107.友人の訃報
「〇〇さん、死んだんだって!知ってた??」
つい数時間前に、突然耳に入った訃報です。
「えっ!?」
まるで漫画の一コマのような間がそこにはありました。
「〇〇がしんだ?」
***
この時、当時19歳、依存症の治療で初めて入院した時、
私より先に入院していた男性です。
入院中、深夜、ロビーで度々私のどうしようもない話を延々と聞いてくれました。
そういえば、お互いに退院した後、酔って電話をしていた時
彼が私に「愛してる」と言ったことがありました。
その時は「気持ち悪い!!」と思いましたが、今となってはいい思い出です(笑)
そんなこともありました。
そう思えるくらい、その後、ずっとずっと、私の回復を見守ってくれた男性でした。
なにをやらかしても、ダメでも、クズでも、鬱でも、ハイでも、うまくいってもいかなくれも、彼はいつも少し離れたところで、微笑んで私のことを見ていてくれた人でした。
入院してアルコールと処方薬の離脱症状で、幻覚幻聴におかしくなっている、血まみれでストレッチャーに乗せられて外出から帰ってくる、そんな私を知っている男性です。私のなにを見ても、それは回復・成長そのものでしかなかったでしょう。
彼のことが大好きでした。
いつも優しく見ていてくれる彼の存在に
疲れたときは癒され、不安なときは勇気づけられました。
いつか、また会える
そう信じて疑っていませんでした。
***
白髪まじり
ロマンスグレーなジェントルマン
物腰柔らかで人を警戒させない人でした。
私のことだけでなく、特に若いひとのことをよく見てくれている人でした。
甘いものが大好きで、お酒をやめたのに、糖尿病になり、脳梗塞を起こし、半身まひ、引きこもり、脳梗塞の再発をして亡くなった、そうです。
人づてに聞いたことですが、亡くなったというのは本当みたいです。
最近ではなく、去年。
もう会えない、死んでしまったということを悲しむ気持ちがあり、でも、きっとずっと苦しかったと思うので、「よかった」という気持ち、どちらの気持ちもあります。
約4年前に顔を合わせた時が最後でした。
あの時の私は、とてもとても元気な時だったので、その姿を見せることができて良かったな、とも思います。
その時は、半身に後遺症が残りながら、なんとか外出をして、仲間のイベントに出てきた時でした。
その時以来、通院以外は自宅に引きこもっていた、そうです。
その方とのことを振り返ると・・・、感謝と大好き、という気持ちがこみあげてきます。
「〇〇さん、大好きでした。」
なんてさっき心のなかで思ったら、
「そういうことは、生きてるうちに言ってくれよw」
と、皮肉った優しい笑顔で言う彼が見えるようでした。
これからもきっと、私のことを見守ってくれますね。
そんな気がします(^_^)
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