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「女の子が生きていくときに、覚えていてほしいこと」西原理恵子著

「王子様を待たないで。お寿司も指輪も自分で買おう。」
帯のそんな言葉に惹かれて手にとった。

著者の西原理恵子さんは映画にもなった「毎日かあさん」でお馴染みの漫画家さん。

お子さんが小さな頃にアルコール依存症の夫と離婚し、その半年後に夫を看取り、その後シングルで子育てされている。
男の子と女の子の2人。

「女の子が生きていくときに、覚えていてほしいこと」  西原理恵子 著

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シングルで育てているからこそ、自立した女性になれという上記のような帯の言葉が出てくるのだろう。
王子様に何かあったときに女の子は立ち上がることが出来るか。
彼女は育ってきた環境と結婚後の環境から、その切実さを身をもって体験しているからこそ。

我が家には娘が2人いる。
シングルになったときの子どもの年齢は、西原理恵子さんと同じ時期だ。

離婚届けを出した日の、私の清清しい気持ちを映したかのような雲ひとつない青空を、今も覚えている。幼い娘を抱えて、私は自らの力で立ちあがり歩くことに安堵していた。

手に職があるという大きな強みは共通点だろう。
お寿司や指輪にはあまり興味はないけれども、欲しいものは自分で買いたいし、行きたいところへは ひとりでも行きたい。

読んでいると共感できることが沢山ある。
子どもとの距離のとりかたも似ている。

どちらかというと子どものことに手をかけがちな昨今だけれど、たとえ自分の思いと違ったとしても、子どもの選んだことには口を出さない。でも必要なときにはドアは開けておく。
そんなスタンス。

私も一見放任のように見えて、私自身も周りのママ達と違うなと思うことが多くある。尚且つ、冷たいのか私?と感じることもあったけれど、この本を読むと、そうそうそうなのよ、と。
子どものことを思っての言動であり我慢であるのだ、とものすごく共感。

だけど、西原理恵子さんの育ってきた環境は、私とはかなり違うもので、
そこからあのぶっ飛んだ感じが出ているのかなと思う。
そこは私の足りない部分。

でも進路を決めるとき、就職先を選ぶとき、家を出たいと言ったとき、
伝えてきたことは同じ。

これで良かったのかな、と少し思えた。

もう反抗期ではないから、色々今後の話もきちんとできるようになったけれど、いくつになっても人生悩みも迷いもあるわけで。

大切なことは、転んだ時に立ち上がる力。

娘に限らず、私自身にも当てはまること。そして親として、その時に必ず立ち上がるための居場所は作っておきたい。いつでもドアは開いているよと。

我が娘2人に、女の子を育てているパパママに、そして女の子として育ったお母さん自身に、ぜひ手にとってもらいたい一冊。




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