついた心から ひとまず冷静になって

それではどんなタイプの人が
「障がい児創作支援員」に向いているのか
考えてみたいと思います。

ポイントは2つです。
とりあえず資格うんぬんは横に置いておきましょう。

<1>

いちばんに考えたいのは〝相性について〟 です。

まず子どもが好きかどうか が大きなポイントですね。

でもこれは公言して憚らないようなタイプの人ばかりが
子ども好きではないということを見抜くべきです。

じつは潜在的な「子ども好き」という方のほうが
特に障がいのあるお子様相手の場合は向いている気がします。

わたしの〝気づき〟をお話ししたいと思います。

もともと次男として育ったこともあり
結構自分は昔から幼稚なほうでしたので
「(ふじ)はあやす側よりあやされる側だろう」と
児童支援員になった際 周囲の人に驚かれました。

わたし自信こんなに水が合うものだったんだと
驚いたくらいですから当然ですね。

このnoteでも滲み出てますから お分かりいただけると
思うのですが わたしはあんまり明るい性格とは言えません。

ですが それは外的要因が大きく関わっていただけということに
気づいたんです。

とにかく わたしは〝天然〟でして
人と接しても いろんなヘマをやらかす ちょっとめんどくさいヤツです。
(調べてませんが、多少障がいのようなものがあるのかもしれません。
 グレーゾーンは言い出したらキリがありませんし どっちでもいいですが)

それが原因で 自信を喪失し 引っ込み思案になってしまいました。

けれども あるきっかけで 障がいある子どもさんたちと邂逅することにより
殻が破れました。

子ども、特に障がいを持つ子どもさんたちは
さまざまなレッテルを貼る大人たちとはちがい、
無条件で受け入れてくれます。常に命を張った全力投球です。

交わる前はかなり及び腰なわたしでしたが、
いざ当人たちのなかで投げ入れられると
暗いもへったくれも なかった。
そんなの考える余裕なんて一秒もありません。

思わず素が出てしまって、そんな素が受け入れられた瞬間でした。

大人たちは 婉曲的に皮肉をこめて「天然」と評しますが、
子どもたちは何一つ嫌味のない態度で「おもしれー!」と
笑ってくれたのです。

このアハ体験は 本当に衝撃的で いまだ忘れられません

以来わたしは 明るくなり
(根は乾かず 表現姿勢は変わらずソウルフルですが)
天然のままながら、それでいいと自己肯定できるまでに成長したのです。
その恩返しをこめてWin-Win支援を続けているとも言えます。

おそらくわたしと同じような天然の性格から
会社組織で足を引っ張り 役立たずと罵られてるような
人は数多くいると思います。

ヘマや失敗の積み重ねから自信を無くしてしまって
会社に行けなくなったり、ひどいケースになると
病気になったり死を考えてしまったりする人もいるでしょう。

そういう人たちへの救いの手として
この職業があるとは過言でしょうか

感情労働なんてたまったものじゃない。
自分みたいな暗い性格の人間が福祉に向いているはずがない。

そう決めつけて子どもと触れたことのない人もたくさんいるはずです。

でも一度でいいから このアハ体験を経験してみてほしい。

もしかしたら あなたもわたしと同じように運命の扉が開くかもしれません。

<2>

次に〝モノづくり〟が好きかどうか。

これも障がい児創作支援員をはじめる上では大きなポイントです。

プロとして成功してる方、
実際モノづくりで財を成してる方は、
もしほんとうにボラインティアのような感覚で
お手伝いいただけるとしたら願ってもないことですが、
何度も言いますように「指導者」となってしまう危険性が高いので
あまり相応しくありません。

できればわたしのように
一旦アート活動で挫折したり、諦めてしまったりした
セミプロのような立ち位置にある方が望ましいと思います。
それだけでは食っていけない人です。

表現することの楽しさ、大変さをある程度経験から
学んでいながら それでもやめられない 続けたい
モチベーションを保ち続けていられる人。

グループワークの大切さを知っていることも必要です。

外部との接触から刺激やヒントを得て
創作に落とし込むことの重要性を熟知していれば
障がいという未知の領域の魅力も伝わることでしょう。

あとこれも後々重要になってくるポイントですが、
他者と比べない心意気が要ります

表現者たるもの どうしても比べたくなってしまうのが世の常ですが、
そこをグッと精神で抑え込むくらいの教育はせねばなりません。

プロの作家さんなどに憧れる程度ならいいのですが、
ゴリゴリにマウントとってくる作家は最悪です。
(野心家の一般アマアーティストに多いです;)
圧勝か降伏かの二極ではなく
相手よりも自分の優れているところ
自分より相手の優れているところを必ず拾う癖をつけ
「みんなちがって みんないい」(by金子みすゞ)を貫きましょう。

それが福祉です。

この記事が参加している募集

子どもに教えられたこと

子どもの成長記録

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?